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続章_60
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何ごとも起きず、更に数日が経過したある日の放課後―――
教室で帰り支度をするハヤテ達。
アイが体調不良で休みを取った為に保健室が使用出来ず、部活が休みとなったのである。
しかしハヤテ達は本人から聞かされ知っている、アイの休みの理由が体調不良でない事を。
実際には放火や襲撃など、最近身近で起きた事件を本来の職場である文科省へ報告する為に、「ひがしアイ」こと黄は、休みを取ったのであった。
「遅くなりましたぁ! さぁ急いで帰りましょう!」
ハヤテ達の教室に、いつも以上のテンションで飛び込んで来るツバサ。
「どうしたんだい、ツバサちゃん? テンションマックスって感じだけど?」
「今日は待ちに待った新作ゲーム『フェアリーリング3』の発売日なんですよぉ~!」
「じゃあ今日のハヤテくんは「荷物持ち」確定だね」
笑顔を見せるサクラに、
「でもハヤテ君に荷物を持ってもらって家に帰ったら、余計にお母さんの誤解を解くのが大変かもでありますよぉ~~~!」
「へ、へぇ~~~そうなんだぁ」
お気に入りのゲーム発売日と相まってか、有頂天のツバサに少々気圧され気味のサクラ。
「今日はヒカリちゃんのお父さんの、サプライズ誕生日パーティーをするんでありますよねぇ?」
「う、うん」
「そうなんだよぉ、ツバサちゃん。パ……お父さんの感涙し過ぎた姿を想像すると、ボクは今から気が重いよぉ~~~」
ヒカリが嘆くと、
ピンポンパンポォ~~~ン
ハヤテ達以外いない、閑散とした教室内スピーカーから校内報送開始を知らせるチャイムが鳴り、
『一年A組東ハヤテ君、職員室で上越トキ先生がお呼びです。職員室までお越し下さい』
ピンポンパンポォ~ン
「ま、マジかぁ……」
早く帰れる思っていた腰を砕かれ、ゲンナリ顔するハヤテ。
「悪いツバサ……ちょっとだけ待っててもらえるかぁ……」
「ゲームは予約してますから急ぎませんし、大人しく待ってるであります! ヒカリちゃんとサクラさんはパーティーの準備があるで しょうから、先にお帰り頂いて大丈夫でありますよ」
「ごめんツバサちゃん、そうさせてもらうよ」
「ごめんね、ツバサちゃん」
「いえいえ、お父様殿によろしくお伝え下さい」
ツバサが笑顔を見せると、ハヤテは安心した表情で、
「じゃあ、ちょっと行ってくる! ヒカリ! サクラ! また明日な!」
急いで要件を済ませようと駆け出し、
「ハヤテくん、また明日ぁ!」
「ハーくん! また明日ねぇ!」
「おぅ! オジサンにヨロシクなぁ!」
勢いそのまま、教室から飛び出して行った。
見送ったヒカリとサクラは、
「ツバサちゃん、また明日!」
「また明日ね、ツバサちゃん」
「ハイ。お二方とも、また明日でぇす!」
夕焼けに染まる教室にツバサを残し、二人は家路へと着いた。
教室で帰り支度をするハヤテ達。
アイが体調不良で休みを取った為に保健室が使用出来ず、部活が休みとなったのである。
しかしハヤテ達は本人から聞かされ知っている、アイの休みの理由が体調不良でない事を。
実際には放火や襲撃など、最近身近で起きた事件を本来の職場である文科省へ報告する為に、「ひがしアイ」こと黄は、休みを取ったのであった。
「遅くなりましたぁ! さぁ急いで帰りましょう!」
ハヤテ達の教室に、いつも以上のテンションで飛び込んで来るツバサ。
「どうしたんだい、ツバサちゃん? テンションマックスって感じだけど?」
「今日は待ちに待った新作ゲーム『フェアリーリング3』の発売日なんですよぉ~!」
「じゃあ今日のハヤテくんは「荷物持ち」確定だね」
笑顔を見せるサクラに、
「でもハヤテ君に荷物を持ってもらって家に帰ったら、余計にお母さんの誤解を解くのが大変かもでありますよぉ~~~!」
「へ、へぇ~~~そうなんだぁ」
お気に入りのゲーム発売日と相まってか、有頂天のツバサに少々気圧され気味のサクラ。
「今日はヒカリちゃんのお父さんの、サプライズ誕生日パーティーをするんでありますよねぇ?」
「う、うん」
「そうなんだよぉ、ツバサちゃん。パ……お父さんの感涙し過ぎた姿を想像すると、ボクは今から気が重いよぉ~~~」
ヒカリが嘆くと、
ピンポンパンポォ~~~ン
ハヤテ達以外いない、閑散とした教室内スピーカーから校内報送開始を知らせるチャイムが鳴り、
『一年A組東ハヤテ君、職員室で上越トキ先生がお呼びです。職員室までお越し下さい』
ピンポンパンポォ~ン
「ま、マジかぁ……」
早く帰れる思っていた腰を砕かれ、ゲンナリ顔するハヤテ。
「悪いツバサ……ちょっとだけ待っててもらえるかぁ……」
「ゲームは予約してますから急ぎませんし、大人しく待ってるであります! ヒカリちゃんとサクラさんはパーティーの準備があるで しょうから、先にお帰り頂いて大丈夫でありますよ」
「ごめんツバサちゃん、そうさせてもらうよ」
「ごめんね、ツバサちゃん」
「いえいえ、お父様殿によろしくお伝え下さい」
ツバサが笑顔を見せると、ハヤテは安心した表情で、
「じゃあ、ちょっと行ってくる! ヒカリ! サクラ! また明日な!」
急いで要件を済ませようと駆け出し、
「ハヤテくん、また明日ぁ!」
「ハーくん! また明日ねぇ!」
「おぅ! オジサンにヨロシクなぁ!」
勢いそのまま、教室から飛び出して行った。
見送ったヒカリとサクラは、
「ツバサちゃん、また明日!」
「また明日ね、ツバサちゃん」
「ハイ。お二方とも、また明日でぇす!」
夕焼けに染まる教室にツバサを残し、二人は家路へと着いた。
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