禁断すぎてもうどうにでもなれって恋をした

結愛

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変わる日常

第4話

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プラスチックのストローで飲み物を吸う。
「まさか蘭姉」
「兄ちゃん」
「が手引きしていたとは」
「葉道(はど)。オレのこと某国民的名探偵の彼女さんみたいに呼ぶくせに
手引きなんて、某組織みたいな言い草するじゃん」
「フゥ~⤴︎さすがは蘭姉」
「兄ちゃん」
「私らのバンドの頭脳」
「それな!」
なんていう同じバンドの身内ノリ、いや、もはや周知のノリが終わったところで
「そういえば」
本日の歓迎会の主役、アイビルが口を開く。
「蘭姉」
「…。あぁ、兄ちゃん。ちょ、アイビルまで」
「ごめんごめん。言ってみたかっただけ」
「ほらぁ~。言いたくなる日本語なんだって」
「ま、全然いいけどさ」
「蘭と葉道と羽飛過(うひか)さんのバンドってなんていう名前のバンドなの?」
「あ、そっか。アイビルは知らないか」
「転校生だもんね」
「うちらはねぇ~」
と円が言うと、円と葉道、円と蘭、蘭と葉道が目を合わせて
「「「Pigeon’s Runway(ピジョンズ ランウェイ)です!」」」
と声を合わせて言った。
「ねえ、やっぱやめない?バンド名全員で言うの」
「なんでよー」
「なんか、なんか1曲しか世間で跳ねてないのに
売れてるみたいに勘違いしたアイドルの自己紹介みたいで嫌」
案外辛辣な蘭。
「まあ、わかるけどさ?そこを逆手にとって」
「そうそう。うわぁ~自分らを可愛い、カッコいいと思ってる
ビジュで売ろうとしてるやつらだ。と思わせといて、披露する曲は致死量の完成度の高さ」
「それな!」
「いや、うわぁ~自分らを可愛い、カッコいいと思ってる
ビジュで売ろうとしてるやつらだ。って思って、一部は離れてくだろ」
「別に?それで離れてもどうせ有名になったら手のひらクルクルぅ~だし」
「それな!」
「ちなみになんでPigeon’s Runwayって名前にしたん?」
と万尋がフライドポテトを食べながら聞く。
「万尋ー興味ある?」
「あるある」
「あるようには見えんが?」
「では雨上風(はれかぜ)さんのために私(わたくし)が説明しましょう!」
と葉道が名乗りを上げる。
「うわ。鼻の下伸ばして」
「え。マジ?」
そう言われ、葉道は自分の鼻の下を触る。
「嘘だよ」
「嘘かよ」
「ま、単純に3人の名前を取って英語にしたんだよ」
と結局円が説明した。
「Pigeonは鳩か」
「はい。私、鳩群留(はとむど)の鳩です」
蘭が手を挙げる。
「Runwayは…滑走路?」
と虹言(ニコ)が言う。
「そう。飛行機が“飛ぶ”?」
と円が言って
「”道“」
と葉道が続けた。
「なるほど?」
「それでPigeon’s Runwayね。カッコいいじゃん」
と士が言う。
「おぉ~。士に褒められると…いいですなぁ~」
葉道が調子に乗った顔をする。
「でも改めてバンド名の由来聞かれるとさ?うちらいろいろ考えてたなぁ~って思わん?」
「思う思う。2 muchとかいう名前もあったよね」
「あった!よく覚えてたな」
「ほら、私の「過ぎる」っていうのを取って2 much。ただ2人じゃないしっていうので却下」
「あとOrchid leaf circleとかもね、あったよね」
「え。カッコいいじゃないですか」
万尋が食いつく。
「ですよね?自分もカッコいいと思ったんですけど、なんかスルーされて」
「いや、スルーしたんじゃなくてOrchidが読めなかったんよ」
と円が言う。
「それな」
「ロゴとかいいのになりそう」
「ですよね?」
「たしかに」
と虹言(ニコ)も同意する。
「んで、Pigeon’s feather なんたら~って考えて、いや、ダサいダサいってなって」
「今のPigeon’s Runwayに落ち着いたんよね」
「いやぁ~今考えてもOrchid Leaf Circleカッコいいと思うんだよなぁ~」
「いいじゃんいいじゃん。有名になったとき話のネタに使えるって」
なんていうPigeon’s Runwayというバンドの裏話が少し聞けた。
「アイビルってさ、イギリスのどこ出身なの?…って聞いてもわかんないけど」
「葉道がわかるのはロンドンくらいだもんな」
「うん!」
元気のいい、気持ちのいい返事である。
「ロンドンだよ」
まさかのロンドンっ子であった。
「マジ!?いや、驚いてるけど、どれくらいすごいのかは実際には知らないけど」
「たしかにね」
他のみんなも頷く。
「えぇ~。オレもわかんないな。ロンドンって都会だし、観光地だから賑わってはいるけど
住んでる側からしたら特別なことなんてなんもないんだよね」
「そんなもんなんだ?」
「甘谷とか真新宿に住んでる人、みたいなもんだ?」
万尋が言う。
「あぁ~なるほど」
士が納得する。
「うん。そんな感じかな?」
「なるほどねぇ~。そのイケメンさ加減は生まれつき?」
「なに?整形か聞きたいわけ?下品だわぁ~」
「違う違う!そんな意味はないよ!」
クスッっと笑うアイビル。
「まあ、生まれつきかな?イジってはないよ」
と微笑むアイビルに

こ、これが天然もののイケメンか

と思うクラスメイト全員。

と、とんでもないイケメンがいる

と思うアイビルたちのテーブルの周囲にいたワク・デイジーの他のお客さんたち。
あまりのイケメンさに写真を撮ろうとした者もいたが

あぁ、一般人か

と思い止まった。
※著名人だからと言って無断で写真を撮ることは、あまり良い行為ではありません。
許可なくインターネットに投稿すると肖像権侵害にあたる場合があります。
撮りたい気持ちはわかりますが、グッっと堪えるか
思い切って本人に声をかけさせてもらって
一緒に写真を取ってもらい、投稿してもいいか聞いてみましょう。
オッケーがでたら、めでたくインターネットで自慢しましょう。
「まあ、整形でもこんなイケメンはできないか」
「矛盾だけどな。形を整えるって書いて整形なんだから」
「でも思わん?こんな自然な感じの激イケメンは整形じゃ無理って」
「まあ。たしかにな?」
「アイビルくんはご兄弟はいるの?」
虹言(にこ)が聞く。
「ナイス質問!虹言ちん」
「ニコチン」
と静かに笑う万尋。
「ニコチンて」
静かに笑う士。
「兄弟?うん。いるね。兄も弟も姉も妹もいる」
「え!そうなんだ?兄弟多いんだね。写真とかないの?」
「ナイスニコチン!」
「今のは確信犯でしょ。イントネーションが」
と静かに笑う万尋。
「中毒になるぞ」
と静かに笑う士。
「写真かぁ~…。ないねぇ~」
「とか言って~。恥ずかしいだけじゃないんすかぁ~?」
と言う葉道に対して
「親戚ーみたいな人の写真はあるけど」
「お。アイビルの親戚ならイケメンの可能性が。ちなみに男子?女子?」
「女子」
「じゃあとびきりの美女か!」
期待に胸を膨らませる葉道。
「まあ、これが親戚だね」
スマホをテーブルの真ん中に置く。全員が覗き込む。
「「おぉ~」」
全員が感嘆の声を上げた。
「これはこれは」
「可愛い系だな」
「私と同格か」
「整ってるな」
「たしかに可愛い系だ」
「二次元キャラみたい」
スマホをしまうアイビル。
「ご両親も美男美女なんだろうなぁ~。ご両親は?ご両親の写真はない?」
「いや、実はオレこの親戚ー?の家にいてね。兄弟姉妹、両親と離れて暮らしてるんだよね」
「あ、そうなんだ?」
「だからこの人との写真しかないんだよね」
「なるほどね?」
「何歳?なにしてる人?」
質問責めの葉道。
「付き合ってる相手紹介した両親か」
ツッコむ蘭。
「ふっ。たしかに」
静かに笑う虹言(ニコ)。
「いいツッコミだねぇ~。さすがは蘭姉」
「兄ちゃんね」
「うちのバンドでは唯一のツッコミだからね」
「葉道も円もボケだっていう自覚はあるのね」
「え。まあ。あるけど」
「あるね。あるある」
「自覚あるのが意外だわ。…ま、てな感じで
うちのバンドは騒がしい感じでやっております。ま、オレ以外ね」
「うん。まあ、なんとなくはわかってたよ」
と微笑むアイビル。
「まあ、そうか。ちなみに雨上風(はれかぜ)さんと遠空田(とおくだ)さんはどんな感じ?」
「どんな感じとは」
と笑う万尋。
「んん~。テンション感?いや、なんていうんだろう」
「テンション感ですかー。私はー高くはないかな。低いほうかも。
でも暗くはないので。そこは安心してもろて。安心…ってのも違うかもだけど」
「私もそんな感じかな。テンション高くなることが少ない、かも。
でも暗くはないし、たぶん人見知りでもないはずだから
話しかけてくれたら普通に話せる、と思います」
「なるほどね?うちのバカ(円)には良い2人かもね。
これからもうちのバカ(円)をよろしくお願いします」
と言われている円は自分のことと気づかず
「いやぁ~うちらのボケのお陰でツッコミが生きてるよね」
「だよなぁ~」
と葉道と話していた。
「いえいえ。楽しいんで」
「うんうん」
「すいません。ありがとうございます」
などとアイビルの歓迎会兼親睦会が進んでいき
「じゃ、そろそろお開きですかね」
という時間になった。蘭がゴミを捨てているとき
「あ、捨てる捨てる。貸して?」
と葉道が虹言に言う。
「あ、いい?」
「まかせんしゃい」
葉道が虹言からトレイを受け取る。蘭の隣でゴミを捨てる。7人でワク・デイジーを出た。
「ひやぁ~。仲良くなれたねぇ~。ねぇ?」
と葉道が蘭の肩に手を回す。
「そうですねぇ~」
「ね?夕暮れも綺麗な感じで。天気がよくてよかったですねぇ?」
「「そーですねー」」
蘭と円が、どこぞの伝説のお昼の番組が如く声を合わせる。
「ねえ。テキトーじゃない?ねえねえ」
「そんなことないよー。なあ?」
「そーですねー」
「いや、テキトーだよね?」
などとバンドの3人のやり取りを見て笑いながら
それぞれで話しながらみんなで帰っていった。
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