列車の心が読める青年

伊那松島運太郎

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2列車目

岡谷 313系編

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 20分ほど待ち、ようやく岡谷行きが発車した。さっき聞こえた声も、列車の中に入ると聞こえなくなってしまった。あれは一体何だったんだろうか、と考えたが、気にしないようにした。そして、ようやく目的地である岡谷に到着した。改札に向かおうとした時、「しばらくは休憩できる。」というのんびりした声が聞こえた。そして、後ろを振り向いた。「あっ、ばれてる?」先程、同じことをしたばかりであるから当たり前である。「あー、僕は313系3000番台。君のことは、さっき伊那松島にいるジジイの心の中から聞いた。」よし、あとで言ってやろ、そう思ったら、「やめてやめて、豊橋行き任せられちゃうから言わないでくださいー。」という情けない声が聞こえた。本当に、情けない声である。
 僕は、313系3000番台に過去のことを聞こうとしたが、「213のジジイに言わなければ話してやる。」と言っているので、しぶしぶ了承した。
 この列車の過去の話を聞いて意外な関係性が見えてきた。まず、313系3000番台と213系5000番台とは、元々は愛知県の神領っていう車両基地に所属していたという、いわば先輩と後輩の関係である。なぜまだまだ新しい313を大垣に転属ということになったのか聞いたら、「まぁ、松本地区がきつかったから。僕の弟である1300番台を導入して飯田線にいた119系を置き換えるために、213系と313系3000番台が選ばれたんだな。」と話した。それだったら、東海道本線での運用のことについて聞こうとしたが、やめといた。とその時、グー、グー。という腹の音が聞こえてきた。ふと、スマホを見たら、すでに11時30分を過ぎていた。そしたら、「どっかで食べてきなさい。」と、313系が言った。鉄のくせに余計である。
 駅構内にあるコンビニのおにぎりで腹を満たし、もう一度313の話を聞こうとしたが、「申し訳ないが、もうすぐ運用の時間や。」と言っていたため仕方なく少し足を伸ばして、諏訪市の方に行こうとした。そして、上諏訪行きの列車が来た。その時、「あれ?君は…。」という声が聞こえたが、気にせず列車に乗ることにした。せっかくなら、上諏訪に着いたらこいつの話も聞いてやろう、そう思い、シートに座ることにした。今日の旅行は不思議な体験ばかりである。
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