神眼のシンボロジア【Symbol Logia】

カマゾーマ

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酒の街「ヘイヨータウン」

迫り来る闇

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早朝、宿の部屋では天斗がスヤスヤと眠っている。陽はベッドから体を起こそうとするが、全身が筋肉痛で動かない。「ぐああ、動けん……」陽が苦しむ様子を見て、目を覚ました天斗がすぐさま大笑いした。「お前、昨日張り切りすぎだろ! 体力無さすぎじゃね?」

陽は顔を真っ赤にして怒る。「お前のせいだ! なんで俺があんな重労働しなきゃならなかったんだ!」
「いやいや、自分で始めた軽々屋だろ!」天斗も応酬し、軽い口喧嘩に発展する。そこへノックの音が。宿の大家、オーヤが朝食代わりにと大きなおにぎりを差し入れてくれた。「ほら、これ食べて仲直りしなさいな」

二人はすぐさま食べ物に飛びつき、「いただきます!」と声を揃える。おにぎりを頬張りながら陽が笑い、「まあ、昨日は稼いだからいいけどな!」と胸を張った。天斗も「稼いだんなら、もっと贅沢な朝飯にしようぜ」と冗談を言い、和やかなムードが戻る。

*お守りの受け取りと散歩*

食事を終えた二人は、街中をぶらぶらと散歩に出かける。目的は昨日注文したお守りの受け取りだ。「昨日の武器、いい感じだろ? あとダガーの一部を使ったお守りを頼んだんだ。」と陽が言えば、「ああ、最高だ! でもそのお守りって、どんな感じになったんだろうな」と天斗が返す。会話をしながら、二人は武器屋「オルデン」の店先に到着。

オルデン店主は笑顔で迎え入れ、「お前たちが頼んだお守り、完成してるぞ」とカウンターから小さな包みを取り出す。陽がそれを受け取り、包装を開けると、中からは森の主の牙を使った立派な小さな護符が現れた。「おお、かっこいいじゃん!」天斗が目を輝かせる。「これで俺たちの冒険も安全だな!」

陽も満足げに頷き、「これなら売らずに済ませて正解だったな」と呟いた。二人はその場でお守りを受け取り、再び散歩を続ける。

*カツアゲ現場とスイレンとの再会*

街外れの路地裏で、二人は奇妙な光景を目撃する。数人の痩せ細った子どもたちが、一人の少女を取り囲んでいる。天斗が「おい、何してんだよ!」と声を上げると、子どもたちは慌てて振り向く。囲まれていたのはスイレンだった。

彼女は半泣きでうつむき、「助けて……」と小声で呟く。天斗は迷わず前に出るが、子どもたちはこちらに向かって石を投げてくる。「おいおい、マジかよ!」と驚きつつ、天斗は地面に「転」の紋章を刻む。すると投げてきた子どもたちが次々と転び、慌てて逃げていった。

スイレンがほっとしたように肩を落とす。天斗は彼女に近づき、「おい、大丈夫か?」と声をかけるが、スイレンは涙目で小さく頷くだけだった。

事情を聞くと、スイレンは「酔の目」を持つがゆえに、その力を面白がって虐める子どもたちが後を絶たないという。「酔の目って、何ができるんだ?」と天斗が尋ねると、スイレンは困ったように、「空腹とか、寂しさとか紛らわすことができるの。実際には何も変わらないのに……」と答えた。

*スイレンの夢と現実*

三人は路地を抜け、街の中心部に向かう。道すがら、スイレンは「私、大人になったらこの街を出て、いろんな人の役に立つ仕事をしたいんだ」と語り始めた。「旅に出て、自分の力で何かを成し遂げたい。でも、今は無理だよ……」

「なんでだよ! 今からでも行こう!」と天斗が言うと、スイレンは首を振る。「お父さんが一人になっちゃう。お母さんを亡くしてから、あの店を守るために一生懸命なんだ。私がいなくなったら……きっと、あの店は続かない」

天斗と陽はスイレンの言葉に押し黙った。どうにか助けになれないかと考えるが、妙案は浮かばない。スイレンは寂しげな笑顔を浮かべ、「きっとまたどこかで会えるよね」と言って去っていった。

*夜の異変*

その夜、天斗と陽は宿に戻り、所持金を確認しながら明日の準備を進める。「これで、明日は新しい冒険だな!」と天斗が笑顔を見せる。「おう、ちゃんと準備しろよ」と陽が返すが、どこかスイレンのことが気にかかっている様子だ。

寝る準備をしていた二人だが、外から突然の騒音が聞こえてきた。宿の窓から外を見ると、街の広場には魔物が現れ、店を次々と破壊している。

天斗が「おい、外がやばいことになってるぞ!」と叫ぶと、陽もすぐに立ち上がる。「くそ、今度は魔物かよ……!」

二人は急いで武器を手に取り、騒ぎの元へと向かう
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