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酒の街「ヘイヨータウン」
陽の奮闘と思い出の行方
しおりを挟む朝日が差し込む宿の部屋。時計の針は7時を指していたが、ベッドの上では天斗が大きないびきをかいて熟睡していた。陽はため息をつきながら彼の肩を軽く揺する。
「おい、天斗。起きろって」
しかし、天斗はまるで意識を閉ざしたかのように微動だにしない。
「……仕方ねえな」
陽は彼を起こすのを諦め、軽く背伸びをしてから外に出ることにした。
*商店街での出会い*
朝のヘイヨータウンはまだ静けさを保っていた。陽は気ままに街を歩いていると、一人の腰の曲がったおばあさんが大きな荷物を抱えて苦労しているのが目に入った。
「おばあさん、大丈夫か?」
陽が声をかけると、おばあさんは驚いたように顔を上げ、疲れた笑みを浮かべた。
「まあ、助かるわい。この荷物、酒場まで運ばなきゃならんのじゃが、重くてのう」
陽は「逆」の目を発動させ、荷物を軽くすると肩に担いで歩き出した。ほどなくして目的地に到着すると、おばあさんは感謝の言葉とともに2ギラを陽に渡した。
「ありがとうの気持ちじゃ。受け取っておくれ」
陽は少し驚きながらも、そのギラを受け取った。そして、あるアイデアが頭をよぎった。
*軽々屋の誕生*
陽は商店街の隅に腰を下ろし、持っていた木片に「軽々屋」と書き込んで立てかけた。そして、声を張り上げて宣伝を始めた。
「荷物運びます!一時間4ギラでお手伝い!」
最初は通りすがる人々も訝しげな目を向けていたが、一人、また一人と陽に依頼を始めた。反重力を駆使して軽々と荷物を運ぶ彼の姿は、瞬く間に評判となった。
「助かるよ、坊主!また頼むよ!」
「すごいわね、その力。ありがとう!」
陽は順調にギラを稼ぎ続けた。
*スイレンとの再会*
昼過ぎ、陽が荷物を運んでいると、目の前からスイレンが歩いてきた。彼女は驚いた様子で陽を見つめた。
「陽さん……何をしているんですか?」
「おう、軽々屋だよ。見ての通り、俺の力で荷物運びをしてるんだ」
陽が笑いながら説明すると、スイレンは少し困ったような顔をした後、頷いた。
「じゃあ、私もお願いしていいですか?ちょうど酒樽を運びたいんです」
「もちろん!30分で2ギラだ」
陽はスイレンの依頼を引き受け、酒樽を運び終えた後、彼女から感謝の言葉と報酬を受け取った。
「すごいですね……本当に、力を上手く使っているんですね」
スイレンの言葉に陽は得意げに笑い、再び仕事へと戻った。
*オルデン武具屋での選択*
陽はその日、合計で9時間働き、36ギラ以上を稼いだ。その足で向かったのは、ヘイヨータウンの有名な武器屋「オルデン武具屋」だった。
「いらっしゃい!今日は何をお探しですか?」
出迎えたのは店主のオルデン。陽は早速目的のファントムサーベル(25ギラ)とファントムダガー(15ギラ)を購入することを伝えた。
「どちらもいい選択だ。君みたいな若者がこれを使えば、もっと輝くだろうよ」
陽は武器を手に入れ満足げに笑った。しかし、その後、彼はバッグの中に収められたヴェノムファングダガーとブラッドフレイムダガーを見つめて迷い始めた。
「これ、売るつもりだったけど……思い出の武器だしな」
そんな陽の様子を見たオルデンが提案した。
「そのダガーの一部を使って、お守りを作ってみないか?そうすれば思い出も残せるし、邪魔にもならない」
陽は目を輝かせて頷き、お守りの作成を依頼した。さらに値下げ交渉を行い、ファントムサーベルとダガーを合わせて33ギラで購入することに成功した。
*天斗との衝突*
宿に戻った陽は、天斗のベッドにファントムダガーをそっと置いてから、レンジ酒造へと向かった。そこで天斗とスイレンが楽しそうに話しているのを見つけ、合流する。
「おい、陽!どこ行ってたんだよ!」
天斗が声を上げると、陽は笑いながら肩をすくめた。
「これ、持ってきたんだよ。お前へのプレゼントだ」
しかし、話の流れで天斗がヴェノムファングダガーの行方を尋ねた時、陽はあっさりと答えた。
「ああ、あれなら売ったぞ」
天斗は目を見開いて陽を睨みつけた。
「はあ!?なんで勝手に売るんだよ!」
陽も負けじと声を張り上げる。
「元々俺が作ったもんだ!お前にどうこう言われる筋合いはねえ!」
二人は言い合いになり、スイレンが困った顔で二人の間に入ろうとするが、止める隙もない。
喧嘩はその場で収まらず、天斗と陽は険悪な空気を残したまま夜を迎える。だが、その中で天斗はふと思った。
「……俺たちの冒険も、そんなに簡単に終わらないよな」
そう呟きながら、彼は心の中で陽に感謝する気持ちを抑えきれずにいた。そして、次の日には再び新たな事件が待ち受けていることなど、まだ誰も知らなかった。
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