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第一章
13.抑えきれない感情
ジェラルドの態度がおかしいと思い始めた日から、やたらと傍にはアリエルの姿が目に付く様になった。
休み時間になると真っ先にジェラルドの元にアリエルがやって来て、授業の分からない説明を聞き始め、私が話しかける隙を与えない。
昼休みは毎日の様にアリエルは手料理を作って来て、何故かジェラルドは断らない。
放課後は用事があるからとジェラルドはさっさと帰ってしまう。
ここまでされると、さすがに私も避けられていることに気付く。
そして私は先日見てしまったのだ。
二人が同じ馬車に乗って帰る所を…。
それを見た時は本当に目の前が真っ白になり、ショックのあまり暫くその場から動けなくなった。
信じたくは無かったけど、私はジェラルドに裏切られているのだと気付いた。
今まで避けられていたのも、アリエルの手料理を断らなかったのも、全て納得いく。
真実に気付くと悲しさや怒りの感情も当然あったが、何よりも虚しさを感じていた。
幼い頃から私はずっとジェラルドの事が好きで婚約者でもあったのに、つい先日現れたばかりのアリエルに簡単にジェラルドを奪われてしまったのだから…。
溢れて来る涙を何度拭っても、暫くは止まることは無かった。
「ジェラルドの…嘘付きっ……私の事…好きだって…言ったのにっ…」
私は静まり返った教室で一人虚しく泣きながら文句を言い続けていた。
(ジェラルドなんて…嫌いっ……大嫌いっ!……っ)
……だけど本当は好き。
悔しいけど、簡単に嫌いになんてなれるわけがなかった。
***
翌日、私の顔はそれは酷いものだった。
目は真っ赤に腫れ、顔はむくんで腫れぼったい顔をしていたが、使用人達がメイクを頑張ってくれたおかげでそこまで酷い顔を晒すことなく学園へと来ることが出来た。
最近のジェラルドは決まって朝はアリエルと一緒に教室に入って来る。
一緒に登校しているのか、偶然廊下で会っただけなのかは知らないが、どちらでも大差はない。
二人が一緒に居る事には変わりがないのだから。
だけど二人が一緒にいる姿を見ると、胸の奥がズキズキと痛む。
私より少し遅れて教室に入って来たジェラルドは、隣の席に座る私に挨拶をしてきた。
「おはよう…シャル…」
「シャルロッテさん、おはよう…」
隣にいるアリエルも機嫌が良さそうに、ジェラルドに続いて私に挨拶をしてきた。
私はそんな態度に腹が立ち、無視をした。
(……何よ、楽しそうに二人で登校して…。ジェラルドはアリエル王女の事、嫌いじゃなかったの?私に言った言葉は嘘だったの…?)
ジェラルドは私が返事を返さなくても、何も言って来なかった。
それどころかアリエルと隣で楽しそうに会話をし始め、そんな声が私の耳に届くと余計に腹立たしく感じて来てしまう。
私はそんな二人の声を聞いていると、胸の奥が熱くなり感情が抑えられなくなった。
ガタン!と椅子の音を立てて立ち上がると、二人に視線を向けた。
その音に気付いたジェラルドは私の方に視線を向け、目が合う。
「……そんなにアリエル王女が良いのなら、私なんてやめて…アリエル王女と婚約すればいいのに…」
私はジェラルドに向けて冷めた口調で、そう言ってしまった。
私の言葉を聞いたジェラルドはすごく驚いた顔をしていたが、何も言って来なかった。
ただ黙って、どこか苦しそうな表情を浮かべている様に見えた。
それから暫くして私が我に返ると、教室内は静まり返り視線が一斉に私に向けられていることに気付いた。
(……っ!!)
私は居てもたっても居られなくなり、涙目でジェラルドを睨みつけると走って教室から逃げるように出て行った。
(どうしよう…どうしよう…!…なんで私…あんな事言ったの…!?……ジェラルドを取られたくないのにっ……自分からあんなことを言ってしまうなんて…ばかだ…私…)
私はそんな事を考えながら、何処に向かうのかも考えずに、ただひたすら走り続けていた。
***
「はぁ…はぁっ…苦しっ……」
適当に走っていたら息が切れて、これ以上走れなくなり私はその場に立ち止まった。
(もう無理っ…これ以上は走れないっ……疲れた…)
思い切り走ったせいで息は粗くなり、私は肩を揺らしながらゆっくりと呼吸を整えていた。
もう授業は始まっている様で、廊下には生徒の姿は消えていて静まり返っていた。
そんな時だった。
突然背後から手首を掴まれドキッとして振り返った。
「……やっと、見つけた」
「……ロラン…?どうしたの?」
そこには、息を切らしているロランの姿があった。
「どうしたの?…じゃない。お前…何やってるんだよ…」
なぜかロランは怒っている様子だった。
休み時間になると真っ先にジェラルドの元にアリエルがやって来て、授業の分からない説明を聞き始め、私が話しかける隙を与えない。
昼休みは毎日の様にアリエルは手料理を作って来て、何故かジェラルドは断らない。
放課後は用事があるからとジェラルドはさっさと帰ってしまう。
ここまでされると、さすがに私も避けられていることに気付く。
そして私は先日見てしまったのだ。
二人が同じ馬車に乗って帰る所を…。
それを見た時は本当に目の前が真っ白になり、ショックのあまり暫くその場から動けなくなった。
信じたくは無かったけど、私はジェラルドに裏切られているのだと気付いた。
今まで避けられていたのも、アリエルの手料理を断らなかったのも、全て納得いく。
真実に気付くと悲しさや怒りの感情も当然あったが、何よりも虚しさを感じていた。
幼い頃から私はずっとジェラルドの事が好きで婚約者でもあったのに、つい先日現れたばかりのアリエルに簡単にジェラルドを奪われてしまったのだから…。
溢れて来る涙を何度拭っても、暫くは止まることは無かった。
「ジェラルドの…嘘付きっ……私の事…好きだって…言ったのにっ…」
私は静まり返った教室で一人虚しく泣きながら文句を言い続けていた。
(ジェラルドなんて…嫌いっ……大嫌いっ!……っ)
……だけど本当は好き。
悔しいけど、簡単に嫌いになんてなれるわけがなかった。
***
翌日、私の顔はそれは酷いものだった。
目は真っ赤に腫れ、顔はむくんで腫れぼったい顔をしていたが、使用人達がメイクを頑張ってくれたおかげでそこまで酷い顔を晒すことなく学園へと来ることが出来た。
最近のジェラルドは決まって朝はアリエルと一緒に教室に入って来る。
一緒に登校しているのか、偶然廊下で会っただけなのかは知らないが、どちらでも大差はない。
二人が一緒に居る事には変わりがないのだから。
だけど二人が一緒にいる姿を見ると、胸の奥がズキズキと痛む。
私より少し遅れて教室に入って来たジェラルドは、隣の席に座る私に挨拶をしてきた。
「おはよう…シャル…」
「シャルロッテさん、おはよう…」
隣にいるアリエルも機嫌が良さそうに、ジェラルドに続いて私に挨拶をしてきた。
私はそんな態度に腹が立ち、無視をした。
(……何よ、楽しそうに二人で登校して…。ジェラルドはアリエル王女の事、嫌いじゃなかったの?私に言った言葉は嘘だったの…?)
ジェラルドは私が返事を返さなくても、何も言って来なかった。
それどころかアリエルと隣で楽しそうに会話をし始め、そんな声が私の耳に届くと余計に腹立たしく感じて来てしまう。
私はそんな二人の声を聞いていると、胸の奥が熱くなり感情が抑えられなくなった。
ガタン!と椅子の音を立てて立ち上がると、二人に視線を向けた。
その音に気付いたジェラルドは私の方に視線を向け、目が合う。
「……そんなにアリエル王女が良いのなら、私なんてやめて…アリエル王女と婚約すればいいのに…」
私はジェラルドに向けて冷めた口調で、そう言ってしまった。
私の言葉を聞いたジェラルドはすごく驚いた顔をしていたが、何も言って来なかった。
ただ黙って、どこか苦しそうな表情を浮かべている様に見えた。
それから暫くして私が我に返ると、教室内は静まり返り視線が一斉に私に向けられていることに気付いた。
(……っ!!)
私は居てもたっても居られなくなり、涙目でジェラルドを睨みつけると走って教室から逃げるように出て行った。
(どうしよう…どうしよう…!…なんで私…あんな事言ったの…!?……ジェラルドを取られたくないのにっ……自分からあんなことを言ってしまうなんて…ばかだ…私…)
私はそんな事を考えながら、何処に向かうのかも考えずに、ただひたすら走り続けていた。
***
「はぁ…はぁっ…苦しっ……」
適当に走っていたら息が切れて、これ以上走れなくなり私はその場に立ち止まった。
(もう無理っ…これ以上は走れないっ……疲れた…)
思い切り走ったせいで息は粗くなり、私は肩を揺らしながらゆっくりと呼吸を整えていた。
もう授業は始まっている様で、廊下には生徒の姿は消えていて静まり返っていた。
そんな時だった。
突然背後から手首を掴まれドキッとして振り返った。
「……やっと、見つけた」
「……ロラン…?どうしたの?」
そこには、息を切らしているロランの姿があった。
「どうしたの?…じゃない。お前…何やってるんだよ…」
なぜかロランは怒っている様子だった。
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