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第1話 まじかよ。
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“益々のご活躍をお祈り申し上げます。”
この文章を何度見た事か…。
田中 凛、18歳。高校卒業してもなお進路が決まらないだめだめなニート…じゃなかった。高校生(仮)
面接を受けつづけ、かれこれ15社目。もう働くことすら向いてない気がしてきた。
「なんかもう疲れちゃったなぁ…。」
人生クソだクソ。あんだけ欠席してた山田くんや田本くんだって就職出来てたのになんで私だけ…。
「はぁ…もういいや、ゲームしよ。」
ゲーム機を起動させ、テレビ画面に出てきたのは素敵な美男子達。彼らを攻略し、意地悪な悪役令嬢を追い出し、婚約者の地位につくという何ともありきたりでベタなゲームだ。
”マジックガール☆ときめきメモリアル!さぁお姫様、僕と共に行こう!”
定番のキャラの掛け声。このキャラはこのゲームのメインヒーロー『ステルド・アルマ』インテレス王国の第一王子である。こいつがなんとも憎たらしい金髪碧眼。見事なまでの顔の整い方。こんだけいい男なのに実は泣き虫でっていうギャップ萌付き。
一途な悪役令嬢『モーテルタ・マリア』綺麗なシルバーの髪に穏やかそうな顔。なのにめっちゃ腹黒という。運営はギャップ萌えブームだったんだろう。
プレイ中あからさまに嫌がらせする令嬢や簡単に婚約破棄するヒーロー達にすっごくすっごく腹たって…。
「まじ乗り換え早すぎ!!てか簡単に命粗末にしすぎ!!なんだよ死刑って!段取り早すぎな!?絶対仕組んでたよ!ヒロインいいように使われてるよ!」
ときめきどころか文句しか出てこない。私だったら絶対こんな男…。
「絶対…無理、ん…。」
日頃の疲れが出たのか、その日は深く眠ってしまった。
「セ…セ…ビア…セレビア!起きなさい!!」
「…ん?セレビ…?」
「朝食出来てるって言うのにいつまで経っても起きないで!片付かないだろ!早く食べなさい!」
「え、だれ?」
見たことない部屋。私の部屋よりぼろい…。それに見た事ない人。ふくよかなTheお母さんみたいな見た目してる。ほんとに誰だろう?
状況が掴めず、とりあえず手元を見た。細く、白い手。所々傷があり、綺麗とは言えないがきちんと手入れをすれば手のモデルになれるくらいの素材だ。次に目に入ったのがベット。古い布を継ぎ合わせたような作りだ。
「これは…ボロすぎる。」
「はぁん!?何言ってんだい!早く食べちゃっておくれよ!」
『まったく!』といいながらふくよかな人は部屋の外へ出た。まじでここ…。
「どこぉ…??」
一旦、とりあえず一旦日付見よ。そう重いスマホを探したが見当たらなかった。おかしいな、絶対に手放さないはずなのに。
がさごそと探していると本を見つけた。ぼろぼろだったのでずいぶん読み古しているのだろう。開いてみることにした。
「インテレス王国
東の地に舞い降りし聖女。緑の光を纏」いて、人々の病気を癒せし。この国の発展を助け、聖母となりけり。聖女と共に戦う聖獣と協力し、獣を打ち払うべし。」
…なんじゃこりゃ。インテレス王国とか乙女ゲーのやつじゃん。え?まって、これ今流行りの…。
「異世界転生ってやつですか。」
確かに最初セレビアは流行病を不思議な力で治した描写があった。聖獣とかってあれフェニックスみたいな赤い鳥だよね。まてまてまてまて。
「ろくな男がいないよぉ…。助けてお母さん。」
「セレビア!!いつまで寝てんだい!早く食べてくれ!!」
「は、はぁい!!」
とりあえず今は腹ごしらえが先!!腹が減ってはなんとやら!
そう思い、私は急いで食卓へと向かった…。は、いいのだが。
パンは固い。スープの味が薄い。飲み物も…なんだこれ不味い。
食欲が失せるような出来だった。けど私以外みんな平らげていた。正直別のをと頼める雰囲気でないことくらい私でもわかる。聖女セレビアの故郷は貧困で困っていた。いわゆるスラム街のようなところだ。
こんな環境じゃ、病が流行るのも当然っちゃ当然だ。食欲もなくなってしまったので申し訳ないが『ご馳走様』といい、外に出てみることにした。
けれどもやはり、出なければよかった。
緑はなく、人々の生気もない。人のような生活をしていなかった。現代人の私には耐えられなかったし、ここには鏡がない。もしかしたらと微かな希望を抱いてしまったのがいけなかった。
「うそでしょ。もうやだよ。」
人生クソだクソ。そんなことを言ってごめんなさい。お願いだから帰らせてください神様。
そんなことを願ったって何も変わらず、ただただ時は過ぎ、ついに流行病が出てきてしまったのだった。
この文章を何度見た事か…。
田中 凛、18歳。高校卒業してもなお進路が決まらないだめだめなニート…じゃなかった。高校生(仮)
面接を受けつづけ、かれこれ15社目。もう働くことすら向いてない気がしてきた。
「なんかもう疲れちゃったなぁ…。」
人生クソだクソ。あんだけ欠席してた山田くんや田本くんだって就職出来てたのになんで私だけ…。
「はぁ…もういいや、ゲームしよ。」
ゲーム機を起動させ、テレビ画面に出てきたのは素敵な美男子達。彼らを攻略し、意地悪な悪役令嬢を追い出し、婚約者の地位につくという何ともありきたりでベタなゲームだ。
”マジックガール☆ときめきメモリアル!さぁお姫様、僕と共に行こう!”
定番のキャラの掛け声。このキャラはこのゲームのメインヒーロー『ステルド・アルマ』インテレス王国の第一王子である。こいつがなんとも憎たらしい金髪碧眼。見事なまでの顔の整い方。こんだけいい男なのに実は泣き虫でっていうギャップ萌付き。
一途な悪役令嬢『モーテルタ・マリア』綺麗なシルバーの髪に穏やかそうな顔。なのにめっちゃ腹黒という。運営はギャップ萌えブームだったんだろう。
プレイ中あからさまに嫌がらせする令嬢や簡単に婚約破棄するヒーロー達にすっごくすっごく腹たって…。
「まじ乗り換え早すぎ!!てか簡単に命粗末にしすぎ!!なんだよ死刑って!段取り早すぎな!?絶対仕組んでたよ!ヒロインいいように使われてるよ!」
ときめきどころか文句しか出てこない。私だったら絶対こんな男…。
「絶対…無理、ん…。」
日頃の疲れが出たのか、その日は深く眠ってしまった。
「セ…セ…ビア…セレビア!起きなさい!!」
「…ん?セレビ…?」
「朝食出来てるって言うのにいつまで経っても起きないで!片付かないだろ!早く食べなさい!」
「え、だれ?」
見たことない部屋。私の部屋よりぼろい…。それに見た事ない人。ふくよかなTheお母さんみたいな見た目してる。ほんとに誰だろう?
状況が掴めず、とりあえず手元を見た。細く、白い手。所々傷があり、綺麗とは言えないがきちんと手入れをすれば手のモデルになれるくらいの素材だ。次に目に入ったのがベット。古い布を継ぎ合わせたような作りだ。
「これは…ボロすぎる。」
「はぁん!?何言ってんだい!早く食べちゃっておくれよ!」
『まったく!』といいながらふくよかな人は部屋の外へ出た。まじでここ…。
「どこぉ…??」
一旦、とりあえず一旦日付見よ。そう重いスマホを探したが見当たらなかった。おかしいな、絶対に手放さないはずなのに。
がさごそと探していると本を見つけた。ぼろぼろだったのでずいぶん読み古しているのだろう。開いてみることにした。
「インテレス王国
東の地に舞い降りし聖女。緑の光を纏」いて、人々の病気を癒せし。この国の発展を助け、聖母となりけり。聖女と共に戦う聖獣と協力し、獣を打ち払うべし。」
…なんじゃこりゃ。インテレス王国とか乙女ゲーのやつじゃん。え?まって、これ今流行りの…。
「異世界転生ってやつですか。」
確かに最初セレビアは流行病を不思議な力で治した描写があった。聖獣とかってあれフェニックスみたいな赤い鳥だよね。まてまてまてまて。
「ろくな男がいないよぉ…。助けてお母さん。」
「セレビア!!いつまで寝てんだい!早く食べてくれ!!」
「は、はぁい!!」
とりあえず今は腹ごしらえが先!!腹が減ってはなんとやら!
そう思い、私は急いで食卓へと向かった…。は、いいのだが。
パンは固い。スープの味が薄い。飲み物も…なんだこれ不味い。
食欲が失せるような出来だった。けど私以外みんな平らげていた。正直別のをと頼める雰囲気でないことくらい私でもわかる。聖女セレビアの故郷は貧困で困っていた。いわゆるスラム街のようなところだ。
こんな環境じゃ、病が流行るのも当然っちゃ当然だ。食欲もなくなってしまったので申し訳ないが『ご馳走様』といい、外に出てみることにした。
けれどもやはり、出なければよかった。
緑はなく、人々の生気もない。人のような生活をしていなかった。現代人の私には耐えられなかったし、ここには鏡がない。もしかしたらと微かな希望を抱いてしまったのがいけなかった。
「うそでしょ。もうやだよ。」
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