6 / 49
人から人へ感染するアウトブレイク 第3話
しおりを挟む
「来ないで!」
「あ”あ”あ”あ”」
ガンジーがハイネスと玄関で争っている丁度その頃、奥のヒロエの部屋でバーラが怒鳴っていた。
少し開けられたスライド式の窓から腕を無理やり突っ込んできている一人の村人。
その腕がヒロエの袖を掴んで引っ張っていたのだ。
そのあまりにも強い力はとても人間のモノとは思えない強さで二人掛かりで引っ張っても力負けしていた。
その窓の外の人物こそ、この村で最初に井戸で紫の霧を浴びた男性であった。
「なんなの・・・なんなのよお母さん・・・」
「ヒロエ!私が押し返すから窓を閉めなさい!」
「う、うん!」
バーラが中へ突っ込まれた村人の腕を逆に両手で押し返した時であった。
袖を掴んでいた村人の手が一瞬離れた!
だが、直ぐにその手がバーラの手を掴みなおし、その手が窓の外へ引っ張られたのだ。
「きゃあっ?!」
「あ”あ”あ”あああ”!!!」
そして、そのバーラの手に突然噛み付く村人。
あまりにも強い力で引き込まれたバーラはバランスを崩し、横に居たヒロエもよろけた一瞬の出来事であった。
村人のその目は赤く染まり生えた牙がバーラの腕に食い込んだ。
「きゃぁああああああああ!!!」
「どうした?!」
ヒロエの叫びが響き、それを聞いたガンジーとエルミンが部屋へ飛び込んできた!
窓に手をやったまま怯えるヒロエの視線の先を見た二人は血相を変えて窓へ急ぐ!
「バーラ!」
「母さん!」
慌てて窓の外へ引きずり出されそうになったバーラを二人は必死に押さえ、その体にしがみ付く!
半分開かれた窓はバーラの体ごと外に外れそうになっており、窓が壊れそうにミシミシと異音を立てていたのだ。
慌てた3人は必死にバーラの体を押さえ、窓から出された腕を必死に引っ張った時であった!
ブチブチブチブチッ!
「うぎぃいい・・・」
肉が引きちぎれるような音とバーラのうめき声と共にバーラは部屋の中へ引き込まれた。
生々しい音と共に部屋に倒れ込む4人の音が響く、間一髪窓は外れることは無かったが結果は悲惨なものであった。
3人の目に飛び込んできたその光景は目を疑うモノであった・・・
部屋の壁に飛び散る鮮血、バーラの左手が半分・・・中指から小指までが食い千切られていたのだ。
「おかあさ・・・」
「窓を閉めろヒロエ!」
父ガンジーの咄嗟の叫びでヒロエは我に返り、直ぐに母の血が付着した半開きの窓を一気に閉めた。
エルミンは母の流れる血を見て、慌てて妹の部屋から適当に布を取って母の手に巻く。
この辺りは流石狩りを行う男子であった。
怪我をした際の応急処置としては手際が良く、止血が完了するのは直ぐである。
「ううう・・・」
「お母さん・・・」
バーラが自分の為に怪我をしたと理解しているヒロエは悲しそうな目で苦しそうにする母を見つめる・・・
窓の外に居た村人はバーラの手を喰っているのか、窓の外から咀嚼をするような音が続く・・・
だが、それに夢中になっているのか窓から中へ入ろうとする行動は見られず、ガンジーは人差し指を立ててそっとバーラに肩を貸しヒロエの部屋を後にするのであった。
「一体何が起こってるんだ・・・」
バーラの部屋から出て向かいに在る父ガンジーの部屋に移動した4人は息を潜めて外を窺っていた。
閉められた窓の外・・・そこはまさしく地獄そのものであった。
数名の者に襲われ体を引き千切られながら喰われる人影・・・
虚ろな表情のまま赤い目で獲物を探しまわりながら歩く者・・・
遠くから聞こえる絶叫・・・
ありふれた日常は一瞬にしてその姿を変化させていた。
「お父さん・・・怖い・・・」
「大丈夫、お父さんが付いている!」
泣くヒロエを抱きしめガンジーはこれからの事を考える・・・
家に籠城していた所で助けが来る当てもない、外の様子を見るに早急にこの村から逃げ出すべきだと考えた時であった。
ドン!ドン!ドン!
ガンジーの部屋のドアが強く叩かれる!
玄関が破られた音はしなかったのにそこに誰かが居る、それを感じ4人は息を潜めた。
今家の中に誰かが居る、だが外から侵入された形跡はない・・・となれば考えられる答えは一つである。
それに気付いたエルミンは出そうになった声を口を塞いでせき止める・・・
4人が静かにじっとしていたが、既に話し声でここに自分達が居る事がバレているのか、ドアの向こうの主はそこから離れようとせずドアを叩き続ける。
「しっ・・・」
人差し指を口の前に立てて言葉を発しないように指示をしたガンジーは静かに立ち上がる・・・
何かないかと咄嗟に部屋を見回し何か武器になる物はないかと探すガンジーの目に入ったのは薪割り用の斧であった。
ゆっくりと立ち上がり壁に立て掛けられたその斧を手にしたガンジーはゆっくりとドアの方へ近づいていく・・・
その時であった。
「か・・・母さん?」
エルミンの声が聞こえた。
振り返ったガンジーの目に映ったのはユラリと立ち上がる妻バーラの姿・・・
その左手に付けられていた手当て用の血で真っ赤に染まった布が自然と下へ落ちる。
そこに在る筈の無いそれに気付き、ガンジーは驚きを隠せなかった・・・
「お前・・・その手・・・」
そこにはおかしくなったハイネスに食い千切られた筈の左手が元通りの状態でそこにあった。
その目は虚ろで赤く充血するかのように色が変わるのにガンジーは気付かなった・・・
「あ”あ”あ”あ”」
ガンジーがハイネスと玄関で争っている丁度その頃、奥のヒロエの部屋でバーラが怒鳴っていた。
少し開けられたスライド式の窓から腕を無理やり突っ込んできている一人の村人。
その腕がヒロエの袖を掴んで引っ張っていたのだ。
そのあまりにも強い力はとても人間のモノとは思えない強さで二人掛かりで引っ張っても力負けしていた。
その窓の外の人物こそ、この村で最初に井戸で紫の霧を浴びた男性であった。
「なんなの・・・なんなのよお母さん・・・」
「ヒロエ!私が押し返すから窓を閉めなさい!」
「う、うん!」
バーラが中へ突っ込まれた村人の腕を逆に両手で押し返した時であった。
袖を掴んでいた村人の手が一瞬離れた!
だが、直ぐにその手がバーラの手を掴みなおし、その手が窓の外へ引っ張られたのだ。
「きゃあっ?!」
「あ”あ”あ”あああ”!!!」
そして、そのバーラの手に突然噛み付く村人。
あまりにも強い力で引き込まれたバーラはバランスを崩し、横に居たヒロエもよろけた一瞬の出来事であった。
村人のその目は赤く染まり生えた牙がバーラの腕に食い込んだ。
「きゃぁああああああああ!!!」
「どうした?!」
ヒロエの叫びが響き、それを聞いたガンジーとエルミンが部屋へ飛び込んできた!
窓に手をやったまま怯えるヒロエの視線の先を見た二人は血相を変えて窓へ急ぐ!
「バーラ!」
「母さん!」
慌てて窓の外へ引きずり出されそうになったバーラを二人は必死に押さえ、その体にしがみ付く!
半分開かれた窓はバーラの体ごと外に外れそうになっており、窓が壊れそうにミシミシと異音を立てていたのだ。
慌てた3人は必死にバーラの体を押さえ、窓から出された腕を必死に引っ張った時であった!
ブチブチブチブチッ!
「うぎぃいい・・・」
肉が引きちぎれるような音とバーラのうめき声と共にバーラは部屋の中へ引き込まれた。
生々しい音と共に部屋に倒れ込む4人の音が響く、間一髪窓は外れることは無かったが結果は悲惨なものであった。
3人の目に飛び込んできたその光景は目を疑うモノであった・・・
部屋の壁に飛び散る鮮血、バーラの左手が半分・・・中指から小指までが食い千切られていたのだ。
「おかあさ・・・」
「窓を閉めろヒロエ!」
父ガンジーの咄嗟の叫びでヒロエは我に返り、直ぐに母の血が付着した半開きの窓を一気に閉めた。
エルミンは母の流れる血を見て、慌てて妹の部屋から適当に布を取って母の手に巻く。
この辺りは流石狩りを行う男子であった。
怪我をした際の応急処置としては手際が良く、止血が完了するのは直ぐである。
「ううう・・・」
「お母さん・・・」
バーラが自分の為に怪我をしたと理解しているヒロエは悲しそうな目で苦しそうにする母を見つめる・・・
窓の外に居た村人はバーラの手を喰っているのか、窓の外から咀嚼をするような音が続く・・・
だが、それに夢中になっているのか窓から中へ入ろうとする行動は見られず、ガンジーは人差し指を立ててそっとバーラに肩を貸しヒロエの部屋を後にするのであった。
「一体何が起こってるんだ・・・」
バーラの部屋から出て向かいに在る父ガンジーの部屋に移動した4人は息を潜めて外を窺っていた。
閉められた窓の外・・・そこはまさしく地獄そのものであった。
数名の者に襲われ体を引き千切られながら喰われる人影・・・
虚ろな表情のまま赤い目で獲物を探しまわりながら歩く者・・・
遠くから聞こえる絶叫・・・
ありふれた日常は一瞬にしてその姿を変化させていた。
「お父さん・・・怖い・・・」
「大丈夫、お父さんが付いている!」
泣くヒロエを抱きしめガンジーはこれからの事を考える・・・
家に籠城していた所で助けが来る当てもない、外の様子を見るに早急にこの村から逃げ出すべきだと考えた時であった。
ドン!ドン!ドン!
ガンジーの部屋のドアが強く叩かれる!
玄関が破られた音はしなかったのにそこに誰かが居る、それを感じ4人は息を潜めた。
今家の中に誰かが居る、だが外から侵入された形跡はない・・・となれば考えられる答えは一つである。
それに気付いたエルミンは出そうになった声を口を塞いでせき止める・・・
4人が静かにじっとしていたが、既に話し声でここに自分達が居る事がバレているのか、ドアの向こうの主はそこから離れようとせずドアを叩き続ける。
「しっ・・・」
人差し指を口の前に立てて言葉を発しないように指示をしたガンジーは静かに立ち上がる・・・
何かないかと咄嗟に部屋を見回し何か武器になる物はないかと探すガンジーの目に入ったのは薪割り用の斧であった。
ゆっくりと立ち上がり壁に立て掛けられたその斧を手にしたガンジーはゆっくりとドアの方へ近づいていく・・・
その時であった。
「か・・・母さん?」
エルミンの声が聞こえた。
振り返ったガンジーの目に映ったのはユラリと立ち上がる妻バーラの姿・・・
その左手に付けられていた手当て用の血で真っ赤に染まった布が自然と下へ落ちる。
そこに在る筈の無いそれに気付き、ガンジーは驚きを隠せなかった・・・
「お前・・・その手・・・」
そこにはおかしくなったハイネスに食い千切られた筈の左手が元通りの状態でそこにあった。
その目は虚ろで赤く充血するかのように色が変わるのにガンジーは気付かなった・・・
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる