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第66話 崩れる拮抗

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目の前で繰り返される地獄絵図。
一度死んで生き返るが直ぐに虫に襲われて2度目の死を約束される。
虫は絶えず天井や入り口から入ってきており小鬼達が次々と喰い殺されていく。

「なんて光景だよ…」
「気を付けろよ、一歩間違えたら仲間入りだ」

入り口横の隅っこで固まるジタンとカインとカミラ。
小鬼達が死にたくなくて虫を攻撃するので虫は広がらず小鬼達の方へ次々と向かっている、だからこそ自分達は安全地帯に居られてるがそれも時間の問題である。
殺し合い互いに拮抗しているからこそ現状があるが小鬼が尽きる方が先だろう。
事実小屋の奥から追加される小鬼が居なくなっているのだ。
数が尽きたのか状況を見て逃げ出したのか…
奥の方に居る小鬼達は仲間の悲鳴には反応しないが逃げ出す仲間に合わせて去ろうとする。
それを見てカインは気付いた。

「もしかして、入り口とこの辺りの天井からしか虫は出てこないのか?」

その言葉にジタンは頷く。
そうでなければ追加の小鬼達が何も知らずここへ来る筈が無いのだ。
それを理解したジタンが視線を向けてくる。
奥へ進むかどうするかを聞いているのだ。

「生き残るためには行くしか無いでしょうね…」

戻る道は無く、増え続ける虫は止まらない。
抱き着いて離さないカミラの肩に手を置いてカインは進むことを告げるのであった。
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