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第3章 兵士ブラン
第11話 ブラン、帰省しレシピを得る
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「おぅ、帰って来たかブラン」
「ただいま、親父・・・」
兵士に志願して働きに出て半年、俺は休暇を利用して実家の鍛冶屋に帰ってきていた。
このプロメタの町に1軒だけ在る鍛冶屋が俺の実家だ。
跡取りの俺が兵士になって親父の仕事量が増えるのは予想できたので定期的に休暇を利用して俺はこうやって帰ってきている。
事実武器を作る以外にも武器を改造したりする技術は親父に負けてないレベルで身に付けている俺が居ればこの鍛冶屋の作業は倍の速度で捗る。
魔人族との戦争が続くので武器の発注は毎日引っ切り無しにやってきて親父一人では裁ききれなくなっているのが作業場を見て直ぐに分かった。
「仕事どれくらい遅れてるんだ?」
「けっ数ヶ月先まで予定はビッシリだよ」
親父はいつもこうだ、仕事に一切手を抜かないのでその仕事は溜まる一方なのだ。
それでもこうして数ヶ月先まで待つと分かっていても依頼が舞い込むのは1軒しか無いからというだけでなく、その腕を買われていると言うことなのだろう。
だからそんな親父を尊敬する俺は仕事着に着替えて次の武器の修復に入る。
「手間の掛からない作業は俺が引き受けるから任せてくれ」
「・・・・・・あぁ、頼む」
職人気質な親父は口下手だが息子の俺が一緒に仕事をするのを内心凄く喜んでいるのが良く分かる。
しかも簡単な修復等を先に片付けてしまえば作業スペースも広く取れて仕事は一気に進むのだ。
俺はその日から毎日親父の仕事を手伝った。
そして、その日の夜・・・一人の客が訪れた。
「ごめん下さい・・・」
見た目は貴族のお嬢さんと言った感じだがその歩き方はどちらかと言うと冒険者に近いその緑髪の少女は店の中へ入ってきた。
「すみません、もう閉店時間なので・・・」
「これを・・・」
そう言って緑髪の少女がカウンターに置いた物を見て俺は目を疑った。
それは開かれた本と2本の短剣であった。
そして、そこに書かれていたのは魔の武具作成方法であったのだ。
緑髪の少女が開いて指を射すそれは2本の短剣であった。
しかし、その効果に付いては文字が掠れて読み取れ無かった。
それでも俺の職人魂は火が付き燃え上がっていた。
「この短剣にこの効果を付与してほしいのです」
「・・・この本借りても良いか?」
「・・・・・・一応門外不出の我が家に伝わる秘伝書なので・・・」
「分かった。それならあんたも一緒に来て見張っててくれ」
そう言って俺は緑髪の少女に本を持たせ作業場へ移るのであった。
「入ってくれ」
親父は既に今日の仕事を終えて夕飯を食べに出て行っていた。
今日は多分飲んで帰るのが遅くなるだろうからこれはチャンスだ。
「・・・・・・失礼します」
「目の前で作業させてもらうからその本のメモをとらせて貰っても良いか?」
「・・・はい、大丈夫です」
「ありがとう、それじゃその依頼受けるよ」
俺は緑髪の少女から2本の短剣を受け取り作業場に置く、そして少女の本を借りてその中身を間違えないように紙に写していく・・・
そして、俺は少女が開いていたページの隣のページもその時一緒に写し本を少女へ返す。
「それじゃ大体30分位で出来るから退屈かもしれないが待っててくれ」
「はい・・・お願いします」
少女から預かった短剣に向かって俺は早速作業を始めるのであった・・・
(こんな魔草の組み合わせがあったのか、そしてこれを・・・こうすれば・・・)
真剣に2本の短剣を改造するその姿を緑髪の少女は見詰め続け・・・40分が過ぎた。
俺は完成した短剣を少女へ返す。
「ありがとうございます。それで御代は・・・」
「いや、今回のは俺がこの仕事をやりたかっただけだ。だからサービスって事にしておくよ」
「・・・宜しいのですか?」
「あぁ」
事実、魔の武具を作るレシピを得られた事実はお金では買えないものである。
そして、俺がメモを残したもう一つのそれの価値を考えるとこの場でお金を請求するよりも得だろうと俺は考えたのだ。
そうして緑髪の少女は店を出てそのまま何処かへ行ってしまった。
俺の手元に残るもう一つの魔の武具を作るレシピを残して・・・
「ただいま、親父・・・」
兵士に志願して働きに出て半年、俺は休暇を利用して実家の鍛冶屋に帰ってきていた。
このプロメタの町に1軒だけ在る鍛冶屋が俺の実家だ。
跡取りの俺が兵士になって親父の仕事量が増えるのは予想できたので定期的に休暇を利用して俺はこうやって帰ってきている。
事実武器を作る以外にも武器を改造したりする技術は親父に負けてないレベルで身に付けている俺が居ればこの鍛冶屋の作業は倍の速度で捗る。
魔人族との戦争が続くので武器の発注は毎日引っ切り無しにやってきて親父一人では裁ききれなくなっているのが作業場を見て直ぐに分かった。
「仕事どれくらい遅れてるんだ?」
「けっ数ヶ月先まで予定はビッシリだよ」
親父はいつもこうだ、仕事に一切手を抜かないのでその仕事は溜まる一方なのだ。
それでもこうして数ヶ月先まで待つと分かっていても依頼が舞い込むのは1軒しか無いからというだけでなく、その腕を買われていると言うことなのだろう。
だからそんな親父を尊敬する俺は仕事着に着替えて次の武器の修復に入る。
「手間の掛からない作業は俺が引き受けるから任せてくれ」
「・・・・・・あぁ、頼む」
職人気質な親父は口下手だが息子の俺が一緒に仕事をするのを内心凄く喜んでいるのが良く分かる。
しかも簡単な修復等を先に片付けてしまえば作業スペースも広く取れて仕事は一気に進むのだ。
俺はその日から毎日親父の仕事を手伝った。
そして、その日の夜・・・一人の客が訪れた。
「ごめん下さい・・・」
見た目は貴族のお嬢さんと言った感じだがその歩き方はどちらかと言うと冒険者に近いその緑髪の少女は店の中へ入ってきた。
「すみません、もう閉店時間なので・・・」
「これを・・・」
そう言って緑髪の少女がカウンターに置いた物を見て俺は目を疑った。
それは開かれた本と2本の短剣であった。
そして、そこに書かれていたのは魔の武具作成方法であったのだ。
緑髪の少女が開いて指を射すそれは2本の短剣であった。
しかし、その効果に付いては文字が掠れて読み取れ無かった。
それでも俺の職人魂は火が付き燃え上がっていた。
「この短剣にこの効果を付与してほしいのです」
「・・・この本借りても良いか?」
「・・・・・・一応門外不出の我が家に伝わる秘伝書なので・・・」
「分かった。それならあんたも一緒に来て見張っててくれ」
そう言って俺は緑髪の少女に本を持たせ作業場へ移るのであった。
「入ってくれ」
親父は既に今日の仕事を終えて夕飯を食べに出て行っていた。
今日は多分飲んで帰るのが遅くなるだろうからこれはチャンスだ。
「・・・・・・失礼します」
「目の前で作業させてもらうからその本のメモをとらせて貰っても良いか?」
「・・・はい、大丈夫です」
「ありがとう、それじゃその依頼受けるよ」
俺は緑髪の少女から2本の短剣を受け取り作業場に置く、そして少女の本を借りてその中身を間違えないように紙に写していく・・・
そして、俺は少女が開いていたページの隣のページもその時一緒に写し本を少女へ返す。
「それじゃ大体30分位で出来るから退屈かもしれないが待っててくれ」
「はい・・・お願いします」
少女から預かった短剣に向かって俺は早速作業を始めるのであった・・・
(こんな魔草の組み合わせがあったのか、そしてこれを・・・こうすれば・・・)
真剣に2本の短剣を改造するその姿を緑髪の少女は見詰め続け・・・40分が過ぎた。
俺は完成した短剣を少女へ返す。
「ありがとうございます。それで御代は・・・」
「いや、今回のは俺がこの仕事をやりたかっただけだ。だからサービスって事にしておくよ」
「・・・宜しいのですか?」
「あぁ」
事実、魔の武具を作るレシピを得られた事実はお金では買えないものである。
そして、俺がメモを残したもう一つのそれの価値を考えるとこの場でお金を請求するよりも得だろうと俺は考えたのだ。
そうして緑髪の少女は店を出てそのまま何処かへ行ってしまった。
俺の手元に残るもう一つの魔の武具を作るレシピを残して・・・
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