8 / 25
第8話 自重を知らない究極のレベリング
しおりを挟む
森の中ジョギングの様に走るヒロシとクリス。
追われている身でありながら焦る事無く「日課のジョギングです怪しい者じゃないです」と職務質問にも答えそうな雰囲気でいるヒロシに付いて行くクリスは声を掛ける。
「本当・・・なんなんすかヒロシさんは・・・」
「単なる何処にでも居るアホウ使いさ!」
妙にテンションが高いヒロシとともに走るクリスは、森に入るところでヒロシに渡された靴に履物を履き替えていた。
「さて、そろそろ次の段階かな?」
ヒロシが振り返って後ろ向きに走り出したのを見てクリスは身構える。
クリスの復讐に強力すると言うヒロシはこの逃走している間すらもクリスの強化に手を出しているのだ。
なのでこのままここで模擬戦を行なわれてもおかしくない。
走りつつも追いかけてくるというまるで魔列車との戦いの様な状況にヒロシは笑いを堪えながらクリスにアホウで取り出したボールをパスする。
「それを殴り返して!」
「あっはい」
クリスは言われたとおりヒロシに向かってそのボールを殴り返した。
殴ったのはゴムボールの様で軽い感触と共にヒロシに戻るボール。
それをヒロシはアホウで消す。
「よし、それじゃあ今の殴ったのと同じ行動を繰り返して」
「えっ?す、素振りですか?」
「いや、構えて動こうと思うだけで良いよ」
そう言われクリスはヒロシがボールを投げてきたのを想像してそこへ拳を出すイメージをする。
「うん、いいね。それを暫く続けてくれるかな?」
「は、はい・・・」
一体これがなんになるのかと疑問に思いつつもクリスは言われた行為を繰り返し続けた。
この世界では他者をモンスターに限らず人間でも倒す事で経験値を得る事が可能である。
その為、クリスは自身の体がこの数時間で明らかに強化されているのを走りながら実感していた。
事実クリスがジョギングとはいえこのペースでヒロシと走り続けているにも関わらず疲れが一切見られないのがその証拠であった。
そのまま森を突っ切って反対側まで抜けた所でヒロシとクリスは止まった。
森を抜けたそこは丘で太陽が沈もうとしている方向には大きな町が見えている。
ずっと後ろ向きにも関わらず木にぶつかる事無く走りきったヒロシは振り返って町を見下ろし呟く。
「居た、アイツと・・・アイツかな?」
そのヒロシの呟きを聞いてクリスも身を引き締める。
だが自分達を襲撃した相手がとんでもなく強かったのを思い出してその体を恐怖が襲った。
ヒロシから借りたキュースネコカミを装備して戦ったとしても一撃で即死させられたら反撃すらも出来ないのは明白だからだ。
そんなクリスの様子に気が付いたヒロシはクリスに再びボールを投げた。
反射的に繰り返してきた事に体が自然に動きクリスはそのボールを殴り返した。
「よし、大丈夫そうだな。それじゃあ次はこいつだな」
そう言ってヒロシは銀色の円盤型モンスターをアホウで出現させる。
しかし、そいつは動く事無く目を閉じたままその場に鎮座した。
「ではこれを持って」
ヒロシから渡される1個の卵。
もうわけが分からないクリスは考えるのを放棄してヒロシに言われたとおり左手に卵を持って銀色のモンスターを見下ろす。
「後は殴って、倒しても同じ場所を殴り続けてくれたらいいよ」
「意味が分かりませんが分かりましたよ」
そう言ってクリスが右拳を銀色モンスターに叩き込んだ!
ゴゴゴゴゴゴイーン!!
まるで金属を殴りつけたような衝撃が右拳を襲う!
だがその甲斐があったのか目の前の銀色のモンスターは光の粒子に変化して昇天していった。
だがクリスはヒロシに言われた通りそのモンスターが居た場所に再び右拳を叩き込む!
ゴゴゴゴゴゴイーン!!
拳がそこへ当たった瞬間昇天して消えた筈の銀色モンスターが点滅しながら出現し再び光の粒子となって昇天する。
もう意味が分からないと混乱しつつもクリスはその行為を繰り返していた。
ヒロシはクリスが何も考えずにその作業を繰り返しているのに安堵して亜空間から小さなカプセルを取り出し手の中で転がしながらクリスの作業を眺めるのであった・・・
太陽が沈んで真夜中になってクリスが右拳を叩き込んだところでヒロシが声を掛けた。
「そこまで!お疲れさん」
「あっはい、なんだか体の調子が・・・えっ?えぇぇぇぇえええええ?!?!?!?」
クリスが顔を上げて驚きの声を上げる。
その時、クリスの目には世界が滅茶苦茶になっている様に見えていたのだ。
そんなクリスの様子を笑いながらヒロシは手にしていたカプセルの先端にあるスイッチを押す。
そして、それを投げた!
ボンッ!
まるで爆発したように投げられたカプセルからは煙が吹き出て何も無かった場所を包み込む。
そして、その煙が散るとそこに見た事も無い丸い屋根の白い建物が出現していた。
クリスは頭がおかしくなったのかと唖然とそれを見上げていたのだが突然頭を押さえて蹲る。
「おっと急がないとな」
ヒロシは蹲ったままのクリスに肩を貸してその建物の中へ入るのであった。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・ヒロシさん・・・俺どうなったんですか?」
「ん?バグで混乱してるのと急なレベルアップで体が異常に進化しているだけだから一晩休めば落ち着くよ」
ベットに寝かされたクリスはヒロシの言葉に頷いてそのまま目を閉じる。
そんなクリスの靴やその他の物を回収しヒロシは壁に向かうのであった。
ここで解説をしておこうと思う。
森を駆け抜ける前にヒロシから渡されたその靴こそ『しあわせのくつ』と呼ばれる素敵アイテムであった。
これは歩くだけで1歩ごとに経験値が1入ると言うチートアイテムである。
これを森を抜ける間装備していたクリスは森を抜ける間だけで約2万歩程地面を踏み約2万の経験値を手に入れていた。
そして、道中でヒロシに言われたボールを殴り返すイメージを繰り返す行為。
これは攻撃キャンセルと言うファイナルなファンタジー2で使われた裏技であった。
これによりクリスの攻撃回数が大幅に増加していた。
最後にヒロシが出現させた銀色のモンスター。
それこそが今回の短時間特訓の目玉『バグれメタル』であった。
倒しても倒しても戦闘が終了しない限り限界値まで死んだはずの同じモンスターを繰り返し倒す事が出来る知る人ぞ知るドラゴンなクエスト5で有名なアレである。
1匹倒すことに約1万の経験値が入るのだが倒す為にある一定の強さが必要である。
その必要分をここへ到達するまでに鍛えていたのだ。
更にヒロシが渡した卵、あれは『グロウエッグ』と言う獲得経験値を増加させるアイテムであった。
これによりクリスはこの世界で200年くらい修行するのと同程度のレベルアップを図る事に成功していたのである!
しかし、これには本人から見える背景がバグると言う副作用がある。
下手をすればクリスの精神が飛ぶ可能性もあったのだがその場合はヒロシが何とかするので問題は無い。
まさしく悪魔の所業とも言えるレベリングであった。
そして、この視界がバグるのを回復させるには建物の中に入ると言うのが一番なのだがこんな場所で建物なんてあるわけが無かった。
そこでヒロシが使用した方法は・・・
『ポイポ○カプセル』テーテレーッテテレレレー!
そう、ドラゴンなボールに出てくるカプセルなコーポレーションの大ヒット商品である!
もう好き放題やりたい放題であるが全く自重する気も彼を抑える人間もこの世界には存在しないのであった・・・
壁に近付いたヒロシはそこに付属されていたそれを手に取ってボタンを何度か押す。
暫くして向こうと会話が繋がったのを確認してヒロシは告げる。
「あっすみません、ごろっとバーベキューチキンピザのLサイズ1枚お願いします。あとドリンクに烏龍茶2つ。30分後に店まで取りに行きますんで・・・酒井です。んじゃお願いしまーす」
異世界から宅配ピザを夕飯として注文するヒロシ、宅配ではなく店まで取りに行く事で料金を安く抑えるところまでチャッカリしているヒロシであった。
ヒロシは注文し終わってから寝ているクリスを見る・・・
「頼んじゃったけど・・・ピザ、食べるよな?」
そんな事を呟きながら亜空間から今週のチャン○オンを取り出して読みふけるヒロシ・・・
「やっべ!宮本武蔵やっべぇ!!!バキ勝てるのか?!」
もう好き放題やり過ぎて何処から突っ込めば言いのか分からないヒロシであった。
追われている身でありながら焦る事無く「日課のジョギングです怪しい者じゃないです」と職務質問にも答えそうな雰囲気でいるヒロシに付いて行くクリスは声を掛ける。
「本当・・・なんなんすかヒロシさんは・・・」
「単なる何処にでも居るアホウ使いさ!」
妙にテンションが高いヒロシとともに走るクリスは、森に入るところでヒロシに渡された靴に履物を履き替えていた。
「さて、そろそろ次の段階かな?」
ヒロシが振り返って後ろ向きに走り出したのを見てクリスは身構える。
クリスの復讐に強力すると言うヒロシはこの逃走している間すらもクリスの強化に手を出しているのだ。
なのでこのままここで模擬戦を行なわれてもおかしくない。
走りつつも追いかけてくるというまるで魔列車との戦いの様な状況にヒロシは笑いを堪えながらクリスにアホウで取り出したボールをパスする。
「それを殴り返して!」
「あっはい」
クリスは言われたとおりヒロシに向かってそのボールを殴り返した。
殴ったのはゴムボールの様で軽い感触と共にヒロシに戻るボール。
それをヒロシはアホウで消す。
「よし、それじゃあ今の殴ったのと同じ行動を繰り返して」
「えっ?す、素振りですか?」
「いや、構えて動こうと思うだけで良いよ」
そう言われクリスはヒロシがボールを投げてきたのを想像してそこへ拳を出すイメージをする。
「うん、いいね。それを暫く続けてくれるかな?」
「は、はい・・・」
一体これがなんになるのかと疑問に思いつつもクリスは言われた行為を繰り返し続けた。
この世界では他者をモンスターに限らず人間でも倒す事で経験値を得る事が可能である。
その為、クリスは自身の体がこの数時間で明らかに強化されているのを走りながら実感していた。
事実クリスがジョギングとはいえこのペースでヒロシと走り続けているにも関わらず疲れが一切見られないのがその証拠であった。
そのまま森を突っ切って反対側まで抜けた所でヒロシとクリスは止まった。
森を抜けたそこは丘で太陽が沈もうとしている方向には大きな町が見えている。
ずっと後ろ向きにも関わらず木にぶつかる事無く走りきったヒロシは振り返って町を見下ろし呟く。
「居た、アイツと・・・アイツかな?」
そのヒロシの呟きを聞いてクリスも身を引き締める。
だが自分達を襲撃した相手がとんでもなく強かったのを思い出してその体を恐怖が襲った。
ヒロシから借りたキュースネコカミを装備して戦ったとしても一撃で即死させられたら反撃すらも出来ないのは明白だからだ。
そんなクリスの様子に気が付いたヒロシはクリスに再びボールを投げた。
反射的に繰り返してきた事に体が自然に動きクリスはそのボールを殴り返した。
「よし、大丈夫そうだな。それじゃあ次はこいつだな」
そう言ってヒロシは銀色の円盤型モンスターをアホウで出現させる。
しかし、そいつは動く事無く目を閉じたままその場に鎮座した。
「ではこれを持って」
ヒロシから渡される1個の卵。
もうわけが分からないクリスは考えるのを放棄してヒロシに言われたとおり左手に卵を持って銀色のモンスターを見下ろす。
「後は殴って、倒しても同じ場所を殴り続けてくれたらいいよ」
「意味が分かりませんが分かりましたよ」
そう言ってクリスが右拳を銀色モンスターに叩き込んだ!
ゴゴゴゴゴゴイーン!!
まるで金属を殴りつけたような衝撃が右拳を襲う!
だがその甲斐があったのか目の前の銀色のモンスターは光の粒子に変化して昇天していった。
だがクリスはヒロシに言われた通りそのモンスターが居た場所に再び右拳を叩き込む!
ゴゴゴゴゴゴイーン!!
拳がそこへ当たった瞬間昇天して消えた筈の銀色モンスターが点滅しながら出現し再び光の粒子となって昇天する。
もう意味が分からないと混乱しつつもクリスはその行為を繰り返していた。
ヒロシはクリスが何も考えずにその作業を繰り返しているのに安堵して亜空間から小さなカプセルを取り出し手の中で転がしながらクリスの作業を眺めるのであった・・・
太陽が沈んで真夜中になってクリスが右拳を叩き込んだところでヒロシが声を掛けた。
「そこまで!お疲れさん」
「あっはい、なんだか体の調子が・・・えっ?えぇぇぇぇえええええ?!?!?!?」
クリスが顔を上げて驚きの声を上げる。
その時、クリスの目には世界が滅茶苦茶になっている様に見えていたのだ。
そんなクリスの様子を笑いながらヒロシは手にしていたカプセルの先端にあるスイッチを押す。
そして、それを投げた!
ボンッ!
まるで爆発したように投げられたカプセルからは煙が吹き出て何も無かった場所を包み込む。
そして、その煙が散るとそこに見た事も無い丸い屋根の白い建物が出現していた。
クリスは頭がおかしくなったのかと唖然とそれを見上げていたのだが突然頭を押さえて蹲る。
「おっと急がないとな」
ヒロシは蹲ったままのクリスに肩を貸してその建物の中へ入るのであった。
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・ヒロシさん・・・俺どうなったんですか?」
「ん?バグで混乱してるのと急なレベルアップで体が異常に進化しているだけだから一晩休めば落ち着くよ」
ベットに寝かされたクリスはヒロシの言葉に頷いてそのまま目を閉じる。
そんなクリスの靴やその他の物を回収しヒロシは壁に向かうのであった。
ここで解説をしておこうと思う。
森を駆け抜ける前にヒロシから渡されたその靴こそ『しあわせのくつ』と呼ばれる素敵アイテムであった。
これは歩くだけで1歩ごとに経験値が1入ると言うチートアイテムである。
これを森を抜ける間装備していたクリスは森を抜ける間だけで約2万歩程地面を踏み約2万の経験値を手に入れていた。
そして、道中でヒロシに言われたボールを殴り返すイメージを繰り返す行為。
これは攻撃キャンセルと言うファイナルなファンタジー2で使われた裏技であった。
これによりクリスの攻撃回数が大幅に増加していた。
最後にヒロシが出現させた銀色のモンスター。
それこそが今回の短時間特訓の目玉『バグれメタル』であった。
倒しても倒しても戦闘が終了しない限り限界値まで死んだはずの同じモンスターを繰り返し倒す事が出来る知る人ぞ知るドラゴンなクエスト5で有名なアレである。
1匹倒すことに約1万の経験値が入るのだが倒す為にある一定の強さが必要である。
その必要分をここへ到達するまでに鍛えていたのだ。
更にヒロシが渡した卵、あれは『グロウエッグ』と言う獲得経験値を増加させるアイテムであった。
これによりクリスはこの世界で200年くらい修行するのと同程度のレベルアップを図る事に成功していたのである!
しかし、これには本人から見える背景がバグると言う副作用がある。
下手をすればクリスの精神が飛ぶ可能性もあったのだがその場合はヒロシが何とかするので問題は無い。
まさしく悪魔の所業とも言えるレベリングであった。
そして、この視界がバグるのを回復させるには建物の中に入ると言うのが一番なのだがこんな場所で建物なんてあるわけが無かった。
そこでヒロシが使用した方法は・・・
『ポイポ○カプセル』テーテレーッテテレレレー!
そう、ドラゴンなボールに出てくるカプセルなコーポレーションの大ヒット商品である!
もう好き放題やりたい放題であるが全く自重する気も彼を抑える人間もこの世界には存在しないのであった・・・
壁に近付いたヒロシはそこに付属されていたそれを手に取ってボタンを何度か押す。
暫くして向こうと会話が繋がったのを確認してヒロシは告げる。
「あっすみません、ごろっとバーベキューチキンピザのLサイズ1枚お願いします。あとドリンクに烏龍茶2つ。30分後に店まで取りに行きますんで・・・酒井です。んじゃお願いしまーす」
異世界から宅配ピザを夕飯として注文するヒロシ、宅配ではなく店まで取りに行く事で料金を安く抑えるところまでチャッカリしているヒロシであった。
ヒロシは注文し終わってから寝ているクリスを見る・・・
「頼んじゃったけど・・・ピザ、食べるよな?」
そんな事を呟きながら亜空間から今週のチャン○オンを取り出して読みふけるヒロシ・・・
「やっべ!宮本武蔵やっべぇ!!!バキ勝てるのか?!」
もう好き放題やり過ぎて何処から突っ込めば言いのか分からないヒロシであった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双
四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。
「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。
教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。
友達もなく、未来への希望もない。
そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。
突如として芽生えた“成長システム”。
努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。
筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。
昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。
「なんであいつが……?」
「昨日まで笑いものだったはずだろ!」
周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。
陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。
だが、これはただのサクセスストーリーではない。
嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。
陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。
「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」
かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。
最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。
物語は、まだ始まったばかりだ。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる