異世界で音ゲー革命! 音楽ゲームが異世界に進出?!

昆布海胆

文字の大きさ
4 / 86

第4話 ビートDJマニアは酒場に置かれる事になりました。

しおりを挟む
MPを100吸い取られ買ったエーテルで魔力欠乏症を回避した衛兵は仕事そっちのけでビートDJマニアをプレイする。

「むぅ・・・この☆の数が難しさなのか?」
「えぇ、そうですよ」
「これでも生まれた村では楽器をやっていたんでな、5段階なら2つくらい余裕だろう」

そう言って選んだ曲はブレイクビッツと書かれた☆2つの曲『2 ゴージャス 4 you』だ。
この曲は続編となる2ndでとある曲の元ネタとして作られた曲なのだが知っている人は少ないだろう。
静かに曲が始まり後半になるにつれ強いベースやスネアドラムの音が登場するこの曲だが・・・

「ぬっくそっこっこいつっぬぁっ!」

一番やっかいなのはこれだろう、画面中央のムービーに現われる人影の様なものに意識が奪われるのだ。
そっちに目がいき始めると急に譜面が増え始めるこの曲。
しかも同時押しにずれた配置、更にはスクラッチのフリーゾーンと初心者の最初の壁でも在るのだ。

「ぬ・・・ぬぉおぉおお・・・ぬぉおおおお」

だがしかし打楽器だろうが触ったことがあるだけありリズム的には悪くなくギリギリではあるが衛兵はクリアしたのだ!

「はぁ・・・はぁ・・・どうだ!やったぞはははっ!」

テンションが妙に高くなっている衛兵。
その表情は物凄く嬉しそうでこの世界でも音ゲーは受け入れられると言う証明でもあった。
そして、気付けば奴隷商の入り口に人が大量に来ており中から流れる聞いた事も無いような音で演奏される不思議な曲に耳を傾けながらリズムを取る街の住人達。
そして、衛兵が2曲目に選んだのは・・・

「☆2つが出来たんだから☆3つもいけるだろう!」

と独り言を言いながら☆3つのテクノ曲『オーバードザー』である!
後ろから声を掛ける。

「そこの『エフェクト』ってボタンを1回押すとその曲は更に良くなりますよ」
「ん?これか?」

そう言って衛兵はスタートボタンの下に配置されているエフェクトボタンを1回押す。
ボタンが赤く光り驚く衛兵だがその意識を取り戻そうとしているかのように曲が始まる。
キュイ~ンと言うこの世界の音とは思えない音に引かれ衛兵は演奏を開始する。
この曲は基本的にドラムの音を演奏する曲なので打楽器を経験しているであろう衛兵には非常に相性が良かった。
最初の方は・・・

「これは・・・ぬぉっ?! な、なんだこのリズムは?!」

序盤は上手く演奏出来ていたのだが後半になるにつれ激しさを増し遂に衛兵の手が動かなくなる。
そして、ゲージが半分ほどしかいかず曲が終了した。
特にラストの2連打は難しかったのだろう、着ている鎧も少し重かったのかもしれない。
よく見れば少し汗もかいている衛兵は曲はクリアできなかったがその顔は晴れやかであった。

「これを作ったのは貴公だと言ったな?これは凄い、またやりたいぞ!」
「行きつけの酒場に置かせて貰う予定してますのでそこでまたやってやって下さい」
「本当か!?是非またやらせてもらうよ!」

そう言って衛兵はご機嫌で帰っていった。
この異常な存在がこの世界に認められたのか結局衛兵は何をしに来たのか分からないまま帰っていった。
音楽が消えて奴隷商の建物を囲んでいた者達も散りいつもの静けさが戻って来た。

「なぁ、ロクドー・・・これダイノに置くのか?」
「あぁ、ここじゃ皆がプレイ出来ないからな」
「そうか・・・うん分かった!それじゃ今すぐ交渉に行こう!」

そう言ってアリスは一度家に帰り運ぶ為の人間を用意してくれる事になった。
彼女自身ももう一度プレイしたいというのもあったが実はこれをプレイする為にMPが必要なので酒場でエーテルを販売するつもりだったのだと後から知らされたロクドー。
流石に魔道具屋を経営しているだけあって商売魂が逞しい彼女であった。

「あ、あのご主人様・・・」
「奴隷業は廃業だな」
「えっ?!」
「これからは音ゲー製作の魔道具屋をやっていく事になりそうだ。」
「そ・・・それじゃあ私たちは・・・」
「だから俺に付いて一緒にやっていってくれるか皆に聞かないとな!」
「は、はいっ!」

ロクドーに捨てられるかもしれないと少し考えたエミであったがそうではなく全員をそのまま従業員として雇い続ける形で考えていたロクドー。
そして、その仕事に全員付いて行くと答える奴隷達。
この世界の奴隷は現代日本で言うバイトみたいなものであったのも幸いした。
ロクドーはまだ気付いていなかったがこの音ゲーの存在は既にこの時、衛兵から貴族や王族にまで伝わっていたのであった。
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ

天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。 ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。 そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。 よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。 そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。 こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...