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ゲーム制作プログラマー、裏切られたので復讐します
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「よし、これで完成だ!」
俺、高橋 薫は学生時代からの友人である鈴木と共に1本のゲームを作っていた。
俺がプログラムと作画、鈴木が音楽とストーリーを作る二人だけの小さな会社で5年と言う歳月を費やして完成させた1本のゲーム・・・
『デビルクエスト』
王道のアクションRPGでありつつも斬新な要素を多数取り入れ、某有名RPGにも負けてないという自信を持って世に出せる作品が今完成したのだ。
「やったな高橋!」
「あぁ・・・長かったけどついに完成だ」
鈴木の借りているアパートの一室、ここで俺達はこのゲームを完成させるために時間を費やした。
ゲーム業界と言うのは時と共にその形を変えて今では物凄くリアルなゲームが出揃っている、だが昔ながらの絵にも関わらずここまでの作品が出来上がったのは作った俺達でさえも驚きを隠せない。
「発売予定日まで2ヶ月か、これだけあればバグチェックやデバックもしっかり出来そうだな」
「あぁ・・・そうだな・・・」
完成したゲームには勿論予期せぬ不具合という物が付きまとう、それを少しでも修正する時間が在るというのはゲーム業界でも稀であろう。
まだ世にその間を知られていない弱小企業だから出来る事でもあるが、より良い作品にして完成度を高める事が出来るのは非常にありがたい、事実発売後に大量のバグが発見されて見限られるゲームも世の中には多数あるからだ。
俺は何かを思案している鈴木の邪魔をしないようにコーヒーを一口飲んで疲れた体を伸ばす。
一気に完成させるためにこの数日間は殆ど寝ていないのだ。
「それじゃあ俺は少し横になるとするかな・・・」
「なぁ高橋・・・」
「ん?」
鈴木が俺に声を掛けてくる、ゲームが完成したのが嬉しいのか笑みがこぼれているが、妙に違和感を感じさせるその顔に背筋がゾクっと震えた。
そして、鈴木は茶封筒を俺に差し出してきた。
「今日までお疲れさん、これはほんのお礼だ」
「あ・・・あぁ・・・どうしたんだよ改まって・・・」
そう言って渡された茶封筒を開くと中には5万円と1枚の紙が入っていた。
その紙には・・・
「えっと・・・これはなんの冗談・・・だ?」
「そこに書いてある通りだよ、悪いが部外者に発売前のゲームを見せるわけにはいかないんでな、さっさと出て行ってくれないか?」
「えっ・・・?」
「はぁ・・・物分かりが悪いな、お前はもう用済みって事だ。警察を呼ばれたくなかったらさっさと出ていけ!」
何が何だか分からない、突然鈴木が口にした言葉に寝不足の思考が追い付く事もなく固まる俺・・・
そんな俺に鈴木は続ける・・・
「この会社の代表取締役は俺だ、お前の名前はエンディングからも削除してある、もちろん俺の会社の従業員と言う記録も残っていない。だからお前は部外者って言ってるんだ、分かるか?」
「お前…一体・・・何を言って…」
そう言って今さっきまで触っていたパソコンの方へ振り向こうとした時であった。
鈴木が俺の肩を乱暴に掴んで引っ張った。
「部外者が社外秘を覗き見るんじゃねーよ!」
「うぁっ!」
玄関の方に転ぶ俺、それを見下ろす鈴木の冷たい視線が全てを物語っていた。
俺は・・・裏切られたのだ。
「お、俺がいなくなったらデバックが・・・」
「あー心配するな、プログラム関連の下請け会社とは既に話が付いている。だからお前はただ黙ってそのまま玄関から出て行ってくれればいいんだよ」
そういう鈴木は俺に見える様に携帯の番号を『1・1・0』と押した。
鈴木の目はマジであった。
俺は心の底から信じていた親友の見た事もない顔に吐き気を覚え、そのまま玄関から飛び出した。
大学生の時にオタクでボッチだった俺に突然気さくに声を掛けたあの日からこれを計画していたのかと思うと涙があふれ出す・・・
そして、俺はこの日・・・親友と仕事を失った・・・
あれから3か月が経過した。
俺達が作ったデビルクエストは先月発売され空前絶後の大ヒットを記録していた。
大手有名企業の新作ゲームを押しのけて売り上げ本数1位をキープし続けているそのニュースを見る度に俺の心は荒んだ。
人間不信、これがそうなのだと理解するのに時間は十分にあった・・・
何もする気が起きない俺は落ち込んだまま貯金を崩しながら、ただただ生きているだけの生活を送っていた。
そんな俺の元に一本の電話が掛かってきた。
「おー高橋ー久しぶりー」
「あぁ・・・佐藤か・・・」
こいつは高校時代の同級生の佐藤、高校時代のオタク仲間で毎年年賀状でしか連絡を取り合っていなかった友人だ。
鈴木のせいで人間不信に陥っている俺であったが、佐藤に罪は無いので覇気の無い声ではあるが一応返事は返した。
正直、電話に出る気は起きなかった。
だが虫の知らせと言うのだろうか、この電話は出た方が良い気がしたのだ。
「なんだ久々の親友との会話なのに元気ないな?」
「自分で自分の事を親友とか言うか?」
そうだ、こいつはこんなやつだった。
久しぶりに口元に笑みが少し浮かんだが直ぐに俺の心は冷め切る・・・
信用すると裏切られる、その気持ちが直ぐに湧き出てきたのだ。
「それで・・・突然電話してきてどうした?」
「あぁ、そうだったそうだった。高橋さーデビルクエストって知ってるか?」
「っ・・・?!」
佐藤の口から出てきたその単語に再び吐き気が襲い掛かる。
だがあのゲームにも会社にも俺が関与していた証拠は何処にも残されていないのは既に確認済みだ。
俺は生唾を飲み込んで小さく答えた。
「あ・・・ぁぁ・・・それが・・・どうした?」
「?なんか変だぞお前? まぁいいや、あのゲームのキャンペーン知ってるだろ?」
「キャンペーン?」
「なんだ、ゲームマニアのお前なら確実に知ってると思ったんだけどな。実はなデビルクエストってアクションRPGなんだけど、ラスボスよりも強い裏ボスってのが居るんだわ、んでそいつを発売日から5か月以内に倒して撃破データを会社に送ると2万円のプレゼントって企画が今やってるんだわ」
なんだそれ・・・?
間違いなく俺が作っていた時にはそんな裏ボスの存在は無かった。
つまり俺が辞めさせられてから鈴木が追加したのだろう。
そして、ずっとあのゲームが売れ続けている理由の一つがこれで分かった。
定価5800円のあのゲームを買って裏ボスを倒せば2万円のキャッシュバック。
そりゃ売れるわけだ。
いや、だが待てよ・・・
「でもなその裏ボスってのが滅茶苦茶強くてまだ誰も勝ててないんだわ、もしかしたらお前だったらって考えたんだけど・・・」
「佐藤・・・良い情報ありがとう」
「えっ?って一体どういう意m・・・」
俺は電話を切って自室の天井を見上げた。
そして、目を瞑って大きく深呼吸を繰り返す・・・
1回・・・2回・・・3回・・・
そして、俺は・・・覚悟を決めた。
「鈴木・・・地獄を見せてやる!」
そう意気込んだ俺は早速外に出て必要な物を購入するのであった・・・
2週間後、1本の電話が俺の元に掛かってきた。
相手は勿論・・・鈴木である
「おっおい!高橋!お前だろあれ!」
「あー?どちら様ですか?」
「ふざんなよお前!一体どういうつもりだ!」
「なんの事だかわかりませんね~?」
一方的に怒鳴り蹴散らす鈴木の言葉に俺は良く分からない振りをしながら適当に聞き流す・・・
その焦り様に俺の復讐が成功したと確信を得て俺は今にも笑い出しそうなのを必死に堪える。
鈴木が慌てるのも無理はない、それは先週俺が行った一つの事が理由なのだ。
「お前あんなことして、絶対に訴えてやるからな!」
「あ?どうやってですか?そちらと自分は全く関係無いですよね?」
「な・・・ぬ・・・ぬぐぐ・・・」
そう、俺がデビルクエストに関与していたという証拠は鈴木自らが全て抹消しているのだ。
だから俺がやった事は別に訴えられる要素が一つも無いのである。
2週間前、佐藤から情報を得た俺は直ぐにデビルクエストを購入した。
そして、このゲームを完全攻略する動画を配信するユーチューバーとしてデビューしたのである!
1週間掛けて俺は半日に1回というペースで隠し要素を漏れなく全て攻略する動画をアップロードした。
閲覧数は鰻登りで解析班ですら見付けられていなかった主人公強化アイテムの所在や隠し要素をふんだんに紹介していった。
実際にプレイしてみて分かった事なのだが、裏ボスはこの隠し強化要素を全てコンプリートした上でなければ絶対に勝てない仕様であったのだ。
だから俺はそれら全てをコンプリートした上で、裏ボスを倒す方法を細かく説明した動画を先週アップロードした。
「自分暇じゃないんで失礼します~」
「ま、まて!まだ話は終わってな・・・」
俺は電話を切って自分のyoutubeのページを見た。
13本上がっている全ての動画が閲覧数300万超えと言う事実に笑みが溢れる。
それはそうだろう、ゲームを買って無料で見れるこの動画の通りにするだけで2万円が返ってくるのだから。
某巨大掲示板で大々的に話題になった事もあり、一気に大物ユーチューバーの仲間入りを果たした俺はこれで食っていくもの面白いと考え次のゲームに手を伸ばす・・・
数日後、ゲーム雑誌に俺の動画が紹介され閲覧数は更に大いに伸びた。
それに伴いゲームの売り上げは更に加速したのだが鈴木の会社は直ぐに悲鳴を上げる事となる・・・
買う人の半数以上は俺の動画を見て裏ボスまで倒しイベント報酬を申請したのだから・・・
売れれば売れる程赤字になるのだから鈴木の会社が負債を背負ったまま倒産するのは火を見るよりも明らかであった。
それでもイベント報酬を受け取れなかった人たちの集団訴訟が、その後鈴木に追い打ちを掛けたのは言うまでもないだろう。
そんな鈴木の事はもう忘れて俺は・・・
「どうもー薫でーす!今日からはこのゲームを完全攻略していきたいと思いま~す」
鈴木のお陰で一躍有名ユーチューバーとなり、企業案件も次々舞い込み今日も楽しくゲーム攻略実況動画を作る生活を送っている・・・
あれから鈴木がどうなったのかは知らない、知りたいとも思わない・・・
だって俺は今、とっても充実しているんだから・・・
完
俺、高橋 薫は学生時代からの友人である鈴木と共に1本のゲームを作っていた。
俺がプログラムと作画、鈴木が音楽とストーリーを作る二人だけの小さな会社で5年と言う歳月を費やして完成させた1本のゲーム・・・
『デビルクエスト』
王道のアクションRPGでありつつも斬新な要素を多数取り入れ、某有名RPGにも負けてないという自信を持って世に出せる作品が今完成したのだ。
「やったな高橋!」
「あぁ・・・長かったけどついに完成だ」
鈴木の借りているアパートの一室、ここで俺達はこのゲームを完成させるために時間を費やした。
ゲーム業界と言うのは時と共にその形を変えて今では物凄くリアルなゲームが出揃っている、だが昔ながらの絵にも関わらずここまでの作品が出来上がったのは作った俺達でさえも驚きを隠せない。
「発売予定日まで2ヶ月か、これだけあればバグチェックやデバックもしっかり出来そうだな」
「あぁ・・・そうだな・・・」
完成したゲームには勿論予期せぬ不具合という物が付きまとう、それを少しでも修正する時間が在るというのはゲーム業界でも稀であろう。
まだ世にその間を知られていない弱小企業だから出来る事でもあるが、より良い作品にして完成度を高める事が出来るのは非常にありがたい、事実発売後に大量のバグが発見されて見限られるゲームも世の中には多数あるからだ。
俺は何かを思案している鈴木の邪魔をしないようにコーヒーを一口飲んで疲れた体を伸ばす。
一気に完成させるためにこの数日間は殆ど寝ていないのだ。
「それじゃあ俺は少し横になるとするかな・・・」
「なぁ高橋・・・」
「ん?」
鈴木が俺に声を掛けてくる、ゲームが完成したのが嬉しいのか笑みがこぼれているが、妙に違和感を感じさせるその顔に背筋がゾクっと震えた。
そして、鈴木は茶封筒を俺に差し出してきた。
「今日までお疲れさん、これはほんのお礼だ」
「あ・・・あぁ・・・どうしたんだよ改まって・・・」
そう言って渡された茶封筒を開くと中には5万円と1枚の紙が入っていた。
その紙には・・・
「えっと・・・これはなんの冗談・・・だ?」
「そこに書いてある通りだよ、悪いが部外者に発売前のゲームを見せるわけにはいかないんでな、さっさと出て行ってくれないか?」
「えっ・・・?」
「はぁ・・・物分かりが悪いな、お前はもう用済みって事だ。警察を呼ばれたくなかったらさっさと出ていけ!」
何が何だか分からない、突然鈴木が口にした言葉に寝不足の思考が追い付く事もなく固まる俺・・・
そんな俺に鈴木は続ける・・・
「この会社の代表取締役は俺だ、お前の名前はエンディングからも削除してある、もちろん俺の会社の従業員と言う記録も残っていない。だからお前は部外者って言ってるんだ、分かるか?」
「お前…一体・・・何を言って…」
そう言って今さっきまで触っていたパソコンの方へ振り向こうとした時であった。
鈴木が俺の肩を乱暴に掴んで引っ張った。
「部外者が社外秘を覗き見るんじゃねーよ!」
「うぁっ!」
玄関の方に転ぶ俺、それを見下ろす鈴木の冷たい視線が全てを物語っていた。
俺は・・・裏切られたのだ。
「お、俺がいなくなったらデバックが・・・」
「あー心配するな、プログラム関連の下請け会社とは既に話が付いている。だからお前はただ黙ってそのまま玄関から出て行ってくれればいいんだよ」
そういう鈴木は俺に見える様に携帯の番号を『1・1・0』と押した。
鈴木の目はマジであった。
俺は心の底から信じていた親友の見た事もない顔に吐き気を覚え、そのまま玄関から飛び出した。
大学生の時にオタクでボッチだった俺に突然気さくに声を掛けたあの日からこれを計画していたのかと思うと涙があふれ出す・・・
そして、俺はこの日・・・親友と仕事を失った・・・
あれから3か月が経過した。
俺達が作ったデビルクエストは先月発売され空前絶後の大ヒットを記録していた。
大手有名企業の新作ゲームを押しのけて売り上げ本数1位をキープし続けているそのニュースを見る度に俺の心は荒んだ。
人間不信、これがそうなのだと理解するのに時間は十分にあった・・・
何もする気が起きない俺は落ち込んだまま貯金を崩しながら、ただただ生きているだけの生活を送っていた。
そんな俺の元に一本の電話が掛かってきた。
「おー高橋ー久しぶりー」
「あぁ・・・佐藤か・・・」
こいつは高校時代の同級生の佐藤、高校時代のオタク仲間で毎年年賀状でしか連絡を取り合っていなかった友人だ。
鈴木のせいで人間不信に陥っている俺であったが、佐藤に罪は無いので覇気の無い声ではあるが一応返事は返した。
正直、電話に出る気は起きなかった。
だが虫の知らせと言うのだろうか、この電話は出た方が良い気がしたのだ。
「なんだ久々の親友との会話なのに元気ないな?」
「自分で自分の事を親友とか言うか?」
そうだ、こいつはこんなやつだった。
久しぶりに口元に笑みが少し浮かんだが直ぐに俺の心は冷め切る・・・
信用すると裏切られる、その気持ちが直ぐに湧き出てきたのだ。
「それで・・・突然電話してきてどうした?」
「あぁ、そうだったそうだった。高橋さーデビルクエストって知ってるか?」
「っ・・・?!」
佐藤の口から出てきたその単語に再び吐き気が襲い掛かる。
だがあのゲームにも会社にも俺が関与していた証拠は何処にも残されていないのは既に確認済みだ。
俺は生唾を飲み込んで小さく答えた。
「あ・・・ぁぁ・・・それが・・・どうした?」
「?なんか変だぞお前? まぁいいや、あのゲームのキャンペーン知ってるだろ?」
「キャンペーン?」
「なんだ、ゲームマニアのお前なら確実に知ってると思ったんだけどな。実はなデビルクエストってアクションRPGなんだけど、ラスボスよりも強い裏ボスってのが居るんだわ、んでそいつを発売日から5か月以内に倒して撃破データを会社に送ると2万円のプレゼントって企画が今やってるんだわ」
なんだそれ・・・?
間違いなく俺が作っていた時にはそんな裏ボスの存在は無かった。
つまり俺が辞めさせられてから鈴木が追加したのだろう。
そして、ずっとあのゲームが売れ続けている理由の一つがこれで分かった。
定価5800円のあのゲームを買って裏ボスを倒せば2万円のキャッシュバック。
そりゃ売れるわけだ。
いや、だが待てよ・・・
「でもなその裏ボスってのが滅茶苦茶強くてまだ誰も勝ててないんだわ、もしかしたらお前だったらって考えたんだけど・・・」
「佐藤・・・良い情報ありがとう」
「えっ?って一体どういう意m・・・」
俺は電話を切って自室の天井を見上げた。
そして、目を瞑って大きく深呼吸を繰り返す・・・
1回・・・2回・・・3回・・・
そして、俺は・・・覚悟を決めた。
「鈴木・・・地獄を見せてやる!」
そう意気込んだ俺は早速外に出て必要な物を購入するのであった・・・
2週間後、1本の電話が俺の元に掛かってきた。
相手は勿論・・・鈴木である
「おっおい!高橋!お前だろあれ!」
「あー?どちら様ですか?」
「ふざんなよお前!一体どういうつもりだ!」
「なんの事だかわかりませんね~?」
一方的に怒鳴り蹴散らす鈴木の言葉に俺は良く分からない振りをしながら適当に聞き流す・・・
その焦り様に俺の復讐が成功したと確信を得て俺は今にも笑い出しそうなのを必死に堪える。
鈴木が慌てるのも無理はない、それは先週俺が行った一つの事が理由なのだ。
「お前あんなことして、絶対に訴えてやるからな!」
「あ?どうやってですか?そちらと自分は全く関係無いですよね?」
「な・・・ぬ・・・ぬぐぐ・・・」
そう、俺がデビルクエストに関与していたという証拠は鈴木自らが全て抹消しているのだ。
だから俺がやった事は別に訴えられる要素が一つも無いのである。
2週間前、佐藤から情報を得た俺は直ぐにデビルクエストを購入した。
そして、このゲームを完全攻略する動画を配信するユーチューバーとしてデビューしたのである!
1週間掛けて俺は半日に1回というペースで隠し要素を漏れなく全て攻略する動画をアップロードした。
閲覧数は鰻登りで解析班ですら見付けられていなかった主人公強化アイテムの所在や隠し要素をふんだんに紹介していった。
実際にプレイしてみて分かった事なのだが、裏ボスはこの隠し強化要素を全てコンプリートした上でなければ絶対に勝てない仕様であったのだ。
だから俺はそれら全てをコンプリートした上で、裏ボスを倒す方法を細かく説明した動画を先週アップロードした。
「自分暇じゃないんで失礼します~」
「ま、まて!まだ話は終わってな・・・」
俺は電話を切って自分のyoutubeのページを見た。
13本上がっている全ての動画が閲覧数300万超えと言う事実に笑みが溢れる。
それはそうだろう、ゲームを買って無料で見れるこの動画の通りにするだけで2万円が返ってくるのだから。
某巨大掲示板で大々的に話題になった事もあり、一気に大物ユーチューバーの仲間入りを果たした俺はこれで食っていくもの面白いと考え次のゲームに手を伸ばす・・・
数日後、ゲーム雑誌に俺の動画が紹介され閲覧数は更に大いに伸びた。
それに伴いゲームの売り上げは更に加速したのだが鈴木の会社は直ぐに悲鳴を上げる事となる・・・
買う人の半数以上は俺の動画を見て裏ボスまで倒しイベント報酬を申請したのだから・・・
売れれば売れる程赤字になるのだから鈴木の会社が負債を背負ったまま倒産するのは火を見るよりも明らかであった。
それでもイベント報酬を受け取れなかった人たちの集団訴訟が、その後鈴木に追い打ちを掛けたのは言うまでもないだろう。
そんな鈴木の事はもう忘れて俺は・・・
「どうもー薫でーす!今日からはこのゲームを完全攻略していきたいと思いま~す」
鈴木のお陰で一躍有名ユーチューバーとなり、企業案件も次々舞い込み今日も楽しくゲーム攻略実況動画を作る生活を送っている・・・
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