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読むと人生観が変わる実話・セカンドオピニオンが大切
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セカンドオピニオンが大切 と言うとそんなのあたりまえの事と思われることでしょう。
でも私は身内に起きた一連の出来事でその重要性を痛感する事となりましたのでそれを記したいと思います。
緊急事態宣言が初めて出され街から人の姿は消えました。
趣味が多く年がら年中、外出していた私の母もさすがにこの時は出歩く事を控えていました。
ようやく宣言が解除され彼女は喜び勇んで外出したのですが、どうも体の調子がすぐれない。
しばらく歩くと足がしびれて歩けない、仕方なく少し座って休むとウソの様にしびれは無くなり歩けるようになるが、しばらく歩くとまたしびれて来る・・
このような症状に悩まされ整形外科に行ったところ診断は
椎間板ヘルニア という事でした、
神経が圧迫されしびれが起きるのだと説明されたそうです。
母はひと月に一度その病院に通い一年が経ちましたが良くなる兆しは見えませんでした。
それどころか日増しに悪くなり五分も歩くとしびれで歩けなくなり座って一分間休みまた五分歩き一分休む、を繰り返すようになっていました。
今、振り返ればこの時に何故、他の病院で診察を受ける事をしなかったのかと後悔しきりですが
医者に診せているから・・
もう歳だから仕方がない・・
と言い訳をしながら面倒な事から逃げていたように思います。
そう、セカンドオピニオンは面倒なのです。
こうしてぐずぐずと腰の重い私達でしたが思いがけずも幸運が訪れます。
ある日の事、私は食事をとりながらテレビを見ていました。
最初は何気なく見ていたのですが、やがて私は食べる事も忘れ画面にくぎ付けとなりました。
番組で放送していたのは『足梗塞』
脳梗塞が脳の血管がつまる病気なら足梗塞は足の血管がつまる病気だそうです。
なによりテレビで放送している症状はまさに母の症状と酷似していました。
私はすぐさま母に連絡し、母はちょうど二日後にいつもの整形外科の診察が予約されていたので担当医師と相談の上、足の血管の検査をしました。
結果、両足の血管がつまっている事がわかりました。
足のしびれはヘルニアではなく血管がつまり血流が悪くなることで起きていたのでした。
母は整形外科の紹介状をもらい急遽、大学病院に転院する事になりました。
ようやく原因がわかり、これで良くなる・・私も母もほっと胸を撫でおろしました。
ですが、残念な事に私たちの期待はむなしく裏切られるのです。
通常、足梗塞の治療にはカテーテルを血管に入れて行うのだそうですが母は高齢の為、血管がもろくなっている可能性がありカテーテルはやらない方が良いとの事でした。
母は治療できず結局、五分歩いては一分休むを繰り返す事になりました。
この時の彼女の落ち込みはひどいものでした。
治療できない事が分かりこれからもずっとこのままなのだ、という辛い現実を突き付けられ気持ちが塞いだのでしょう。
何もできないまま更に一年が過ぎ、この時点で発症から二年が過ぎました。
しかし事態は急転直下するのです。
大学病院の担当医師が転勤になり後任の医師が配属されて来ました。
後任の医師は母のカルテを見て言ったそうです。
「こりゃ大変だ、すぐに手術しなきゃ」
「手術というと何をするのですか?」
「カテーテルだよ」
「でも出来ないんじゃ・・」
「大丈夫だよ」
母はカテーテルをしました。
そして半年後には完治しました。
「足の痛みよりも常に座れそうな所を探してキョロキョロしているのがつらかった。つらい二年間だった」と当時を振り返り母は言います。
でも・・
もし、あの日テレビを見ていなかったら・・
もし大学病院の医師が転勤しなかったら・・
今でも母は街中でキョロキョロと座る所を探していたかもしれないのです。
でも私は身内に起きた一連の出来事でその重要性を痛感する事となりましたのでそれを記したいと思います。
緊急事態宣言が初めて出され街から人の姿は消えました。
趣味が多く年がら年中、外出していた私の母もさすがにこの時は出歩く事を控えていました。
ようやく宣言が解除され彼女は喜び勇んで外出したのですが、どうも体の調子がすぐれない。
しばらく歩くと足がしびれて歩けない、仕方なく少し座って休むとウソの様にしびれは無くなり歩けるようになるが、しばらく歩くとまたしびれて来る・・
このような症状に悩まされ整形外科に行ったところ診断は
椎間板ヘルニア という事でした、
神経が圧迫されしびれが起きるのだと説明されたそうです。
母はひと月に一度その病院に通い一年が経ちましたが良くなる兆しは見えませんでした。
それどころか日増しに悪くなり五分も歩くとしびれで歩けなくなり座って一分間休みまた五分歩き一分休む、を繰り返すようになっていました。
今、振り返ればこの時に何故、他の病院で診察を受ける事をしなかったのかと後悔しきりですが
医者に診せているから・・
もう歳だから仕方がない・・
と言い訳をしながら面倒な事から逃げていたように思います。
そう、セカンドオピニオンは面倒なのです。
こうしてぐずぐずと腰の重い私達でしたが思いがけずも幸運が訪れます。
ある日の事、私は食事をとりながらテレビを見ていました。
最初は何気なく見ていたのですが、やがて私は食べる事も忘れ画面にくぎ付けとなりました。
番組で放送していたのは『足梗塞』
脳梗塞が脳の血管がつまる病気なら足梗塞は足の血管がつまる病気だそうです。
なによりテレビで放送している症状はまさに母の症状と酷似していました。
私はすぐさま母に連絡し、母はちょうど二日後にいつもの整形外科の診察が予約されていたので担当医師と相談の上、足の血管の検査をしました。
結果、両足の血管がつまっている事がわかりました。
足のしびれはヘルニアではなく血管がつまり血流が悪くなることで起きていたのでした。
母は整形外科の紹介状をもらい急遽、大学病院に転院する事になりました。
ようやく原因がわかり、これで良くなる・・私も母もほっと胸を撫でおろしました。
ですが、残念な事に私たちの期待はむなしく裏切られるのです。
通常、足梗塞の治療にはカテーテルを血管に入れて行うのだそうですが母は高齢の為、血管がもろくなっている可能性がありカテーテルはやらない方が良いとの事でした。
母は治療できず結局、五分歩いては一分休むを繰り返す事になりました。
この時の彼女の落ち込みはひどいものでした。
治療できない事が分かりこれからもずっとこのままなのだ、という辛い現実を突き付けられ気持ちが塞いだのでしょう。
何もできないまま更に一年が過ぎ、この時点で発症から二年が過ぎました。
しかし事態は急転直下するのです。
大学病院の担当医師が転勤になり後任の医師が配属されて来ました。
後任の医師は母のカルテを見て言ったそうです。
「こりゃ大変だ、すぐに手術しなきゃ」
「手術というと何をするのですか?」
「カテーテルだよ」
「でも出来ないんじゃ・・」
「大丈夫だよ」
母はカテーテルをしました。
そして半年後には完治しました。
「足の痛みよりも常に座れそうな所を探してキョロキョロしているのがつらかった。つらい二年間だった」と当時を振り返り母は言います。
でも・・
もし、あの日テレビを見ていなかったら・・
もし大学病院の医師が転勤しなかったら・・
今でも母は街中でキョロキョロと座る所を探していたかもしれないのです。
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