10 / 59
9 姉からの手紙
しおりを挟む
マッケンロウ王国の王太子と外務大臣がストナム王国に来訪したのは、エリザイル王太子に懇願するためだった。
事もあろうに彼等は、フォスティーヌを側室として迎えてほしいと言いに来たのだ。
どうやら前々から手紙では何度か打診されていたようだが断り続けてもいたらしい。
断られているにも関わらず手紙では埒が明かないと直接頼みに来たのだという。
そこまで読んだマーシェは呆れと怒りで思わず手に力が入って、手紙に皺が拠ってしまった。
ラーシェに対して失礼極まりない。
おそらく王太子妃がマッケンロウ王国の辺境伯家の出自だから、ゴリ押しすればなんとかなるとでも思ったのかもしれない。
マッケンロウ王国はポリント辺境伯家を侮り過ぎである。
それにしてもあのフォスティーヌは、マーシェにはアルマンの第二夫人になると豪語していたけれど、それは王家の総意ではなかったようだ。
マッケンロウ王国のそのやりようはどう考えても厄介払いである。
それをマーシェの姉の嫁いだ国に押し付けようと言うのだから笑えない。
言うに事欠いて白い結婚だろうが、幽閉だろうが責は問わないとまで王太子が言ったのだとか。
「フォスティーヌ一体何者?」
自分の兄にまでそんな風に扱われる王女は一体何をやらかして、こんな扱いを受けるに至ったのか、つい興味を持ってしまう程で、思わずマーシェは手紙に語りかけるように呟いた。
そしてマッケンロウ王国の不穏分子の話を王太子と外務大臣がコソコソしていたのを姉の耳が捉えたそうで、その不穏分子の中心人物がコート伯爵という女伯爵なのだとか。マッケンロウ王国は既に2年前からコート伯爵家に“影”を送り込んでいる、マーシェもその女伯爵に気をつけなさいとマーシェを心配した姉が情報として手紙に認めてくれていた。
2年前、コート女伯爵、影、夫の変装、これらの情報でマーシェは夫が王家の影だと結論付けた。きっと間違いではないはずだ。
そして夫の夕食の誘いは王太子から姉への執り成しをマーシェに頼む事だと分かった。
何故ならストナム王国ではマッケンロウ王国の申し出に怒り狂って、国交断絶宣言とポリント辺境伯家からの宣戦布告を、マッケンロウ王国に王太子と外務大臣を人質にして書簡を送っていると姉の手紙には序のように書かれていたのだ。
ストナム王国の対応は当然だとマーシェは思うし、ストナム王国の人質が王太子という事でマーシェを人質にする事もマッケンロウ王国は出来ないだろう。
何故なら向こうの方の人質の方が上だからだ。
それにしても⋯この国の王家ってポンコツね
夕食の誘いを断って部屋のソファで本を読んでいたら、アルマンが初めてマーシェの部屋を訪ねてきた。
事もあろうに彼等は、フォスティーヌを側室として迎えてほしいと言いに来たのだ。
どうやら前々から手紙では何度か打診されていたようだが断り続けてもいたらしい。
断られているにも関わらず手紙では埒が明かないと直接頼みに来たのだという。
そこまで読んだマーシェは呆れと怒りで思わず手に力が入って、手紙に皺が拠ってしまった。
ラーシェに対して失礼極まりない。
おそらく王太子妃がマッケンロウ王国の辺境伯家の出自だから、ゴリ押しすればなんとかなるとでも思ったのかもしれない。
マッケンロウ王国はポリント辺境伯家を侮り過ぎである。
それにしてもあのフォスティーヌは、マーシェにはアルマンの第二夫人になると豪語していたけれど、それは王家の総意ではなかったようだ。
マッケンロウ王国のそのやりようはどう考えても厄介払いである。
それをマーシェの姉の嫁いだ国に押し付けようと言うのだから笑えない。
言うに事欠いて白い結婚だろうが、幽閉だろうが責は問わないとまで王太子が言ったのだとか。
「フォスティーヌ一体何者?」
自分の兄にまでそんな風に扱われる王女は一体何をやらかして、こんな扱いを受けるに至ったのか、つい興味を持ってしまう程で、思わずマーシェは手紙に語りかけるように呟いた。
そしてマッケンロウ王国の不穏分子の話を王太子と外務大臣がコソコソしていたのを姉の耳が捉えたそうで、その不穏分子の中心人物がコート伯爵という女伯爵なのだとか。マッケンロウ王国は既に2年前からコート伯爵家に“影”を送り込んでいる、マーシェもその女伯爵に気をつけなさいとマーシェを心配した姉が情報として手紙に認めてくれていた。
2年前、コート女伯爵、影、夫の変装、これらの情報でマーシェは夫が王家の影だと結論付けた。きっと間違いではないはずだ。
そして夫の夕食の誘いは王太子から姉への執り成しをマーシェに頼む事だと分かった。
何故ならストナム王国ではマッケンロウ王国の申し出に怒り狂って、国交断絶宣言とポリント辺境伯家からの宣戦布告を、マッケンロウ王国に王太子と外務大臣を人質にして書簡を送っていると姉の手紙には序のように書かれていたのだ。
ストナム王国の対応は当然だとマーシェは思うし、ストナム王国の人質が王太子という事でマーシェを人質にする事もマッケンロウ王国は出来ないだろう。
何故なら向こうの方の人質の方が上だからだ。
それにしても⋯この国の王家ってポンコツね
夕食の誘いを断って部屋のソファで本を読んでいたら、アルマンが初めてマーシェの部屋を訪ねてきた。
258
あなたにおすすめの小説
【完結】旦那は堂々と不倫行為をするようになったのですが離婚もさせてくれないので、王子とお父様を味方につけました
よどら文鳥
恋愛
ルーンブレイス国の国家予算に匹敵するほどの資産を持つハイマーネ家のソフィア令嬢は、サーヴィン=アウトロ男爵と恋愛結婚をした。
ソフィアは幸せな人生を送っていけると思っていたのだが、とある日サーヴィンの不倫行為が発覚した。それも一度や二度ではなかった。
ソフィアの気持ちは既に冷めていたため離婚を切り出すも、サーヴィンは立場を理由に認めようとしない。
更にサーヴィンは第二夫妻候補としてラランカという愛人を連れてくる。
再度離婚を申し立てようとするが、ソフィアの財閥と金だけを理由にして一向に離婚を認めようとしなかった。
ソフィアは家から飛び出しピンチになるが、救世主が現れる。
後に全ての成り行きを話し、ロミオ=ルーンブレイス第一王子を味方につけ、更にソフィアの父をも味方につけた。
ソフィアが想定していなかったほどの制裁が始まる。
【完結】旦那に愛人がいると知ってから
よどら文鳥
恋愛
私(ジュリアーナ)は旦那のことをヒーローだと思っている。だからこそどんなに性格が変わってしまっても、いつの日か優しかった旦那に戻ることを願って今もなお愛している。
だが、私の気持ちなどお構いなく、旦那からの容赦ない暴言は絶えない。当然だが、私のことを愛してはくれていないのだろう。
それでも好きでいられる思い出があったから耐えてきた。
だが、偶然にも旦那が他の女と腕を組んでいる姿を目撃してしまった。
「……あの女、誰……!?」
この事件がきっかけで、私の大事にしていた思い出までもが崩れていく。
だが、今までの苦しい日々から解放される試練でもあった。
※前半が暗すぎるので、明るくなってくるところまで一気に更新しました。
冷たい王妃の生活
柴田はつみ
恋愛
大国セイラン王国と公爵領ファルネーゼ家の同盟のため、21歳の令嬢リディアは冷徹と噂される若き国王アレクシスと政略結婚する。
三年間、王妃として宮廷に仕えるも、愛されている実感は一度もなかった。
王の傍らには、いつも美貌の女魔導師ミレーネの姿があり、宮廷中では「王の愛妾」と囁かれていた。
孤独と誤解に耐え切れなくなったリディアは、ついに離縁を願い出る。
「わかった」――王は一言だけ告げ、三年の婚姻生活はあっけなく幕を閉じた。
自由の身となったリディアは、旅先で騎士や魔導師と交流し、少しずつ自分の世界を広げていくが、心の奥底で忘れられないのは初恋の相手であるアレクシス。
やがて王都で再会した二人は、宮廷の陰謀と誤解に再び翻弄される。
嫉妬、すれ違い、噂――三年越しの愛は果たして誓いとなるのか。
彼女の離縁とその波紋
豆狸
恋愛
夫にとって魅力的なのは、今も昔も恋人のあの女性なのでしょう。こうして私が悩んでいる間もふたりは楽しく笑い合っているのかと思うと、胸にぽっかりと穴が開いたような気持ちになりました。
※子どもに関するセンシティブな内容があります。
報われない恋の行方〜いつかあなたは私だけを見てくれますか〜
矢野りと
恋愛
『少しだけ私に時間をくれないだろうか……』
彼はいつだって誠実な婚約者だった。
嘘はつかず私に自分の気持ちを打ち明け、学園にいる間だけ想い人のこともその目に映したいと告げた。
『想いを告げることはしない。ただ見ていたいんだ。どうか、許して欲しい』
『……分かりました、ロイド様』
私は彼に恋をしていた。だから、嫌われたくなくて……それを許した。
結婚後、彼は約束通りその瞳に私だけを映してくれ嬉しかった。彼は誠実な夫となり、私は幸せな妻になれた。
なのに、ある日――彼の瞳に映るのはまた二人になっていた……。
※この作品の設定は架空のものです。
※お話の内容があわないは時はそっと閉じてくださいませ。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
あなたの愛が正しいわ
来須みかん
恋愛
旧題:あなたの愛が正しいわ~夫が私の悪口を言っていたので理想の妻になってあげたのに、どうしてそんな顔をするの?~
夫と一緒に訪れた夜会で、夫が男友達に私の悪口を言っているのを聞いてしまった。そのことをきっかけに、私は夫の理想の妻になることを決める。それまで夫を心の底から愛して尽くしていたけど、それがうっとうしかったそうだ。夫に付きまとうのをやめた私は、生まれ変わったように清々しい気分になっていた。
一方、夫は妻の変化に戸惑い、誤解があったことに気がつき、自分の今までの酷い態度を謝ったが、妻は美しい笑みを浮かべてこういった。
「いいえ、間違っていたのは私のほう。あなたの愛が正しいわ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる