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27 マーシェ詰め寄る
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最近は思惑があったとしてもマーシェを気遣い、遅まきながら夫のように甲斐甲斐しくマーシェを思いやっていたアルマンだったが、今目の前にする夫にマーシェはその欠片も窺い見ることが出来ないでいた。
それほどに憮然とした態度のアルマンを見つめながら、鍍金が剥がれるのもあからさまだと思わず嘲笑った。
そうしてよくよく考えてみたらいつまでマーシェはこの王宮に軟禁まがいに囚われていなければならないのかと考える。
弱っていたマーシェには脱出をする気力も体力もなかったが、今はかなり体力は戻ってきている。それならばこんな所にはいる必要がないと感じた。
「旦那様」
「⋯⋯何だ」
「マーロウ公爵家に戻りましょう」
「⋯⋯分かった」
二度と戻る気もなかった公爵家に帰ると告げる屈辱的な言葉を、マーシェは何とか絞り出したのだが、そんなマーシェの気持ちを慮る事もなくアルマンはぞんざいに返事をした。
世話になった礼をルルチアに告げ、留める宰相を振り切って公爵家に帰路に就く馬車の中でも二人は終始無言だった。
公爵家に到着してエントランスで何やら執事のハーセムに指示を出すアルマンを尻目に、マーシェは自室へと戻ると後ろから付いてきていたモリアに手伝ってもらい簡素なワンピースに着替えた。
そのうちにハーセムが部屋へとやってきて、案内されて連れて行かれたのはあかずの間のアルマンの執務室であった。
とうとうマーシェはその部屋へと一歩を踏み出す。
入る前には少し緊張気味でもあったが、入ってみるとなんてことのない部屋だった。
そうしてかなりの嘘をつかれていたことをマーシェは知った。
部屋には簡易のベッドが置かれてはいたが、風呂もトイレもどこにもなかった。
では皆が言ったあの言葉の意味は、アルマンがここに閉じこもる事にマーシェが不審を抱かないためだったのだろうと思えた。
だが引きこもっている時点で怪しさ満点なので、結果的には単に不審を上乗せしただけだった。
促されるままソファに座り、ハーセムが置いたカップに手を伸ばす間もなく、アルマンがマーシェに問う。
「まさかリリアンに何か思惑があって近づいたのではないだろうな」
アルマンの言葉はマーシェにとっては侮辱の言葉だが、リリアンを心配しているのがよくわかった。それでマーシェは色々な思いを吹っ切ってアルマンに告げる。
「旦那様、私は色々と言いたいこともありますが、この際それは後回しに致します。取り敢えずあなたのご事情全てをさらけ出して下さいませ。それが誓約でもありましたよね」
アルマンからの問には答えずにマーシェはアルマンの心情に詰め寄った。
彼女は、手はアルマンの前に出され宛ら「さあさあ」と言っているようで、アルマンは自身がどこまでも追い詰められて行く気がしていた。
それほどに憮然とした態度のアルマンを見つめながら、鍍金が剥がれるのもあからさまだと思わず嘲笑った。
そうしてよくよく考えてみたらいつまでマーシェはこの王宮に軟禁まがいに囚われていなければならないのかと考える。
弱っていたマーシェには脱出をする気力も体力もなかったが、今はかなり体力は戻ってきている。それならばこんな所にはいる必要がないと感じた。
「旦那様」
「⋯⋯何だ」
「マーロウ公爵家に戻りましょう」
「⋯⋯分かった」
二度と戻る気もなかった公爵家に帰ると告げる屈辱的な言葉を、マーシェは何とか絞り出したのだが、そんなマーシェの気持ちを慮る事もなくアルマンはぞんざいに返事をした。
世話になった礼をルルチアに告げ、留める宰相を振り切って公爵家に帰路に就く馬車の中でも二人は終始無言だった。
公爵家に到着してエントランスで何やら執事のハーセムに指示を出すアルマンを尻目に、マーシェは自室へと戻ると後ろから付いてきていたモリアに手伝ってもらい簡素なワンピースに着替えた。
そのうちにハーセムが部屋へとやってきて、案内されて連れて行かれたのはあかずの間のアルマンの執務室であった。
とうとうマーシェはその部屋へと一歩を踏み出す。
入る前には少し緊張気味でもあったが、入ってみるとなんてことのない部屋だった。
そうしてかなりの嘘をつかれていたことをマーシェは知った。
部屋には簡易のベッドが置かれてはいたが、風呂もトイレもどこにもなかった。
では皆が言ったあの言葉の意味は、アルマンがここに閉じこもる事にマーシェが不審を抱かないためだったのだろうと思えた。
だが引きこもっている時点で怪しさ満点なので、結果的には単に不審を上乗せしただけだった。
促されるままソファに座り、ハーセムが置いたカップに手を伸ばす間もなく、アルマンがマーシェに問う。
「まさかリリアンに何か思惑があって近づいたのではないだろうな」
アルマンの言葉はマーシェにとっては侮辱の言葉だが、リリアンを心配しているのがよくわかった。それでマーシェは色々な思いを吹っ切ってアルマンに告げる。
「旦那様、私は色々と言いたいこともありますが、この際それは後回しに致します。取り敢えずあなたのご事情全てをさらけ出して下さいませ。それが誓約でもありましたよね」
アルマンからの問には答えずにマーシェはアルマンの心情に詰め寄った。
彼女は、手はアルマンの前に出され宛ら「さあさあ」と言っているようで、アルマンは自身がどこまでも追い詰められて行く気がしていた。
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