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52 マーシェ操縦する
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フォスティーヌは悔しかった。
たかが辺境伯の娘のくせに、王女に意見する目の前の女がムカついた。でもその女に畏怖を感じることが悔しかった。
そして王女のくせに何一つ反論できない、自分が情けなかった。
「貴方と貴方のもうすぐ夫になる予定の男の罪はね。ちゃんとケリをつけていないことなのよ」
「⋯⋯⋯ケリ?って何?」
「ケリ、始末、んー後始末。貴方達やらかしただけじゃない?そしてそれは間違ったことなのよ。じゃあどうするの?間違ってたら正さないといけない。王女様もそう言ったじゃない?で、貴方方の間違いの正し方は?」
「えっえっ何?私間違ってないわ」
「リリアン様の件は濡れ衣でしょう?」
「ウッ!」
明らかにバレている自身の所業。あの時は頭に血が登ってしまっていた。
マッケンロウ王国の王族と貴族の婚約、婚姻の法律については殆ど変わらない。だが唯一変わるのが離婚してから婚姻出来るまでの期間だった。
通常貴族の場合は、死別後や離婚後一ヶ月以上の婚約期間があれば、直ぐに婚姻できる。
だが王族は、離婚後婚約期間を1年設けなければならない。それをフォスティーヌは、帰国するまで知らなかった。
マッケンロウでの友人(男)が、離婚後1ヶ月して婚姻したから、自分もそうできると思っていた。
大公子との結婚は最悪だった。
マッケンロウからの厄介払いの王女が嫁いできたと、端から侮られた。周りは気のせいだと言ったけれど絶対にそうではない。
侍女に命じて避妊薬を用意した、序に媚薬や神経に作用する薬、何が効くかはわからないから、とことん色々飲ませたし、自分でも飲んだ。
フォスティーヌは子ができないという理由で、離婚するつもりではなかった。子ができないから側室を持つと言わせて、それを理由に離婚するつもりだったのに、薬を服用させていたのがバレて罪に問われた。
正直、国に、アルマンの元に帰れるなら何でも良かった。
そんな思いで帰ってきたのに、彼は政略妻と子まで成して幸せそうに(リリアンが)しているのが許せなかった。
何も考えずやってしまった後、思惑通りに離婚したのに、自分との再婚は1年後にしか出来ない事を王太子に知らされた。
そうこうしているうちに何故かアルマンは再婚してしまったのだ。
フォスティーヌは自分のした事が全て無駄だった事に絶望した。
しかも王命ときたから、自分の父親を呪い殺したいほどに腹が立った。父親の言い訳はよくわからなかったけれど、マーロウ公爵家の仕事に関する事だというのはわかった。
ならば第二夫人として公爵家に入り、マーシェをどこかの部屋に押し込めばいいと考えた。
それでも2年は待たなければならない。
フォスティーヌは勘違いしているが、法律によれば3年である。
2年経過で子ができない場合、それから第二夫人の申請ができる。それから婚約期間を1年設けるから早くても3年だ。
色々と交錯している法律書を、読み込む気がないフォスティーヌは、侍女に法律書を読み込ませていた。
そして、王妃の指示で肝心な所を暈して教えられていたのだ。それに未だに気付いていないし、今後も気付くことはないだろう。
「貴方が着せた濡れ衣は、曖昧なままなのです。リリアン様は勿論否定しておられますが、マーロウ公爵家が黙ってしまっては、ずっと疑われたままなのですよ。それはお子様方にも及びます。何時までもお母上の疑いが晴れなければ托卵を疑われてしまいますものね」
「それはアルマンが考えることでしょう?」
「えぇですからマーロウ公爵は、復縁を申し込まれましたわ」
「えっ?!」
「お分かりですか?今王女様が浮かれていられるのは、リリアン様が復縁を断ったからですよ」
「どうして断ったのよ」
「あらっ復縁してよかったのですか?」
「いいわけないでしょっ!」
マーシェは段々自分が王女と話しているのか、そこら辺の令嬢と話しているのか区別が付かなくなってきた。
それほどに目の前の王女は、マーシェに対して感情を隠すことをしない。常からそうなら全く以て、彼女は王族には向いてないと言わざるを得ない。
「まぁリリアン様が断ったのは、浅慮な当主を持つ公爵家を既に見限ったからに他なりませんけど。ですが!それはそれこれはこれです。変な醜聞はここらで終わりにしなければなりません。それは次期公爵夫人になられるフォスティーヌ様のお仕事では御座いませんか?」
「えっ?次期公爵夫人?」
ポポッとわかりやすく頬を染め、その頬に両手を添えるフォスティーヌ。十代のご令嬢達のように照れているのか「えっ!そんなぁ」などと呟いている様は、まんざらでもないのが丸わかりだった。
(来い来い来い!乗って来い!)
下げてから上げる
姉から教わった子供の躾の操縦方法。
ここに来て役に立ちそうだと、もうすぐ掛かるフォスティーヌを今か今かと、心の中で待ちわびるマーシェだった。
たかが辺境伯の娘のくせに、王女に意見する目の前の女がムカついた。でもその女に畏怖を感じることが悔しかった。
そして王女のくせに何一つ反論できない、自分が情けなかった。
「貴方と貴方のもうすぐ夫になる予定の男の罪はね。ちゃんとケリをつけていないことなのよ」
「⋯⋯⋯ケリ?って何?」
「ケリ、始末、んー後始末。貴方達やらかしただけじゃない?そしてそれは間違ったことなのよ。じゃあどうするの?間違ってたら正さないといけない。王女様もそう言ったじゃない?で、貴方方の間違いの正し方は?」
「えっえっ何?私間違ってないわ」
「リリアン様の件は濡れ衣でしょう?」
「ウッ!」
明らかにバレている自身の所業。あの時は頭に血が登ってしまっていた。
マッケンロウ王国の王族と貴族の婚約、婚姻の法律については殆ど変わらない。だが唯一変わるのが離婚してから婚姻出来るまでの期間だった。
通常貴族の場合は、死別後や離婚後一ヶ月以上の婚約期間があれば、直ぐに婚姻できる。
だが王族は、離婚後婚約期間を1年設けなければならない。それをフォスティーヌは、帰国するまで知らなかった。
マッケンロウでの友人(男)が、離婚後1ヶ月して婚姻したから、自分もそうできると思っていた。
大公子との結婚は最悪だった。
マッケンロウからの厄介払いの王女が嫁いできたと、端から侮られた。周りは気のせいだと言ったけれど絶対にそうではない。
侍女に命じて避妊薬を用意した、序に媚薬や神経に作用する薬、何が効くかはわからないから、とことん色々飲ませたし、自分でも飲んだ。
フォスティーヌは子ができないという理由で、離婚するつもりではなかった。子ができないから側室を持つと言わせて、それを理由に離婚するつもりだったのに、薬を服用させていたのがバレて罪に問われた。
正直、国に、アルマンの元に帰れるなら何でも良かった。
そんな思いで帰ってきたのに、彼は政略妻と子まで成して幸せそうに(リリアンが)しているのが許せなかった。
何も考えずやってしまった後、思惑通りに離婚したのに、自分との再婚は1年後にしか出来ない事を王太子に知らされた。
そうこうしているうちに何故かアルマンは再婚してしまったのだ。
フォスティーヌは自分のした事が全て無駄だった事に絶望した。
しかも王命ときたから、自分の父親を呪い殺したいほどに腹が立った。父親の言い訳はよくわからなかったけれど、マーロウ公爵家の仕事に関する事だというのはわかった。
ならば第二夫人として公爵家に入り、マーシェをどこかの部屋に押し込めばいいと考えた。
それでも2年は待たなければならない。
フォスティーヌは勘違いしているが、法律によれば3年である。
2年経過で子ができない場合、それから第二夫人の申請ができる。それから婚約期間を1年設けるから早くても3年だ。
色々と交錯している法律書を、読み込む気がないフォスティーヌは、侍女に法律書を読み込ませていた。
そして、王妃の指示で肝心な所を暈して教えられていたのだ。それに未だに気付いていないし、今後も気付くことはないだろう。
「貴方が着せた濡れ衣は、曖昧なままなのです。リリアン様は勿論否定しておられますが、マーロウ公爵家が黙ってしまっては、ずっと疑われたままなのですよ。それはお子様方にも及びます。何時までもお母上の疑いが晴れなければ托卵を疑われてしまいますものね」
「それはアルマンが考えることでしょう?」
「えぇですからマーロウ公爵は、復縁を申し込まれましたわ」
「えっ?!」
「お分かりですか?今王女様が浮かれていられるのは、リリアン様が復縁を断ったからですよ」
「どうして断ったのよ」
「あらっ復縁してよかったのですか?」
「いいわけないでしょっ!」
マーシェは段々自分が王女と話しているのか、そこら辺の令嬢と話しているのか区別が付かなくなってきた。
それほどに目の前の王女は、マーシェに対して感情を隠すことをしない。常からそうなら全く以て、彼女は王族には向いてないと言わざるを得ない。
「まぁリリアン様が断ったのは、浅慮な当主を持つ公爵家を既に見限ったからに他なりませんけど。ですが!それはそれこれはこれです。変な醜聞はここらで終わりにしなければなりません。それは次期公爵夫人になられるフォスティーヌ様のお仕事では御座いませんか?」
「えっ?次期公爵夫人?」
ポポッとわかりやすく頬を染め、その頬に両手を添えるフォスティーヌ。十代のご令嬢達のように照れているのか「えっ!そんなぁ」などと呟いている様は、まんざらでもないのが丸わかりだった。
(来い来い来い!乗って来い!)
下げてから上げる
姉から教わった子供の躾の操縦方法。
ここに来て役に立ちそうだと、もうすぐ掛かるフォスティーヌを今か今かと、心の中で待ちわびるマーシェだった。
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