悲劇の令嬢の逆襲〜旦那様契約結婚の延長は致しません〜

maruko

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交渉成立

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ギルド長が邸を訪れたのは依頼した日から5日後だった。

護衛と料理人は各2名、侍女は一人連れてきてくれた。
セルトの目を信じた私は早速5人を雇うことにした。
契約書を交わしている間にマリリンさんは私が作ったポーションを机に並べている。
あれからマリリンさんはここに住んでくれている。
ポーションに必要な材料や道具も準備してくれたのはマリリンさんだった。
おかげで退屈することなく過ごせた。

「これは⋯上手い!」

セルトは私のポーションを一口飲んで味や品質を確かめていた。

「奥様この量はどれくらいで作れますか?」

ポーションを入れてる容器はマリリンさんが毎朝届けてもらってるミルクの瓶を洗って使用した。
一瓶で20人分位あるのを5つ作った。
そう一日で一瓶作れるのだ、それを伝えるとセルトは満面の笑みで契約してほしいと告げてきた。

そして一瓶でこの位では?と提示された金額を見て吃驚する。
ポーションってこんなに高いの?
これを続けられるのなら最低夫と離婚しても充分暮らしの維持が可能だ。

私は速攻で契約した、小分けにするのはギルドでやってくれるそうなので手間も軽減できる。

私の様子にマリリンさんも嬉しそうにニコニコしていた。

マリリンさんは魔導具をセルトに渡してお金を受け取っていた。
彼女は現金主義らしい。

マリリンさんが作っていたのは止めるまでエンドレスで音楽が流れ続ける魔導具だった。
ダンスの講師に依頼された物らしくて、それの作成の為に毎晩徹夜で取り組んで寝不足と悪夢に合っていたそうだ。
悪夢とは、寝ていてもずっとダンス音楽が頭の中で流れて、ダンスが苦手だったマリリンさんを苦しめていたらしい。

出来上がった時に試させて貰ったけれど素晴らしい出来だった。
これがあれば楽団は必要ないのでは?と思ってしまうくらい素晴らしかった。

「奥様、こちらをどうぞ」

セルトが私へブローチをくれた。
それはギルドで作った口座の鍵になる魔法石が填められたブローチだ。
前回行ったときに依頼料を振り込むために作っていたのだ。
今回の使用人の紹介料とポーション5つ分と相殺して、残りをこれだけ入れておきますと金額を紙に書いて見せられた。
紹介料が少なく感じた私が訊ねると相場だそうで、それでも貴族の依頼だから通常よりも多いそうだ。

姓を明かさなくても貴族というのはバレバレだった。
まぁロットが言っていたのだからバレてても別にいい。
ただ名乗らなかったのは離婚後もここで住みたいと思ったからだ。
忌々しいリンデンの姓ではなくスチュートを名乗りたかったから、3年後に変更するのも面倒くさくて敢えて姓は言わなかった。

全ての交渉成立で大満足でセルトは帰って行ったけど私も大満足だ。

私のこの先の道筋が出来た。
あとは3年後にサッサと離婚すれば私は自由だわ。

早く3年経たないかなぁ

この時の未来予想図が覆されるなんて夢にも思わなかったわ。




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