悲劇の令嬢の逆襲〜旦那様契約結婚の延長は致しません〜

maruko

文字の大きさ
8 / 54

交渉成立

ギルド長が邸を訪れたのは依頼した日から5日後だった。

護衛と料理人は各2名、侍女は一人連れてきてくれた。
セルトの目を信じた私は早速5人を雇うことにした。
契約書を交わしている間にマリリンさんは私が作ったポーションを机に並べている。
あれからマリリンさんはここに住んでくれている。
ポーションに必要な材料や道具も準備してくれたのはマリリンさんだった。
おかげで退屈することなく過ごせた。

「これは⋯上手い!」

セルトは私のポーションを一口飲んで味や品質を確かめていた。

「奥様この量はどれくらいで作れますか?」

ポーションを入れてる容器はマリリンさんが毎朝届けてもらってるミルクの瓶を洗って使用した。
一瓶で20人分位あるのを5つ作った。
そう一日で一瓶作れるのだ、それを伝えるとセルトは満面の笑みで契約してほしいと告げてきた。

そして一瓶でこの位では?と提示された金額を見て吃驚する。
ポーションってこんなに高いの?
これを続けられるのなら最低夫と離婚しても充分暮らしの維持が可能だ。

私は速攻で契約した、小分けにするのはギルドでやってくれるそうなので手間も軽減できる。

私の様子にマリリンさんも嬉しそうにニコニコしていた。

マリリンさんは魔導具をセルトに渡してお金を受け取っていた。
彼女は現金主義らしい。

マリリンさんが作っていたのは止めるまでエンドレスで音楽が流れ続ける魔導具だった。
ダンスの講師に依頼された物らしくて、それの作成の為に毎晩徹夜で取り組んで寝不足と悪夢に合っていたそうだ。
悪夢とは、寝ていてもずっとダンス音楽が頭の中で流れて、ダンスが苦手だったマリリンさんを苦しめていたらしい。

出来上がった時に試させて貰ったけれど素晴らしい出来だった。
これがあれば楽団は必要ないのでは?と思ってしまうくらい素晴らしかった。

「奥様、こちらをどうぞ」

セルトが私へブローチをくれた。
それはギルドで作った口座の鍵になる魔法石が填められたブローチだ。
前回行ったときに依頼料を振り込むために作っていたのだ。
今回の使用人の紹介料とポーション5つ分と相殺して、残りをこれだけ入れておきますと金額を紙に書いて見せられた。
紹介料が少なく感じた私が訊ねると相場だそうで、それでも貴族の依頼だから通常よりも多いそうだ。

姓を明かさなくても貴族というのはバレバレだった。
まぁロットが言っていたのだからバレてても別にいい。
ただ名乗らなかったのは離婚後もここで住みたいと思ったからだ。
忌々しいリンデンの姓ではなくスチュートを名乗りたかったから、3年後に変更するのも面倒くさくて敢えて姓は言わなかった。

全ての交渉成立で大満足でセルトは帰って行ったけど私も大満足だ。

私のこの先の道筋が出来た。
あとは3年後にサッサと離婚すれば私は自由だわ。

早く3年経たないかなぁ

この時の未来予想図が覆されるなんて夢にも思わなかったわ。




感想 10

あなたにおすすめの小説

婚姻契約には愛情は含まれていません。 旦那様には愛人がいるのですから十分でしょう?

すもも
恋愛
伯爵令嬢エーファの最も嫌いなものは善人……そう思っていた。 人を救う事に生き甲斐を感じていた両親が、陥った罠によって借金まみれとなった我が家。 これでは領民が冬を越せない!! 善良で善人で、人に尽くすのが好きな両親は何の迷いもなくこう言った。 『エーファ、君の結婚が決まったんだよ!! 君が嫁ぐなら、お金をくれるそうだ!! 領民のために尽くすのは領主として当然の事。 多くの命が救えるなんて最高の幸福だろう。 それに公爵家に嫁げばお前も幸福になるに違いない。 これは全員が幸福になれる機会なんだ、当然嫁いでくれるよな?』 と……。 そして、夫となる男の屋敷にいたのは……三人の愛人だった。

三度裏切られた私が、四度目で「離婚」を選ぶまで

狛犬
恋愛
三度、夫に裏切られた。 一度目は信じた。 二度目は耐えた。 三度目は――すべてを失った。 そして私は、屋上から身を投げた。 ……はずだった。 目を覚ますと、そこは過去。 すべてが壊れる前の、まだ何も起きていない時間。 ――四度目の人生。 これまでの三度、私は同じ選択を繰り返し、 同じように裏切られ、すべてを失ってきた。 だから今度は、もう決めている。 「もう、陸翔はいらない」 愛していた。 けれど、もう疲れた。 今度こそ―― 自分を守るために、家族を守るために、 私は、自分から手を放す。 これは、三度裏切られた女が、 四度目の人生で「選び直す」物語。

私を裏切った不倫夫に「どなたですか?」と微笑むまで 〜没落令嬢の復讐劇〜

恋せよ恋
恋愛
「早くあんな女と別れて、可愛い子と一緒になりたいよ」 不倫中の夫が笑う声を聞き、絶望の中で事故に遭うジェシカ。 結婚五年目に授かったお腹の子を失った彼女は、 「記憶を失ったフリ」で夫と地獄の婚家を捨てることを決意。 元男爵令嬢の薄幸ヒロインは、修道院で静かに時を過ごす。 独り身領主の三歳の男の子に懐かれ、なぜか領主まで登場! 無実の罪をなすりつけ、私を使い潰した報いを受けなさい。 記憶喪失を装った没落令嬢による、「ざまぁ」が幕を開ける! ※本作品には、馬車事故による流産の描写が含まれます。  苦手な方はご注意ください。主人公が絶対に幸せになる  物語ですので、安心してお読みいただければ幸いです。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

結婚5年目のお飾り妻は、空のかなたに消えることにした

三崎こはく
恋愛
ラフィーナはカールトン家のお飾り妻だ。 書類上の夫であるジャンからは大量の仕事を押しつけられ、ジャンの愛人であるリリアからは見下され、つらい毎日を送っていた。 ある日、ラフィーナは森の中で傷ついたドラゴンの子どもを拾った。 屋敷に連れ帰って介抱すると、驚いたことにドラゴンは人の言葉をしゃべった。『俺の名前はギドだ!』 ギドとの出会いにより、ラフィーナの生活は少しずつ変わっていく―― ※他サイトにも掲載 ※女性向けHOT1位感謝!7/25完結しました!

旦那様から彼女が身籠る間の妻でいて欲しいと言われたのでそうします。

クロユキ
恋愛
「君には悪いけど、彼女が身籠る間の妻でいて欲しい」 平民育ちのセリーヌは母親と二人で住んでいた。 セリーヌは、毎日花売りをしていた…そんなセリーヌの前に毎日花を買う一人の貴族の男性がセリーヌに求婚した。 結婚後の初夜には夫は部屋には来なかった…屋敷内に夫はいるがセリーヌは会えないまま数日が経っていた。 夫から呼び出されたセリーヌは式を上げて久しぶりに夫の顔を見たが隣には知らない女性が一緒にいた。 セリーヌは、この時初めて夫から聞かされた。 夫には愛人がいた。 愛人が身籠ればセリーヌは離婚を言い渡される… 誤字脱字があります。更新が不定期ですが読んで貰えましたら嬉しいです。 よろしくお願いします。

『白い結婚』が好条件だったから即断即決するしかないよね!

三谷朱花*Q−73@文フリ東京5/4
恋愛
私、エヴァはずっともう親がいないものだと思っていた。亡くなった母方の祖父母に育てられていたからだ。だけど、年頃になった私を迎えに来たのは、ピョルリング伯爵だった。どうやら私はピョルリング伯爵の庶子らしい。そしてどうやら、政治の道具になるために、王都に連れていかれるらしい。そして、連れていかれた先には、年若いタッペル公爵がいた。どうやら、タッペル公爵は結婚したい理由があるらしい。タッペル公爵の出した条件に、私はすぐに飛びついた。だって、とてもいい条件だったから!

辺境伯へ嫁ぎます。

アズやっこ
恋愛
私の父、国王陛下から、辺境伯へ嫁げと言われました。 隣国の王子の次は辺境伯ですか… 分かりました。 私は第二王女。所詮国の為の駒でしかないのです。 例え父であっても国王陛下には逆らえません。 辺境伯様… 若くして家督を継がれ、辺境の地を護っています。 本来ならば第一王女のお姉様が嫁ぐはずでした。 辺境伯様も10歳も年下の私を妻として娶らなければいけないなんて可哀想です。 辺境伯様、大丈夫です。私はご迷惑はおかけしません。 それでも、もし、私でも良いのなら…こんな小娘でも良いのなら…貴方を愛しても良いですか?貴方も私を愛してくれますか? そんな望みを抱いてしまいます。  ❈ 作者独自の世界観です。  ❈ 設定はゆるいです。  (言葉使いなど、優しい目で読んで頂けると幸いです)  ❈ 誤字脱字等教えて頂けると幸いです。  (出来れば望ましいと思う字、文章を教えて頂けると嬉しいです)

必要とされなくても、私はここにいます

あう
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスのもとへ嫁ぐことになったフィレ・バーナード。 けれど彼女は、理想の妻になろうとも、誰かの上に立とうともしなかった。 口出ししない。 判断を奪わない。 必要以上に関わらない。 ただ静かに、そこにいるだけ。 そんな彼女の在り方は、少しずつ屋敷の空気を変えていく。 張りつめていた人々の距離はやわらぎ、日々の営みは穏やかに整いはじめる。 何かを勝ち取る物語ではない。 誰かを打ち負かす物語でもない。 それでも確かに、彼女がいることで守られていくものがある。 これは、 声高に愛を叫ばなくても伝わる想いと、 何も奪わないからこそ育っていく信頼を描く、 静かでやさしい結婚生活の物語。