悲劇の令嬢の逆襲〜旦那様契約結婚の延長は致しません〜

maruko

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お気の毒様

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「何で半年も待たなきゃいけないのさ」

私は食事は毎日使用人のみんなと一緒に食べている(だって寂しいじゃない?)
ロットが昼間来ていたのを邸中の者が知ってるので、夕食を食べながら皆に内容を話したらマリリンさんが唐突に言い出した。

「だって白い結婚は3年経たないと認めて貰えないんです」

「今でも充分に認めてもらえるし、ご両親に話すなら、この状況だけで離婚は成立するでしょう」

私は目からウロコがポロポロポロポロ落ちました。
そうよね、この状況とても夫婦とは言い難い。
両親に内緒にしてたから大人しく待っていたけど3年待つ必要なんかないじゃない。

契約違反をしようとしているのはアチラなのだからこの契約事態が不履行よ。

「マリリンさんありがとう!私思いつかなかったわ、さっそく両親に連絡取りましょう」

「あぁそれはちょっと待って」

「何故?」

「ギルド長に相談してからにしなよ、別に慌ててする必要もないだろう?いい方法を考えてくれるよ。どうせ話してあるんだろうし」

セルトに相談してから?
マリリンさんの言葉にちょっと引っかかったけどそれはそうよね。
この2年半何でも相談に乗ってもらってたし支えてもらってた。

それに⋯私は離婚したらこの街に残りたい。

それを両親にも解ってもらわないといけないんだわ。私が言っても反対されるかもしれないし。

そうだやっぱりセルトと色々考えよう!

私は思い直して食事の続きを始めた。
考えたら食事の途中で立つなんてお行儀悪かったわ。
恥ずかしいわね。そう思ったら顔がポポポと赤く染まった。

その様子を見て頬が赤くなった理由を皆が違う風に捉えていたとは私は気付いていなかった。




その日侍女のメリッサと護衛のライトを伴って街に買い物に行った序にギルドに寄ってみたけど、セルトは所要で留守にしてた、残念。
セルトは常にギルドにいるわけじゃないのでこういう事はよくある。

しょうがないなぁと思いつつ寂しさも感じていた。

「ミランダ様、元気出してください!今日のお茶菓子はカステラという物を作るそうですよ楽しみですね」

メリッサが慰め序に美味しい情報をくれる。
家の料理長は(長と付くけど一人しかいない)東方の出身で珍しいものをよく作ってくれる。
小豆を使った料理は絶品だ、そのおかげで珍しい小豆の栽培がこの地で作られるようになって、領主であるコルベール伯爵に感謝されていた。

侍女のメリッサは子爵家出身で私と同じ年、彼女は家族に15歳の年で売られるように嫁がされて、子が出来ずに石女と言われて離縁されたそうだ。
帰った実家で門前払いされて途方に暮れてるところをセルトに助けられ、ギルドで働く事になってた時に私の侍女の話しを聞いたらしい。
侍女などした事はなかったらしいが自分と同じ境遇と聞き他人事とは思えずセルトに頼んで私の元へ来たそうだが、真実は違っていたけれど私の境遇に甚く同情を寄せてくれた。
私もメリッサには何か皆とは違うものを感じる。
料理長曰く『同類相憐れむ』という東方の言葉にピッタリな関係なんだとか。
そのメリッサは、今護衛をしているライトといい感じになっていて、次こそは幸せになってもらいたいと私は願っている。

3人でギルドを出たところで嫌な奴に会った。

「おや?ミランダ様、仕事でも探しているんですか?やはり懐事情が芳しくないのでしょう?意地を張らずにこちらの提案を受けてください」

ロットはあくまでも私がお金で動く女だと思っているらしい。
本当に腹立つ男だ。

「ねぇどうして私がお金に困ってると思っているのかしら?」

「それは口座が「移動したの」空に⋯⋯えっ?」

「それくらいの知恵は働くわ、お金を扱ったことがなくても」

やはりロットは私を口座で監視しようとしていたみたい。
マリリンさんの言う通りでした。

当初、ポーションで思いがけず仕事をする事になった私は口座に手を付けてなかったの。
だってセルトの報酬で充分に暮らして行けたから、なんなら余るくらいだった。

その時にマリリンさんが口座は移動したほうがいいと助言されたの。

おそらくお金の動きで私を監視しているだろうと言われたわ。
銀行も口座を作った貴族が頼めば直ぐに知らせるそうだから。
毎月どれくらい使ったかとか貴族ならツケ払いが必須だろうし請求書が直接銀行に行くことも珍しくない。
だから全然使わなければ怪しんで人を送られるかもしれないと言われたの。
私が両親に話すのを恐れているだろうからって。

口座使わないイコール親に泣きつく。
そんな風に思われるのも心外だけど貴族令嬢が一番に考える事だと思われても不思議じゃないから、マリリンさんの助言で移動したの。
月々移動させる方が良かったのかもしれないけれどチマチマするのは性に合わないし、一気に下ろす方が貴族令嬢らしいんじゃないか、とセルトにも言われたから言う通りにした。
マリリンさんも一気の方が向こうも勝手に想像してくれるからそのほうがいいと言ってたしね。

目の前の男はとことん私を馬鹿にしているから、やはり銀行に手を回していたんだと思ったわ。

「ロット私が口座も作れないお馬鹿さんだと思っているのかしら?貴方のお気に入りのエミリーナさんの方がよっぽど世間知らずだと思うけど?」

「エミリーナ様を軽んじるな!!」

「軽いでしょう、主人に体を開いたんだから無理やりじゃなくてで。それと貴方私に初夜って言ってたけれどあの二人その日が初夜じゃないわよ」

「へっ?」

やはり彼は知らなかったようですね。
ご丁寧に私の事情を知ってセルトが調べてくれたけど、サミュエルとエミリーナは公爵家の納屋でお戯れされてたようで、間抜けなロット以外には使用人の中では周知の事実だったようなの。
それにしても他国の公爵家の秘密を探れるセルトって凄いわ。

どれだけエミリーナに心酔してたか知らないけれど呆然と立ち尽くしているロットを放置して私達はサッサとその場を立ち去った。

お気の毒様ですわねっ!フフフ






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