悲劇の令嬢の逆襲〜旦那様契約結婚の延長は致しません〜

maruko

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認めない!

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「なぁなぁさっき街で唯一の宿にサンダーが入ったぞ」

私のポーション受取とマリリンさんの魔導具の進捗具合を確認するために訪ったセルトの開口一番がこれだった。
ロット帰らなかったのね、おそらく通信魔導具でサミュエルにお伺いでも立てるんだろうと推察しながら、目の前の菓子を頬張る男を睨む。

「そんな怖い顔しないでよミランダ」

「セルト早耳なのは認めるけどそんな情報はいらなかったわ」

「どうした!文句でも言われたのか?」

「⋯⋯⋯」

私はさっきのロットとの攻防を思い出した。
自然と口がへの字になってたみたいでセルトに突っ込まれた。

「公爵家の奥様がそんな顔するなよ」

「名ばかりの飾りにもなってない奥様ですけどね」

「真面目に。なんかあったのか?相談に乗るぞ」

「優秀な弁護士って知り合いにいるかしら?」

「なんでだよ、もう少しで離婚だろ?合意でもなんか揉めるのか?」

「合意じゃなくなったのよ、延長しろと言われたの」

「⋯⋯⋯」

言葉を無くしたセルトに私は先程のロットとの会話を話した。

「離婚は出来るのよ白い結婚だから、あと半年あれば確実にね。でも向こうが黙っているかしら?そう思ったら何か対策立てた方がいいかもと思ったの」

「なるほどね、流石に無駄な2年の延長は無いな、3年ですら勿体無いのに⋯⋯それにもう待ちたくないし」

「えっ何?急に小声にならないで」

弁護士の事で頭を使ってた私はセルトの最後の方の言葉が聞こえずに聞き返した。
セルトは何でもないって言ったけど気になる。

「それよりさ弁護士だけでいいのか?ミランダそろそろ家族にも真相話してしまえよ」

「⋯⋯そうね、3年経ったら言うつもりだったけど無駄に心配かけたくなかったし、でもこちらに住むなら早目に話したほうがいいかもしれないわ。手紙も書けなかったんだもの」

「それなんだけどさ今のご時世通信魔導具もあるのに3年も娘の音沙汰なしって既に絶対に心配かけてるよ」

「そう⋯かな?」

結婚式直後に両親に宛てて手紙を書けとロットに言われて渋々手紙を書かされた。

内容は、ずっと船の上だから今後の連絡は取れないけど心配しないように⋯⋯だって。

それを最初に到着した国から出すから安心しろと言われたけれど、何に安心すればいいと言うのかと言う言葉は飲み込んだ。

この結婚を承諾した時点で私も両親を謀ったのだから。

自業自得ではある。

と、その時は思ったけどこれが呪いのせいならばほぼほぼ私は被害者だ。

兄にはきつーくお灸でも据えたいけれど、どう考えても兄が女性に酷いことをしたとは思えない。
おそらくは勝手に惚れられて勝手に呪われたんじゃないかと思ってる。

真相は未だ明らかになっていないけど(調べてないからね)いつかは呪いが解けると信じよう!
そう思わなきゃやってられない!!!!

私が密かな決意を新たにしているところにセルトが何か言ってたみたい。
全然聞いていなかった。

「ミランダまた明後日の方に意識が飛んでただろう?最初は箱入りも箱入り生粋の貴族令嬢だったのに、今では立派な平民だな」

「まぁセルト!そんな事なくってよホホホホ」

「態とらしい」

そういうセルトも絶対貴族だと私は睨んでる。
最初は元貴族かもと思ってたけど、コルベール伯爵とも仲がいいし、二人の掛け合いはどう考えても友人のそれだ。

でもセルトが隠しているのにはきっと理由があるんだろうと、いつかはきっと話してくれると信じて待ってる。

だって私は⋯⋯。

いやまだ私は離婚してない!
こんな事思ったらダメダメだわ。

全ては身綺麗になってからよ。
この思いは悟られないようにとここまで頑張ってきたんだから。
あと半年。
何がなんでもあと半年で離婚しなければ⋯⋯。


延長なんか絶対に認めない!!


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