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第二章 サンディル過去戻り編
第二章 ➂
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俺は毎日あっちに飛びこっちに飛びと意識をフル稼働して観察していた。
スパナート伯爵家とサイフェル侯爵家の婚約が過去戻りしてから3ヶ月後に調った。
だが相変わらずのスパナート伯爵は顔合わせの時だけは参加していたが後は商売に夢中だ。
その仕事っぷりに俺は感動して戻ったら参考にしようとよく観察していた。
ジョイは2日に1度はご機嫌伺いと称して侯爵家に出かけ帰りに裏から小屋に出入りしてティーナと会っていた。
ジョイの言っていた人物は半年経ってもまだ亡くなっていないらしい。
誰だろう?
あのティーナの部屋で言い合いしていた女はティーナの義妹でマリーナと言うらしいが、とんでもない女だ。
スパナート伯爵が嫌悪していた女達の代表格の様な女だった。
そんなある日、とんでもない物を俺は見た。
本当に見たくなかった、反吐が出る。
あの義妹が手配してティーナの部屋に4人の男たちが乱入した。
先は言わずもがなだ。
みんなでティーナを襲っている。
散々襲った後にマリーナに連れられてジョイが来た。
ジョイは気が狂ったように男達を蹴散らしていたが、そのうちの一人の腹を部屋にあったペーパーナイフで刺してしまう。
その後は失神しているティーナを抱きしめて泣いていた。
ジョイがマリーナの誘いを断った報復だったらしい。
なんて事を。
侯爵家の娘がすることなのか?
その後、ジョイは騎士団に連れて行かれた。
母親が騎士団に抗議をしているが、正当防衛は成立しないのか?
それから毎日ティーナは泣き暮らしていた。
マリーナは侯爵に謹慎を言い渡されていたが謹慎くらいで生温いだろう。
そして月日が流れティーナとスパナート伯爵の婚姻式当日の夜。
一般的に初夜だ。
ベッドで最初は二人で話していたが、突然ティーナが吐き始めた。
スパナート伯爵は初めは呆然としていたがメイドに医者を呼びに行かせた。
俺は悪い予感しかしなかったが案の定、ティーナは妊娠していた。
──────────────
それから10日程経った頃、スパナート伯爵家の応接室で親子3人話をしていた。
「誰の子かわからないって言ってるんですか?
母上、慎ましい女性ではなかったのですか?」
「きっと何か理由があるのよ」
「どんな理由が?」
「そんな事よりサイフェル侯爵家の態度は何だ!離縁するって言ってるのに迎えに来る気はない、その辺に捨ててくれだとは」
「父上、あの侯爵家に倫理を求めるのは愚の骨頂ですよ」
「しかしどうしたものか」
「離縁はしますよ。流石に身持ちの悪い女と結婚生活を強いたりしないでしょうね」
「でも、妊娠しているのに引き取り手もなければ死んでしまうわ。可哀想でしょう」
「嫌ですよ、私は。この件は俺以外で俺に迷惑がかからないようにしておいてください。お二人の責任ですからね」
スパナート伯爵の怒りが物凄いな。
怒りのあまり部屋を出ていったが、元々渋っていた結婚がとんでもなかったんだから気持ちもわかるし俺でもこの対応だな。
にしてもアディルの祖母は本当にお人好しだなぁ
この状況でティーナに同情してる。
「貴方、ティーナはそんな子だったかしら?」
「以前会った時は、大人しくてそんな婚前交渉などする娘には見えなかったが⋯。
実際妊娠しているしな」
「私、このまま放り出すのは良心が痛みます。
だってお腹が大きくなったら本当に野垂れ死んでしまいますわ」
「修道院に連れて行こう、あそこなら産まれるまでちゃんと面倒も見てくれるだろう」
「修道院も良い所と悪い所があるって聞きますわ。
貴方、産まれるまで離れを貸してあげてもいいでしょう?ほっておけないもの、修道院には産まれてから行けばいいのよ。その方が便宜を図ってくれると思うし」
「わかったよ。お前の気の済むようにしなさい、しかしアーチーには報告だけはしておくからな」
「何であんなに女嫌いになったのかしらね。
今回の件はあの態度もしょうがないけど、その前から結婚に興味ないだとか⋯⋯。子育て間違えてしまったのかしら。貴方ごめんなさい」
「間違えてなんかないさ。あれで結局はティーナとも結婚したんだし、本当に嫌ならあいつの事だから帰ってこないさ。それでも結婚までしたんだから、お前の優しい所をちゃんと受け継いでいるよ」
俺はジョイに意識を飛ばしてみた。
あれからジョイは教会にいる、奉仕活動だ。
ダンテ商会の会長が裏から手を回したようだ。
ティーナへの暴行の件はジョイが伏せたから正当防衛は認められなかったが、会長にはジョイの母から伝えられて半年の奉仕で済ませてもらっていた。
ジョイの母にはティーナが泣きながら話していた。
不可抗力だろうに気の毒だ。
あの人が気になっていたのだが、まだジョイ親子に動きはない。
──────────────
それから4ヶ月ほど経ってあの人がわかった。
俺の曾祖母だった。
まだこの頃までは生きてたんだ。
お祖父様の母親だから現在から言ったら前々王妃だな。
なるほど、もしかしたらジョイの父親は側室の子か?
記録がないから非公式の庶子かもしれない。
これを遡るのはちょっと大変かもしれないが⋯⋯。
いや、ジョイの父親がいつ亡くなったかわからないから一旦帰ってから策を練ったほうがいい。
ジョイの現在の行方を知る必要があるな。
まだメリルは産まれてないが彼女は本当に誰の子かわからない子だったんだな。
スパナート伯爵家とサイフェル侯爵家の婚約が過去戻りしてから3ヶ月後に調った。
だが相変わらずのスパナート伯爵は顔合わせの時だけは参加していたが後は商売に夢中だ。
その仕事っぷりに俺は感動して戻ったら参考にしようとよく観察していた。
ジョイは2日に1度はご機嫌伺いと称して侯爵家に出かけ帰りに裏から小屋に出入りしてティーナと会っていた。
ジョイの言っていた人物は半年経ってもまだ亡くなっていないらしい。
誰だろう?
あのティーナの部屋で言い合いしていた女はティーナの義妹でマリーナと言うらしいが、とんでもない女だ。
スパナート伯爵が嫌悪していた女達の代表格の様な女だった。
そんなある日、とんでもない物を俺は見た。
本当に見たくなかった、反吐が出る。
あの義妹が手配してティーナの部屋に4人の男たちが乱入した。
先は言わずもがなだ。
みんなでティーナを襲っている。
散々襲った後にマリーナに連れられてジョイが来た。
ジョイは気が狂ったように男達を蹴散らしていたが、そのうちの一人の腹を部屋にあったペーパーナイフで刺してしまう。
その後は失神しているティーナを抱きしめて泣いていた。
ジョイがマリーナの誘いを断った報復だったらしい。
なんて事を。
侯爵家の娘がすることなのか?
その後、ジョイは騎士団に連れて行かれた。
母親が騎士団に抗議をしているが、正当防衛は成立しないのか?
それから毎日ティーナは泣き暮らしていた。
マリーナは侯爵に謹慎を言い渡されていたが謹慎くらいで生温いだろう。
そして月日が流れティーナとスパナート伯爵の婚姻式当日の夜。
一般的に初夜だ。
ベッドで最初は二人で話していたが、突然ティーナが吐き始めた。
スパナート伯爵は初めは呆然としていたがメイドに医者を呼びに行かせた。
俺は悪い予感しかしなかったが案の定、ティーナは妊娠していた。
──────────────
それから10日程経った頃、スパナート伯爵家の応接室で親子3人話をしていた。
「誰の子かわからないって言ってるんですか?
母上、慎ましい女性ではなかったのですか?」
「きっと何か理由があるのよ」
「どんな理由が?」
「そんな事よりサイフェル侯爵家の態度は何だ!離縁するって言ってるのに迎えに来る気はない、その辺に捨ててくれだとは」
「父上、あの侯爵家に倫理を求めるのは愚の骨頂ですよ」
「しかしどうしたものか」
「離縁はしますよ。流石に身持ちの悪い女と結婚生活を強いたりしないでしょうね」
「でも、妊娠しているのに引き取り手もなければ死んでしまうわ。可哀想でしょう」
「嫌ですよ、私は。この件は俺以外で俺に迷惑がかからないようにしておいてください。お二人の責任ですからね」
スパナート伯爵の怒りが物凄いな。
怒りのあまり部屋を出ていったが、元々渋っていた結婚がとんでもなかったんだから気持ちもわかるし俺でもこの対応だな。
にしてもアディルの祖母は本当にお人好しだなぁ
この状況でティーナに同情してる。
「貴方、ティーナはそんな子だったかしら?」
「以前会った時は、大人しくてそんな婚前交渉などする娘には見えなかったが⋯。
実際妊娠しているしな」
「私、このまま放り出すのは良心が痛みます。
だってお腹が大きくなったら本当に野垂れ死んでしまいますわ」
「修道院に連れて行こう、あそこなら産まれるまでちゃんと面倒も見てくれるだろう」
「修道院も良い所と悪い所があるって聞きますわ。
貴方、産まれるまで離れを貸してあげてもいいでしょう?ほっておけないもの、修道院には産まれてから行けばいいのよ。その方が便宜を図ってくれると思うし」
「わかったよ。お前の気の済むようにしなさい、しかしアーチーには報告だけはしておくからな」
「何であんなに女嫌いになったのかしらね。
今回の件はあの態度もしょうがないけど、その前から結婚に興味ないだとか⋯⋯。子育て間違えてしまったのかしら。貴方ごめんなさい」
「間違えてなんかないさ。あれで結局はティーナとも結婚したんだし、本当に嫌ならあいつの事だから帰ってこないさ。それでも結婚までしたんだから、お前の優しい所をちゃんと受け継いでいるよ」
俺はジョイに意識を飛ばしてみた。
あれからジョイは教会にいる、奉仕活動だ。
ダンテ商会の会長が裏から手を回したようだ。
ティーナへの暴行の件はジョイが伏せたから正当防衛は認められなかったが、会長にはジョイの母から伝えられて半年の奉仕で済ませてもらっていた。
ジョイの母にはティーナが泣きながら話していた。
不可抗力だろうに気の毒だ。
あの人が気になっていたのだが、まだジョイ親子に動きはない。
──────────────
それから4ヶ月ほど経ってあの人がわかった。
俺の曾祖母だった。
まだこの頃までは生きてたんだ。
お祖父様の母親だから現在から言ったら前々王妃だな。
なるほど、もしかしたらジョイの父親は側室の子か?
記録がないから非公式の庶子かもしれない。
これを遡るのはちょっと大変かもしれないが⋯⋯。
いや、ジョイの父親がいつ亡くなったかわからないから一旦帰ってから策を練ったほうがいい。
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