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第三章 長い眠りのその後で
プロポーズ sideサンディル
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今俺の目の前に愛しい愛しい俺の、つ、妻がいる。
少し前に俺は過去から戻ってきた。
その時、つ、妻アディルに対して大失態をやってしまった。
満足に目も合わせられず言葉も何を話していいかも解らず愚鈍な態度で彼女を傷つけてしまった。
彼女は実家に帰ってしまってたけど今日戻ってきてくれた、俺のもとに。
──────────────
アディルが実家にいる間に数々の助言をダルトンとテモシーがしてくれた。
ダルトンは俺の侍従だったが彼はあまりにも貴族社会でやっていけるような性格ではなかった。
本当に気持ちのいいくらい優しく、そして裏表のない正直者だった。
それは俺に対してだけであるならば良かったが誰に対しても分け隔てなくといった感じで、それでは駄目なんだ。
俺の家は代々この国の間諜を担っている。
公爵家事態はそうではないが、この家から派生する分家は全て間諜でなくてはならないという家の縛りがある。
それなので各方面から色々な報告が入る、それを纏めて王家に報告するのが我がメイナードの役割だ。
それまではダルトンが側にいても何ら問題はなかった。
その仕事に関わらせなければいいだけだったから。
ただ過去戻りすれば俺の影武者と接する事になる。
ダルトンの事だから直ぐに影武者だと気付く事はわかりきっている。
それでは王命の話もしなければならず、それを正直者のダルトンが秘匿するのは彼にとって相当負担になるのではないかと考えた。
ドーランは誓約魔法を使っては?と進言してくれたがダルトンに使いたくなかった。
誓約魔法を掛けること事態は体などに負担はない。
ただ俺が嫌だった、そんなものでダルトンを縛りたくなかった。
結果、ダルトンを遠ざける事でその問題を解決することにした。
影武者ではなく俺に交代した時にまた戻ってきて貰えれば問題はないと思っていたんだ。
でも俺のいない間にイレギュラーな問題が多々有り、結局はアディルがダルトンを引き取ったらしい。
詳細をドーランから聞いた時、俺はダルトンに申し訳なく頭を只管下げた。
でもダルトンは許してくれて、そして今沢山の助言をしてくれる頼もしい男になっていた。
この1年アディルの側にずっと居たのはちょっと許せないけれど⋯⋯。
ダルトンとテモシーはこの1年のアディルの頑張りを教えてくれた。
何故結婚しなければいけなかったのか、マークは忠告をしっかり守っていた事や、チェリーナ様の事。
色々色々。
そして少しでも精神的に少年から青年にならなければいけないと言われた。
正直その違いが解らなかったのだが、ダルトンにアディルに言葉を尽くせと言われた。
思った事をちゃんと話す事が俺の為にもなると⋯⋯ダルトンが格好いい。
まさかアディルと⋯⋯何かあるのでは?
訝しんでいると、それを止めろと言われた。
アディルに嫌われると言われたので我慢することにした。
そして今だ!
落ち着け、落ち着け、俺
自分の気持ちを言うんだ。チャント、ちゃんと。
俺は向かいに座ってるアディルの方に行き足元に跪き指輪ケースを開いて申し込む。
「アディル、お、俺のつ、妻になってください。
一生だ、大事にしてください」
言えた。言ったぞ俺。
真剣な顔の俺をジッと見ているアディル、あぁ可愛い。
「プッふふふふふ。一生大事にしてあげるじゃないんですね。ふふふ、あははは」
アディルが可愛い顔で笑ってる。
それがすごく嬉しくて幸せでポーっとなってから、アレッっと気付く。
「あっ大事にします。絶対に、あの間違えた」
「ごめんなさい」
ガーン、頭を真っ二つに割られたみたいにズーンってなって放心した。
「あっそうじゃなくて、あの、折角ちゃんと言ってくださったのに笑ってしまってごめんなさいって意味で、あの⋯⋯サンディル様、私の方こそよろしくお願いします」
「あっあぁ、あぁありがとう」
俺は何か解らないけど泣いてしまって、あれ?アディルも泣いてる。
俺はソォーッとアディルを抱きしめたつもりが、跪いたままだったのでアディルの腰の辺りを抱きしめてた。
でもアディルは振りほどく事もせず、俺の頭上から手を回して包み込むように抱きしめ返してくれた。
暫くそのままだったけど、気を取り直した俺は今度はアディルの横に座って手を取り、その手に口付けると真っ赤になったアディルが⋯⋯可愛い。
俺は舞い上がって舞い上がって天にも登る気持ちだ。
「サンディル様は私の何処がお気に召したのですか?」
「えっ?全部だけど、何故そんな当たり前のこと聞くの?」
「えぇっ、当たり前なのですか?全部って」
「そうだよ、当たり前じゃないか」
「ではあの⋯きっかけとか。私サンディル様と会ったのは5歳の頃と記憶してるのですが、その後会った事とかありましたか?」
「ううん、あのお茶会以降会ったのはこの前の戻った時だよ。アディルを好きになったきっかけかぁ、うーん」
「そんなに難しいのですか?」
「難しい、説明が。あれから俺はアディルに謝りたくてずっとスパナート伯爵邸に通ってたんだ。庭に大きな木があるだろう、その枝に寝転がって様子を伺ってたんだ。チェリーナ様からアディルはもう忘れてるから蒸し返すなって言われてたんだけどね。
でも何故か足がスパナート家に向かっちゃうんだ。
で、見てる時にね。アディルが掌からしゃぼん玉を出してるのを見たんだ。凄くキレイでしゃぼん玉がどんどん出てそのうち虹がかかって、それを見てたらあぁアディルの事好きだなぁってねっ」
「まぁあれを見ていたんですか?」
「うん、凄くキレイだった」
アディルは顔を真っ赤にしてその頬を両手で抑えてる。
⋯⋯あぁ可愛い。
隣に座ってるアディルを抱えて膝に座らせたらアディルがびっくりして抗議する。
「サンディル様、急に何してらっしゃるんですか、あの恥ずかしいです」
「大丈夫だよ、俺しかいないもん。それに夫婦はこうしなくちゃいけないって父上が言ってたんだ。二人の時は絶対なんだよ」
「お義父様はいつもお義母様にこの様に?」
「そうだよ、俺はいつもいいなぁって見てたもんだよ、チェリーナ様と伯爵はしないの?」
「見たことございません、それは⋯普通では⋯「恥ずかしかったのかもね」ないんじゃ」
俺は畳み掛けるつもりでアディルの言葉を遮った。
「ねぇアディル。お願いがあるんだ、聞いてくれる?」
「何でございますか?私に出来るのであれば⋯⋯あの、常識の範囲内でお願いします」
「婚姻式をもう一度あげてくれない?ちゃんと俺と」
真剣にアディルの目を見上げて言うとアディルは頷いてくれた。
良かった。
そうと決まればと、俺はドーランを呼ぶべきベルを鳴らした。
少し前に俺は過去から戻ってきた。
その時、つ、妻アディルに対して大失態をやってしまった。
満足に目も合わせられず言葉も何を話していいかも解らず愚鈍な態度で彼女を傷つけてしまった。
彼女は実家に帰ってしまってたけど今日戻ってきてくれた、俺のもとに。
──────────────
アディルが実家にいる間に数々の助言をダルトンとテモシーがしてくれた。
ダルトンは俺の侍従だったが彼はあまりにも貴族社会でやっていけるような性格ではなかった。
本当に気持ちのいいくらい優しく、そして裏表のない正直者だった。
それは俺に対してだけであるならば良かったが誰に対しても分け隔てなくといった感じで、それでは駄目なんだ。
俺の家は代々この国の間諜を担っている。
公爵家事態はそうではないが、この家から派生する分家は全て間諜でなくてはならないという家の縛りがある。
それなので各方面から色々な報告が入る、それを纏めて王家に報告するのが我がメイナードの役割だ。
それまではダルトンが側にいても何ら問題はなかった。
その仕事に関わらせなければいいだけだったから。
ただ過去戻りすれば俺の影武者と接する事になる。
ダルトンの事だから直ぐに影武者だと気付く事はわかりきっている。
それでは王命の話もしなければならず、それを正直者のダルトンが秘匿するのは彼にとって相当負担になるのではないかと考えた。
ドーランは誓約魔法を使っては?と進言してくれたがダルトンに使いたくなかった。
誓約魔法を掛けること事態は体などに負担はない。
ただ俺が嫌だった、そんなものでダルトンを縛りたくなかった。
結果、ダルトンを遠ざける事でその問題を解決することにした。
影武者ではなく俺に交代した時にまた戻ってきて貰えれば問題はないと思っていたんだ。
でも俺のいない間にイレギュラーな問題が多々有り、結局はアディルがダルトンを引き取ったらしい。
詳細をドーランから聞いた時、俺はダルトンに申し訳なく頭を只管下げた。
でもダルトンは許してくれて、そして今沢山の助言をしてくれる頼もしい男になっていた。
この1年アディルの側にずっと居たのはちょっと許せないけれど⋯⋯。
ダルトンとテモシーはこの1年のアディルの頑張りを教えてくれた。
何故結婚しなければいけなかったのか、マークは忠告をしっかり守っていた事や、チェリーナ様の事。
色々色々。
そして少しでも精神的に少年から青年にならなければいけないと言われた。
正直その違いが解らなかったのだが、ダルトンにアディルに言葉を尽くせと言われた。
思った事をちゃんと話す事が俺の為にもなると⋯⋯ダルトンが格好いい。
まさかアディルと⋯⋯何かあるのでは?
訝しんでいると、それを止めろと言われた。
アディルに嫌われると言われたので我慢することにした。
そして今だ!
落ち着け、落ち着け、俺
自分の気持ちを言うんだ。チャント、ちゃんと。
俺は向かいに座ってるアディルの方に行き足元に跪き指輪ケースを開いて申し込む。
「アディル、お、俺のつ、妻になってください。
一生だ、大事にしてください」
言えた。言ったぞ俺。
真剣な顔の俺をジッと見ているアディル、あぁ可愛い。
「プッふふふふふ。一生大事にしてあげるじゃないんですね。ふふふ、あははは」
アディルが可愛い顔で笑ってる。
それがすごく嬉しくて幸せでポーっとなってから、アレッっと気付く。
「あっ大事にします。絶対に、あの間違えた」
「ごめんなさい」
ガーン、頭を真っ二つに割られたみたいにズーンってなって放心した。
「あっそうじゃなくて、あの、折角ちゃんと言ってくださったのに笑ってしまってごめんなさいって意味で、あの⋯⋯サンディル様、私の方こそよろしくお願いします」
「あっあぁ、あぁありがとう」
俺は何か解らないけど泣いてしまって、あれ?アディルも泣いてる。
俺はソォーッとアディルを抱きしめたつもりが、跪いたままだったのでアディルの腰の辺りを抱きしめてた。
でもアディルは振りほどく事もせず、俺の頭上から手を回して包み込むように抱きしめ返してくれた。
暫くそのままだったけど、気を取り直した俺は今度はアディルの横に座って手を取り、その手に口付けると真っ赤になったアディルが⋯⋯可愛い。
俺は舞い上がって舞い上がって天にも登る気持ちだ。
「サンディル様は私の何処がお気に召したのですか?」
「えっ?全部だけど、何故そんな当たり前のこと聞くの?」
「えぇっ、当たり前なのですか?全部って」
「そうだよ、当たり前じゃないか」
「ではあの⋯きっかけとか。私サンディル様と会ったのは5歳の頃と記憶してるのですが、その後会った事とかありましたか?」
「ううん、あのお茶会以降会ったのはこの前の戻った時だよ。アディルを好きになったきっかけかぁ、うーん」
「そんなに難しいのですか?」
「難しい、説明が。あれから俺はアディルに謝りたくてずっとスパナート伯爵邸に通ってたんだ。庭に大きな木があるだろう、その枝に寝転がって様子を伺ってたんだ。チェリーナ様からアディルはもう忘れてるから蒸し返すなって言われてたんだけどね。
でも何故か足がスパナート家に向かっちゃうんだ。
で、見てる時にね。アディルが掌からしゃぼん玉を出してるのを見たんだ。凄くキレイでしゃぼん玉がどんどん出てそのうち虹がかかって、それを見てたらあぁアディルの事好きだなぁってねっ」
「まぁあれを見ていたんですか?」
「うん、凄くキレイだった」
アディルは顔を真っ赤にしてその頬を両手で抑えてる。
⋯⋯あぁ可愛い。
隣に座ってるアディルを抱えて膝に座らせたらアディルがびっくりして抗議する。
「サンディル様、急に何してらっしゃるんですか、あの恥ずかしいです」
「大丈夫だよ、俺しかいないもん。それに夫婦はこうしなくちゃいけないって父上が言ってたんだ。二人の時は絶対なんだよ」
「お義父様はいつもお義母様にこの様に?」
「そうだよ、俺はいつもいいなぁって見てたもんだよ、チェリーナ様と伯爵はしないの?」
「見たことございません、それは⋯普通では⋯「恥ずかしかったのかもね」ないんじゃ」
俺は畳み掛けるつもりでアディルの言葉を遮った。
「ねぇアディル。お願いがあるんだ、聞いてくれる?」
「何でございますか?私に出来るのであれば⋯⋯あの、常識の範囲内でお願いします」
「婚姻式をもう一度あげてくれない?ちゃんと俺と」
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