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第三章 長い眠りのその後で
恥ずかしい気持
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スパナート邸で久しぶりに何もしない日々を過ごして正直少し飽きていた頃、団長様が訪ねて来てくれました。
でも私の騎士然としたアンディーが門前払いを敢行しております。
その攻防を興味深く見てみると、所々爪が甘い。
やはりここは姉がフォローせねばと穴埋めをしたのですが、思いもかけずそれが楽しくて、団長様が来るのが楽しみになっておりました。
2、3日は楽しめたのですが急にパタッと訪れが止まり残念に思っていましたら両親が帰って参りました。
「敵は母上を頼ったな、意気地無しめ」
アンディーが憎々しげに宣ってましたが、私はあの楽しい日々も終わりなのねと少々ガッカリしました。
帰って早々、弟に触れさせてもくれず父と母にアンディーと二人応接室に呼ばれました。
二人で呼ばれたのですがアンディーはそのまま父と退出して何処かへ
私は母と話すようです。
「アディル本当に久しぶりね、元気にしていたかしら?手紙では公爵家で楽しそうにしていると思っていたのに⋯⋯普通に帰ってくるのは構わないけど今回の事はどうして?
みんな理由が解らなくて困っていたわ。
公爵夫人としてではなく、スパナート家の私の娘としてお母様に話せる?」
お母様が私に話をちゃんと聞こうとしてくれている姿勢がとても嬉しく感じました。
本当は自分の気持ちもよく解らないのです。
勢いで帰ってきてしまったから⋯⋯。
だからそのまま話しました。
結婚してからの1年間の全てを。
結婚したのが影武者の方でびっくりした事
公爵家に間諜が沢山居て常に警戒しないといけなかった事
スノーの事
ドーランに諭されて執務をしてみたら楽しかった事
テモシーに習って家政も頑張ってる事
自分に魔法以外でも出来ることがあって嬉しかった事
エンヌ様に可愛がってもらっている事
自分の庭を作れた事
王族男子の番の呪いの事
毎晩、サンディル様に話しかけていた事
その際心がフワフワしていた事
サンディル様が目覚めるのを楽しみにしていた事
目が覚めたサンディル様の態度にショックを受けた事
目も合わせて貰えなかったこと
自分が自惚れていたのが恥ずかしかった事
全て話し終えた時、私は泣いてました。
自然と涙が出ていて自分でも驚いております。
長い長い話だったのに母は黙って全てを聞いてくれました。
「アディルこの1年頑張ったわね。
貴方は立派な公爵夫人よ、お母様は貴方を誇りに思うわ。でも貴方はまだ17歳で本来なら学園に通ってみんなと勉強したり遊んだりする時間なのよね。
私の都合で貴方に負担をかけてしまって申し訳なく思うわ。
でも公爵家で大事にされていて安心もしていたのよ」
ティアラ様が母へ定期的に私の様子をお手紙でお知らせしてくれていたそうです。
私はティアラ様のお気遣いに胸が熱くなりました。
「ねぇアディル、サンディルの事なのだけど彼の心中を慮ってはくれないかしら?」
「心中とは?どういう事ですか、お母様」
「あのね、今回の過去戻りは王命であるから誰かが絶対にしなければならなかったの。
団長が私を選ばなかったのは母親だったからよ。
そして私は王族ではないからなの。
全ての負担を強いられたのは魔力があって王族だという、ただそれだけの理由でサンディルが選ばれたの。
彼はメリルに貴方がされた事を知ってとても心を痛めていたわ。貴方の為に頑張るって私に笑ってたのよ。
過去戻りが敢行されたのはまだ彼が15歳の時、それから8年過去を彷徨ってくれたの。
ベッドに寝ている彼は魔力を送っているから成長するわ、だから見た目は23歳かもしれない。
でもね心は過去へ戻った時と同じ15歳のままなのよ」
母の最後の言葉に私はハッとしました。
そうだわ、サンディル様は8年ただ彷徨っていただけで、勉強していた訳でもなく遊んでいたわけでもない。
私と同じなんだわ。
でも私は代わりにドーランやテモシー、お義父様とお義母様。それからダルトンにマリーにローリー、アンヌ沢山の人に支えて貰って成長できた。
けれどサンディル様はその間も一人だったのよね。
サンディル様のあの行動は母の話を聞いた今ならわかるわ。
恥ずかしかったんだ!
心の準備もなく私が突然いるのだもの。
びっくりしただけではなかったのね。
それなのに冷たいとか呪いは嘘なんじゃないかとか考えた私は自惚れどころか傲慢だわ。
しかも怒って実家に帰るなんて、大変なお仕事から無事に戻った事を労いもせずに⋯⋯妻失格だわ、恥ずかしい。
「お母様、私恥ずかしいです。ちゃんと考えればわかる事だったのに自分の感情を優先してしまって⋯。
サンディル様に酷い事をしてしまったのですね。傷つけてしまったのですね」
「サンディルも傷ついたかもしれないけど、アディルだってまだ成人前なのよ。しょうがないわよ。
貴方達は二人で話さないとね、思いがけず先に婚姻してしまったけど、今からでも二人で育んで行って。
私とアーチーは貴方が幸せならそれでいいのよ」
そう言って母は私を抱きしめてくれました。
久しぶりの抱擁に心が満たされます。
それから父に怒られたのか?いえどう見ても褒められたようですが、アンディーも応接室へ来たので3人で弟の所へ向かいました。
既に父は来ていて弟を抱いてデレデレしておりまして⋯⋯見ているこちらが恥ずかしくなるほど赤ちゃん言葉で話しかけています。
「貴方、もう毎回、毎回。3人目だから少しは変わるかと思ったけどそれじゃあアディルやアンディーの時と同じじゃない!赤ちゃん言葉は止めてと言ったでしょう」
驚いた事に私達が生まれた時も父はこの様な状態だったそうです。
渋々母に弟を委ねた父が私達に提案しました。
「アディル、久しぶりだね。
君たちの弟が無事に産まれたんだ、まずはお母様を労ってあげて、それからみんなで名前を考えよう!」
父は私とアンディーにも命名権を下さいました。
一緒に考えても良いだなんて嬉しすぎます。
父から出された条件は⋯⋯名前の始めに『ア』が入る事。
父の子である証明だと言いました。
きっと知らぬ間に戸籍に入った子供と区別したかったのでしょうか?
父の心情が伺えます。
私達4人はサロンに移動してあーでもないこーでもないと沢山の案を出しながら話し合いました。
その間は私とアンディーで交互に弟を抱いていて、母が抱き癖がつくから止めてと言って困っておりましたが⋯⋯だって可愛いんですもの。
弟は魔力持ちではなかったので私達二人で守ろうねとアンディーと誓いました。
決まった名前は『アルフレッド』愛称は『アル』と呼びます。
お祖父様とお祖母様も気に入ってくれるでしょうか?
お披露目が楽しみです。
サンディル様ときちんとお話ししたら家族を公爵邸に招待しようと思います。
でも私の騎士然としたアンディーが門前払いを敢行しております。
その攻防を興味深く見てみると、所々爪が甘い。
やはりここは姉がフォローせねばと穴埋めをしたのですが、思いもかけずそれが楽しくて、団長様が来るのが楽しみになっておりました。
2、3日は楽しめたのですが急にパタッと訪れが止まり残念に思っていましたら両親が帰って参りました。
「敵は母上を頼ったな、意気地無しめ」
アンディーが憎々しげに宣ってましたが、私はあの楽しい日々も終わりなのねと少々ガッカリしました。
帰って早々、弟に触れさせてもくれず父と母にアンディーと二人応接室に呼ばれました。
二人で呼ばれたのですがアンディーはそのまま父と退出して何処かへ
私は母と話すようです。
「アディル本当に久しぶりね、元気にしていたかしら?手紙では公爵家で楽しそうにしていると思っていたのに⋯⋯普通に帰ってくるのは構わないけど今回の事はどうして?
みんな理由が解らなくて困っていたわ。
公爵夫人としてではなく、スパナート家の私の娘としてお母様に話せる?」
お母様が私に話をちゃんと聞こうとしてくれている姿勢がとても嬉しく感じました。
本当は自分の気持ちもよく解らないのです。
勢いで帰ってきてしまったから⋯⋯。
だからそのまま話しました。
結婚してからの1年間の全てを。
結婚したのが影武者の方でびっくりした事
公爵家に間諜が沢山居て常に警戒しないといけなかった事
スノーの事
ドーランに諭されて執務をしてみたら楽しかった事
テモシーに習って家政も頑張ってる事
自分に魔法以外でも出来ることがあって嬉しかった事
エンヌ様に可愛がってもらっている事
自分の庭を作れた事
王族男子の番の呪いの事
毎晩、サンディル様に話しかけていた事
その際心がフワフワしていた事
サンディル様が目覚めるのを楽しみにしていた事
目が覚めたサンディル様の態度にショックを受けた事
目も合わせて貰えなかったこと
自分が自惚れていたのが恥ずかしかった事
全て話し終えた時、私は泣いてました。
自然と涙が出ていて自分でも驚いております。
長い長い話だったのに母は黙って全てを聞いてくれました。
「アディルこの1年頑張ったわね。
貴方は立派な公爵夫人よ、お母様は貴方を誇りに思うわ。でも貴方はまだ17歳で本来なら学園に通ってみんなと勉強したり遊んだりする時間なのよね。
私の都合で貴方に負担をかけてしまって申し訳なく思うわ。
でも公爵家で大事にされていて安心もしていたのよ」
ティアラ様が母へ定期的に私の様子をお手紙でお知らせしてくれていたそうです。
私はティアラ様のお気遣いに胸が熱くなりました。
「ねぇアディル、サンディルの事なのだけど彼の心中を慮ってはくれないかしら?」
「心中とは?どういう事ですか、お母様」
「あのね、今回の過去戻りは王命であるから誰かが絶対にしなければならなかったの。
団長が私を選ばなかったのは母親だったからよ。
そして私は王族ではないからなの。
全ての負担を強いられたのは魔力があって王族だという、ただそれだけの理由でサンディルが選ばれたの。
彼はメリルに貴方がされた事を知ってとても心を痛めていたわ。貴方の為に頑張るって私に笑ってたのよ。
過去戻りが敢行されたのはまだ彼が15歳の時、それから8年過去を彷徨ってくれたの。
ベッドに寝ている彼は魔力を送っているから成長するわ、だから見た目は23歳かもしれない。
でもね心は過去へ戻った時と同じ15歳のままなのよ」
母の最後の言葉に私はハッとしました。
そうだわ、サンディル様は8年ただ彷徨っていただけで、勉強していた訳でもなく遊んでいたわけでもない。
私と同じなんだわ。
でも私は代わりにドーランやテモシー、お義父様とお義母様。それからダルトンにマリーにローリー、アンヌ沢山の人に支えて貰って成長できた。
けれどサンディル様はその間も一人だったのよね。
サンディル様のあの行動は母の話を聞いた今ならわかるわ。
恥ずかしかったんだ!
心の準備もなく私が突然いるのだもの。
びっくりしただけではなかったのね。
それなのに冷たいとか呪いは嘘なんじゃないかとか考えた私は自惚れどころか傲慢だわ。
しかも怒って実家に帰るなんて、大変なお仕事から無事に戻った事を労いもせずに⋯⋯妻失格だわ、恥ずかしい。
「お母様、私恥ずかしいです。ちゃんと考えればわかる事だったのに自分の感情を優先してしまって⋯。
サンディル様に酷い事をしてしまったのですね。傷つけてしまったのですね」
「サンディルも傷ついたかもしれないけど、アディルだってまだ成人前なのよ。しょうがないわよ。
貴方達は二人で話さないとね、思いがけず先に婚姻してしまったけど、今からでも二人で育んで行って。
私とアーチーは貴方が幸せならそれでいいのよ」
そう言って母は私を抱きしめてくれました。
久しぶりの抱擁に心が満たされます。
それから父に怒られたのか?いえどう見ても褒められたようですが、アンディーも応接室へ来たので3人で弟の所へ向かいました。
既に父は来ていて弟を抱いてデレデレしておりまして⋯⋯見ているこちらが恥ずかしくなるほど赤ちゃん言葉で話しかけています。
「貴方、もう毎回、毎回。3人目だから少しは変わるかと思ったけどそれじゃあアディルやアンディーの時と同じじゃない!赤ちゃん言葉は止めてと言ったでしょう」
驚いた事に私達が生まれた時も父はこの様な状態だったそうです。
渋々母に弟を委ねた父が私達に提案しました。
「アディル、久しぶりだね。
君たちの弟が無事に産まれたんだ、まずはお母様を労ってあげて、それからみんなで名前を考えよう!」
父は私とアンディーにも命名権を下さいました。
一緒に考えても良いだなんて嬉しすぎます。
父から出された条件は⋯⋯名前の始めに『ア』が入る事。
父の子である証明だと言いました。
きっと知らぬ間に戸籍に入った子供と区別したかったのでしょうか?
父の心情が伺えます。
私達4人はサロンに移動してあーでもないこーでもないと沢山の案を出しながら話し合いました。
その間は私とアンディーで交互に弟を抱いていて、母が抱き癖がつくから止めてと言って困っておりましたが⋯⋯だって可愛いんですもの。
弟は魔力持ちではなかったので私達二人で守ろうねとアンディーと誓いました。
決まった名前は『アルフレッド』愛称は『アル』と呼びます。
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