42 / 50
第三章 長い眠りのその後で
責められるべきは⋯
しおりを挟む
スノーを拘束して3日後私はサンディル様に呼ばれました。
公爵邸ではなく別邸の方です。
別邸に着いて案内されたのは庭の温室でした。
温室の中には様々な花達が咲いております。
一緒に来たダルトンの話ではここは魔法で温度管理をして花の維持をしているそうです。
庭の花替えの際に役立てている場所なんだとか、流石詳しいです。
本邸の私の庭にも温室欲しいなぁと思って眺めていると花を置いてある場所よりももっと奥へ連れて行かれます。
「ダルトン何処まで行くの?」
「奥に小部屋があるのですがそこへ案内するように言われましたので、私も入ったことはないので何の部屋までかは解りかねます」
「そうなの、ダルトンも入ったことがない場所なんてね。どんな御用かしら?」
その小部屋のドアの前でダルトンに私はここまでですので中へどうぞと言われました。
ノックをするとサンディル様が許可をくださいます。
いつもならお出迎え下さるのにと変に思いダルトンと顔を見合わせました。
中に入るとそこは離宮の会議室のように暗幕がかけられており扉を開けたことにより光が入ったようでした。
眩しそうにこちらに顔を向けているのは父と母とアンディーそして祖母と祖父。
サンディル様は目を閉じてらっしゃいます。
スパナート一家総出で何を?
「アディル中に入って扉の内鍵を掛けてね」
母が私に指示されましたので、その通りにすると部屋が真っ暗になりました。
不安になりましたので先日の光るボールを作り前を照らしました。
「姉様それいいですね。キレイだ」
「アンディー、お父様達もどうしてここに集まっていらっしゃるのでしょうか?」
「私が来て頂いたんだ」
サンディル様が私の父への問に答えて下さいます。
「アディルこの前、観た物の続きがあるんだ。それはスパナート家だけが見ればいいかなと思ってね、皆様にも来て頂いたんだよ」
「そうなのですか、続きですか?えっと⋯⋯」
あの映像の続きを見せてくださるとの事ですが過去戻りは禁忌なので話してもいいのでしょうか?
でも父や母、サンディル様が良いと判断したのであれば私に異存があるはずもなく大人しくお祖母様の側へ座りました。
「アディル暫く見ないうちに益々キレイになって見違えたわ」
祖父母はだいぶお年を召してますので、お目が悪くなられたのかしら?
私は普段からあまり祖父母にも褒められる事などなかったから少し不思議な気持ちです。
「陛下の許可は取っているわ、安心して」
母がそう言うとサンディル様も頷き、それからボールを消すように言われました。
再び暗闇が訪れます。
あの時のようにサンディル様が目を見開き母が手を翳す。
同じ手順です。が、その後が違いました。
翳した手をサンディル様の目の位置で閉じて開くという動作を始めました。
その度にサンディル様が目を開いたり閉じたり。
何度か同じ行動をされた後あの時の光の粒子が暗幕に流れてゆきました。
それはどれもこれも子供の様子です。
メリル、キャンベラ、私にアンディー。
メリルが祖母と一緒に慰問先で皆に一生懸命声をかけている所、この前の映像とは違う物が沢山ありました。
それから私とキャンベラが二人で仲良く庭でブランコに揺られている所。
後ろから背中を押していたキャンベラが手を必死に抑えている物でした。
顔は苦悶の表情で何かに抗ってる様子です、ですが力尽き私をブランコから押して落としてしまいます。
アンディーの頬を抓ろうとしている所、それも散々抗って力尽き再び抓ろうとしてアンディーの魔法で返り討ちにあっていますが、その顔がホッとしている様子。
庭で私がアンディーを抱っこしようと踏ん張っている時にキャンベラが来てアンディーの足を叩いて転ばそうとするのを私が逆にキャンベラを転ばす所、何度も挑戦するキャンベラに何度も同じ魔法を使うとアンディーが笑い始めて、それから私は魔法を繰り返す同時に治癒を使いながら。
そのうちキャンベラも私も笑いだして3人で楽しそうにしている所。
お互いに謝ってる⋯⋯謝ってる!キャンベラが!
それから魔法でシャボン玉を出して3人で眺めていると突然キャンベラが暴言を、でもすぐ口を抑えて抗っている様子。
私とアンディーが逃げている。
庭の端にメリルが悔しそうに佇んでいる様子。
そこまででサンディル様が目を閉じ終わりました。
光るボールを母が出して周りが明るくなります。
暫く誰も声を出しませんでしたが、私は思い出したのでそれを話しました。
「最後のは思い出しました。私忘れてたみたい。あの時キャンベラは口を抑えながら片手でここを離れろと合図をくれたんです。だから私アンディーを連れて部屋に戻ったの」
いつも虐められてたと思っていたキャンベラと仲良く遊んでた事もあったんだと思い出せない事も思い出した事もあって、知らずに涙が出ていました。
優しく祖母が頭を撫でて下さいます。
背中を祖父が擦って下さいます。
「アディル、俺が初めて君のシャボン玉を見た時は割としょっちゅう出して3人で楽しんでたんだよ。でもいつしかそれを封印してしまったみたいだった。キャンベラは確かに君たちに酷い事もしたと思うけど本心では違ってた事を知って欲しかったし、洗脳される前のメリルも普通の優しい子供だった事を知って欲しかったんだ」
サンディル様の言葉が身につまされます。
するとアンディーが不思議に思ったのでしょう疑問を口にしました。
「あの、キャンベラは僕らを嫌いで虐めてたんじゃないの?メリルも洗脳って何なの?」
父がアンディーや祖父母にもメリルが洗脳されていた事を話します。
3人の驚愕の表情。
私達も悪意に晒されていた一家だった事に3人も理解したようでした。
そして改めてキャンベラの本当の出自を父が3人に伝えました。
「キャンベラが侯爵家の娘だったの?そんな⋯可哀想に本当の親から離されて⋯⋯」
祖母が悲嘆に暮れ、祖父も項垂れております。
お二人のせいではないのに⋯⋯。
「私の傲慢な思いが貴方達にもあの子達にも悪影響だったのかしら、ごめんなさい、ごめんなさ⋯⋯」
何も悪くない祖母が泣いて途中から声にならない謝罪を繰り返してます。
「お義母様それは違います。お母様は私に教えて下さいました。そこに自分が助けられることがあるのならば差し伸べる手は惜しむべきではない、それが貴族に生まれたものの努めだと⋯⋯。でも私、私達夫婦はそれが出来なかった、メリルとキャンベラへ表面だけで接してただ自分達の子を守る為だけに⋯⋯。それがメリルの洗脳を益々強めていたのでしょう」
父と母も項垂れます。
「チェリーナ様それも俺は違うと思いますよ。人間って感情の生き物だ、それが悪いか良いかの判断基準も人それぞれ。チェリーナ様や伯爵が自分の子供を守る為の行動は誰にも責められない。祖父母がメリルやキャンベラを引き取った事も誰にも責められない。今回の件で責められるべきは元サイフェル侯爵家とアッパール家、ミント伯爵家、そして王家です」
サンディル様が父母と祖父母にキッパリと言いました。
公爵邸ではなく別邸の方です。
別邸に着いて案内されたのは庭の温室でした。
温室の中には様々な花達が咲いております。
一緒に来たダルトンの話ではここは魔法で温度管理をして花の維持をしているそうです。
庭の花替えの際に役立てている場所なんだとか、流石詳しいです。
本邸の私の庭にも温室欲しいなぁと思って眺めていると花を置いてある場所よりももっと奥へ連れて行かれます。
「ダルトン何処まで行くの?」
「奥に小部屋があるのですがそこへ案内するように言われましたので、私も入ったことはないので何の部屋までかは解りかねます」
「そうなの、ダルトンも入ったことがない場所なんてね。どんな御用かしら?」
その小部屋のドアの前でダルトンに私はここまでですので中へどうぞと言われました。
ノックをするとサンディル様が許可をくださいます。
いつもならお出迎え下さるのにと変に思いダルトンと顔を見合わせました。
中に入るとそこは離宮の会議室のように暗幕がかけられており扉を開けたことにより光が入ったようでした。
眩しそうにこちらに顔を向けているのは父と母とアンディーそして祖母と祖父。
サンディル様は目を閉じてらっしゃいます。
スパナート一家総出で何を?
「アディル中に入って扉の内鍵を掛けてね」
母が私に指示されましたので、その通りにすると部屋が真っ暗になりました。
不安になりましたので先日の光るボールを作り前を照らしました。
「姉様それいいですね。キレイだ」
「アンディー、お父様達もどうしてここに集まっていらっしゃるのでしょうか?」
「私が来て頂いたんだ」
サンディル様が私の父への問に答えて下さいます。
「アディルこの前、観た物の続きがあるんだ。それはスパナート家だけが見ればいいかなと思ってね、皆様にも来て頂いたんだよ」
「そうなのですか、続きですか?えっと⋯⋯」
あの映像の続きを見せてくださるとの事ですが過去戻りは禁忌なので話してもいいのでしょうか?
でも父や母、サンディル様が良いと判断したのであれば私に異存があるはずもなく大人しくお祖母様の側へ座りました。
「アディル暫く見ないうちに益々キレイになって見違えたわ」
祖父母はだいぶお年を召してますので、お目が悪くなられたのかしら?
私は普段からあまり祖父母にも褒められる事などなかったから少し不思議な気持ちです。
「陛下の許可は取っているわ、安心して」
母がそう言うとサンディル様も頷き、それからボールを消すように言われました。
再び暗闇が訪れます。
あの時のようにサンディル様が目を見開き母が手を翳す。
同じ手順です。が、その後が違いました。
翳した手をサンディル様の目の位置で閉じて開くという動作を始めました。
その度にサンディル様が目を開いたり閉じたり。
何度か同じ行動をされた後あの時の光の粒子が暗幕に流れてゆきました。
それはどれもこれも子供の様子です。
メリル、キャンベラ、私にアンディー。
メリルが祖母と一緒に慰問先で皆に一生懸命声をかけている所、この前の映像とは違う物が沢山ありました。
それから私とキャンベラが二人で仲良く庭でブランコに揺られている所。
後ろから背中を押していたキャンベラが手を必死に抑えている物でした。
顔は苦悶の表情で何かに抗ってる様子です、ですが力尽き私をブランコから押して落としてしまいます。
アンディーの頬を抓ろうとしている所、それも散々抗って力尽き再び抓ろうとしてアンディーの魔法で返り討ちにあっていますが、その顔がホッとしている様子。
庭で私がアンディーを抱っこしようと踏ん張っている時にキャンベラが来てアンディーの足を叩いて転ばそうとするのを私が逆にキャンベラを転ばす所、何度も挑戦するキャンベラに何度も同じ魔法を使うとアンディーが笑い始めて、それから私は魔法を繰り返す同時に治癒を使いながら。
そのうちキャンベラも私も笑いだして3人で楽しそうにしている所。
お互いに謝ってる⋯⋯謝ってる!キャンベラが!
それから魔法でシャボン玉を出して3人で眺めていると突然キャンベラが暴言を、でもすぐ口を抑えて抗っている様子。
私とアンディーが逃げている。
庭の端にメリルが悔しそうに佇んでいる様子。
そこまででサンディル様が目を閉じ終わりました。
光るボールを母が出して周りが明るくなります。
暫く誰も声を出しませんでしたが、私は思い出したのでそれを話しました。
「最後のは思い出しました。私忘れてたみたい。あの時キャンベラは口を抑えながら片手でここを離れろと合図をくれたんです。だから私アンディーを連れて部屋に戻ったの」
いつも虐められてたと思っていたキャンベラと仲良く遊んでた事もあったんだと思い出せない事も思い出した事もあって、知らずに涙が出ていました。
優しく祖母が頭を撫でて下さいます。
背中を祖父が擦って下さいます。
「アディル、俺が初めて君のシャボン玉を見た時は割としょっちゅう出して3人で楽しんでたんだよ。でもいつしかそれを封印してしまったみたいだった。キャンベラは確かに君たちに酷い事もしたと思うけど本心では違ってた事を知って欲しかったし、洗脳される前のメリルも普通の優しい子供だった事を知って欲しかったんだ」
サンディル様の言葉が身につまされます。
するとアンディーが不思議に思ったのでしょう疑問を口にしました。
「あの、キャンベラは僕らを嫌いで虐めてたんじゃないの?メリルも洗脳って何なの?」
父がアンディーや祖父母にもメリルが洗脳されていた事を話します。
3人の驚愕の表情。
私達も悪意に晒されていた一家だった事に3人も理解したようでした。
そして改めてキャンベラの本当の出自を父が3人に伝えました。
「キャンベラが侯爵家の娘だったの?そんな⋯可哀想に本当の親から離されて⋯⋯」
祖母が悲嘆に暮れ、祖父も項垂れております。
お二人のせいではないのに⋯⋯。
「私の傲慢な思いが貴方達にもあの子達にも悪影響だったのかしら、ごめんなさい、ごめんなさ⋯⋯」
何も悪くない祖母が泣いて途中から声にならない謝罪を繰り返してます。
「お義母様それは違います。お母様は私に教えて下さいました。そこに自分が助けられることがあるのならば差し伸べる手は惜しむべきではない、それが貴族に生まれたものの努めだと⋯⋯。でも私、私達夫婦はそれが出来なかった、メリルとキャンベラへ表面だけで接してただ自分達の子を守る為だけに⋯⋯。それがメリルの洗脳を益々強めていたのでしょう」
父と母も項垂れます。
「チェリーナ様それも俺は違うと思いますよ。人間って感情の生き物だ、それが悪いか良いかの判断基準も人それぞれ。チェリーナ様や伯爵が自分の子供を守る為の行動は誰にも責められない。祖父母がメリルやキャンベラを引き取った事も誰にも責められない。今回の件で責められるべきは元サイフェル侯爵家とアッパール家、ミント伯爵家、そして王家です」
サンディル様が父母と祖父母にキッパリと言いました。
266
あなたにおすすめの小説
邪魔者は消えますので、どうぞお幸せに 婚約者は私の死をお望みです
ごろごろみかん。
恋愛
旧題:ゼラニウムの花束をあなたに
リリネリア・ブライシフィックは八歳のあの日に死んだ。死んだこととされたのだ。リリネリアであった彼女はあの絶望を忘れはしない。
じわじわと壊れていったリリネリアはある日、自身の元婚約者だった王太子レジナルド・リームヴと再会した。
レジナルドは少し前に隣国の王女を娶ったと聞く。だけどもうリリネリアには何も関係の無い話だ。何もかもがどうでもいい。リリネリアは何も期待していない。誰にも、何にも。
二人は知らない。
国王夫妻と公爵夫妻が、良かれと思ってしたことがリリネリアを追い詰めたことに。レジナルドを絶望させたことを、彼らは知らない。
彼らが偶然再会したのは運命のいたずらなのか、ただ単純に偶然なのか。だけどリリネリアは何一つ望んでいなかったし、レジナルドは何一つ知らなかった。ただそれだけなのである。
※タイトル変更しました
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。
初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】記憶を失ったらあなたへの恋心も消えました。
ごろごろみかん。
恋愛
婚約者には、何よりも大切にしている義妹がいる、らしい。
ある日、私は階段から転がり落ち、目が覚めた時には全てを忘れていた。
対面した婚約者は、
「お前がどうしても、というからこの婚約を結んだ。そんなことも覚えていないのか」
……とても偉そう。日記を見るに、以前の私は彼を慕っていたらしいけれど。
「階段から転げ落ちた衝撃であなたへの恋心もなくなったみたいです。ですから婚約は解消していただいて構いません。今まで無理を言って申し訳ありませんでした」
今の私はあなたを愛していません。
気弱令嬢(だった)シャーロットの逆襲が始まる。
☆タイトルコロコロ変えてすみません、これで決定、のはず。
☆商業化が決定したため取り下げ予定です(完結まで更新します)
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。
彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。
公爵令嬢ルチアが幸せになる二つの方法
ごろごろみかん。
恋愛
公爵令嬢のルチアは、ある日知ってしまう。
婚約者のブライアンには、妻子がいた。彼は、ルチアの侍女に恋をしていたのだ。
ルチアは長年、婚約者に毒を飲ませられていた。近年の魔力低下は、そのせいだったのだ。
(私は、彼の幸せを邪魔する障害物に過ぎなかったのね)
魔力不足に陥った彼女の余命は、あと一年だという。
それを知った彼女は自身の幸せを探すことにした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる