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二重苦でも守ります!
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「お姉様は全っ然出てこないの、なんなら公爵家も一行だけなの」
「⋯⋯えっ公爵家?」
「うん話の冒頭らへんに三大公爵家って紹介みたいにチョロっと」
「チョロっと?」
「うん」
「公爵家が?」
「えぇ」
「⋯⋯⋯」
何ということでしょう!私モブですらなかった。
ビフォーもアフターもないじゃない!
小説の話の内容も現実ではあり得ない程ぶっ飛んでるけど、だって王太子マリエーヌ様を嫌ってるっぽかったもん。
あっ!でもツンデレって可能性も無きにしもあらずか。
そうなると強ちぶっ飛んでもいないのね。
「はぁ────」
大きなため息一つ、マルシェが悪役だなんてこんなに可愛いのに。あっ可愛いから悪役なのか、なんせ王太子を誑かすんだものね。
でもちょっぴり待ってよね、マルシェ魅了なんて使えるの?
「使えるわけないじゃない!生活魔法ですらやっとなのに」
まぁまだ私達は7歳だから何とも言えないんだけど、この世界には魔法が存在する。
辺境の方には魔獣もいるらしいけど見たことないからわからない。
領地の勉強してる時に軽く耳を掠った程度の知識だ。
でもとんでもビームや治癒とかそんな魔法を使える人は聞いたことがない。
私達の中では物語の世界と言っても過言ではない。
魔法はあってもそこまで皆が使いこなせてるわけでもなく。
精々がお湯を沸かす為の火を出したり花に水やりする程の水を出したりくらいかな。
氷を作れる人もいるらしいけど私とマルシェはそんなに魔法を使えない。
この国では主に魔導具に頼って生活している。
だって便利だもん魔導具。
電気も通信も料理や洗濯、生活の色んなものに魔導具は浸透していってる。
だから物語でよく出てくる『魅了』なる物は夢のまた夢。
まぁ将来マルシェに開花するかもしれないけれどそこまでしてマルシェは王妃になりたいのかな?
「なりたくありません!面倒くさい!」
あっそれってば不敬だけど共感できるわ。
マルシェの言葉に私はウンウンと頷いていた。
「でも内容ガラッと変わっちゃって本当にその小説なの?」
「中身は変わっちゃったけど登場人物が同じなんです名前が」
「そっかあ」
そっかぁやっぱりモブですらないのかぁ
面倒事に巻き込まれるのは嫌だけど、それでもちょっと期待していた自分がいる。
私って何役~ってね。
まさかのまさかでした、テンション下がるわ~。
でもそれなら私はマルシェに注力出来るってことよね。
私は自由に生きてもいいって事で、考えるのはマルシェが悪役なんかにならないようにすればいいってことか!
人間ポジティブに考えれば案外簡単じゃない?
だってマルシェが王太子と婚姻なんか出来るわけないもん!
だってマルシェは伯爵家の後継なのよ!って考えてからお義母様を思い出しちゃった。
そうかやりようによっては伯爵家を継ぎながら王妃もしようと思えば出来ちゃうんだ。
でも公爵夫人と王妃じゃあまた違うよね~。
思い悩む私にマルシェが心配そうに訊ねてきた。
「お姉様はいつ前世を思い出したの?」
「あぁジュースかけられた時よ」
「まぁそれでは昨年に?そうだったのですね」
「ねぇマルシェは私が前世を思い出した事を何故気付いたの?」
私はこの部屋に訊ねてきた時からの疑問を口にした、すると、
「偶然なんです、あの花壇で一緒にお花を植えてたでしょう?その時に⋯」
「その時に?」
「お姉様、鼻歌を歌ってらしていてその歌が妙に耳に馴染んだというか心地よいというか、そうしたら私倒れていたのです」
「えっ!私の鼻歌のせいでマルシェ倒れたの!」
「いえそれはきっかけで逆上せたのは間違いないですから。そして夢の中の出来事なのか前世がうわ~っと脳裏に顕れて目が覚めて、あぁお姉様の歌は前世の歌だったのだと気付いたんです」
マルシェはニッコリ笑って「お上手でした」と言ったけど、私は顔が真っ赤になった。
何故なら私は音痴の運痴なのだ!
まだ7歳だからいつか挽回出来るかもしれないけれど今の時点ではまさしく運痴に音痴の二重苦だ!
えっでも鼻歌だったら音痴じゃなかったのかしら?
少しの期待を持ってマルシェを見ると微妙な生温かい目でニッコリしてるので、音痴は音痴だったのだと項垂れた。
お父様にお強請りしてお歌の先生呼んでもらおうかしら?
胸の内で新たにお強請りリストを作っていたら不安そうなマルシェがテーブルのクッキーを一つ摘みながら訴えてきた。
「お姉様、私如何すればいいのかしら?」
少し考えてから助言をしてみた。
「マルシェ私ね、前世を思い出した時、ここが異世界だと気付いたけど、具体的な物は何も解らなかったわ。その時にね何か対策立てたほうが良いのかなとか色々と考えてみたのだけれど全く思い浮かばなかったの。やることないのよね~、上位貴族の人と婚約しなければなんて思ったとしても私達は貴族なんだからそんなの回避できるわけないじゃない?商会を立ち上げたくても7歳ではよっぽど優秀な協力者がいなければ不可能だし。アレコレ考えても今の時点で出来るのはよく学びよく遊ぶって、当たり前のそれしかなかったのよ。だからマルシェも学べばいいと思う。小説の中のマルシェは何も学んでいないマルシェでしょう、これだけお話しが変わってしまったから先も良くわからないし⋯だったら今できるのは学ぶ事だけよ!」
最後は自分にも言い聞かすように宣言したらマルシェが私を尊敬の眼差しでうるうる見てくる。
えっ?マルシェそんなキャラだった?
「お姉様凄いです!無茶苦茶説得力あります!そうですね私明日から良く学んで良く遊んでこの異世界を満喫します。お姉様も一緒に!ねっ」
その笑顔は反則級に可愛いぞ!
大丈夫よマルシェ
貴方は私が守るからね!
「⋯⋯えっ公爵家?」
「うん話の冒頭らへんに三大公爵家って紹介みたいにチョロっと」
「チョロっと?」
「うん」
「公爵家が?」
「えぇ」
「⋯⋯⋯」
何ということでしょう!私モブですらなかった。
ビフォーもアフターもないじゃない!
小説の話の内容も現実ではあり得ない程ぶっ飛んでるけど、だって王太子マリエーヌ様を嫌ってるっぽかったもん。
あっ!でもツンデレって可能性も無きにしもあらずか。
そうなると強ちぶっ飛んでもいないのね。
「はぁ────」
大きなため息一つ、マルシェが悪役だなんてこんなに可愛いのに。あっ可愛いから悪役なのか、なんせ王太子を誑かすんだものね。
でもちょっぴり待ってよね、マルシェ魅了なんて使えるの?
「使えるわけないじゃない!生活魔法ですらやっとなのに」
まぁまだ私達は7歳だから何とも言えないんだけど、この世界には魔法が存在する。
辺境の方には魔獣もいるらしいけど見たことないからわからない。
領地の勉強してる時に軽く耳を掠った程度の知識だ。
でもとんでもビームや治癒とかそんな魔法を使える人は聞いたことがない。
私達の中では物語の世界と言っても過言ではない。
魔法はあってもそこまで皆が使いこなせてるわけでもなく。
精々がお湯を沸かす為の火を出したり花に水やりする程の水を出したりくらいかな。
氷を作れる人もいるらしいけど私とマルシェはそんなに魔法を使えない。
この国では主に魔導具に頼って生活している。
だって便利だもん魔導具。
電気も通信も料理や洗濯、生活の色んなものに魔導具は浸透していってる。
だから物語でよく出てくる『魅了』なる物は夢のまた夢。
まぁ将来マルシェに開花するかもしれないけれどそこまでしてマルシェは王妃になりたいのかな?
「なりたくありません!面倒くさい!」
あっそれってば不敬だけど共感できるわ。
マルシェの言葉に私はウンウンと頷いていた。
「でも内容ガラッと変わっちゃって本当にその小説なの?」
「中身は変わっちゃったけど登場人物が同じなんです名前が」
「そっかあ」
そっかぁやっぱりモブですらないのかぁ
面倒事に巻き込まれるのは嫌だけど、それでもちょっと期待していた自分がいる。
私って何役~ってね。
まさかのまさかでした、テンション下がるわ~。
でもそれなら私はマルシェに注力出来るってことよね。
私は自由に生きてもいいって事で、考えるのはマルシェが悪役なんかにならないようにすればいいってことか!
人間ポジティブに考えれば案外簡単じゃない?
だってマルシェが王太子と婚姻なんか出来るわけないもん!
だってマルシェは伯爵家の後継なのよ!って考えてからお義母様を思い出しちゃった。
そうかやりようによっては伯爵家を継ぎながら王妃もしようと思えば出来ちゃうんだ。
でも公爵夫人と王妃じゃあまた違うよね~。
思い悩む私にマルシェが心配そうに訊ねてきた。
「お姉様はいつ前世を思い出したの?」
「あぁジュースかけられた時よ」
「まぁそれでは昨年に?そうだったのですね」
「ねぇマルシェは私が前世を思い出した事を何故気付いたの?」
私はこの部屋に訊ねてきた時からの疑問を口にした、すると、
「偶然なんです、あの花壇で一緒にお花を植えてたでしょう?その時に⋯」
「その時に?」
「お姉様、鼻歌を歌ってらしていてその歌が妙に耳に馴染んだというか心地よいというか、そうしたら私倒れていたのです」
「えっ!私の鼻歌のせいでマルシェ倒れたの!」
「いえそれはきっかけで逆上せたのは間違いないですから。そして夢の中の出来事なのか前世がうわ~っと脳裏に顕れて目が覚めて、あぁお姉様の歌は前世の歌だったのだと気付いたんです」
マルシェはニッコリ笑って「お上手でした」と言ったけど、私は顔が真っ赤になった。
何故なら私は音痴の運痴なのだ!
まだ7歳だからいつか挽回出来るかもしれないけれど今の時点ではまさしく運痴に音痴の二重苦だ!
えっでも鼻歌だったら音痴じゃなかったのかしら?
少しの期待を持ってマルシェを見ると微妙な生温かい目でニッコリしてるので、音痴は音痴だったのだと項垂れた。
お父様にお強請りしてお歌の先生呼んでもらおうかしら?
胸の内で新たにお強請りリストを作っていたら不安そうなマルシェがテーブルのクッキーを一つ摘みながら訴えてきた。
「お姉様、私如何すればいいのかしら?」
少し考えてから助言をしてみた。
「マルシェ私ね、前世を思い出した時、ここが異世界だと気付いたけど、具体的な物は何も解らなかったわ。その時にね何か対策立てたほうが良いのかなとか色々と考えてみたのだけれど全く思い浮かばなかったの。やることないのよね~、上位貴族の人と婚約しなければなんて思ったとしても私達は貴族なんだからそんなの回避できるわけないじゃない?商会を立ち上げたくても7歳ではよっぽど優秀な協力者がいなければ不可能だし。アレコレ考えても今の時点で出来るのはよく学びよく遊ぶって、当たり前のそれしかなかったのよ。だからマルシェも学べばいいと思う。小説の中のマルシェは何も学んでいないマルシェでしょう、これだけお話しが変わってしまったから先も良くわからないし⋯だったら今できるのは学ぶ事だけよ!」
最後は自分にも言い聞かすように宣言したらマルシェが私を尊敬の眼差しでうるうる見てくる。
えっ?マルシェそんなキャラだった?
「お姉様凄いです!無茶苦茶説得力あります!そうですね私明日から良く学んで良く遊んでこの異世界を満喫します。お姉様も一緒に!ねっ」
その笑顔は反則級に可愛いぞ!
大丈夫よマルシェ
貴方は私が守るからね!
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