【完結】オレンジ色の空に誓う

maruko

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大概にしろ

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側妃様がコルシェ侯爵のエスコートで厚顔無恥にも陛下と王妃様に挨拶に来られました。
すぐ隣でリスキャリー様と私もその様子を見つめます。

「陛下本日はおめでとうございます」

「何故側妃はここに来られたのか?」

「あら事前にお伺い立てた時、好きにするようにと仰いましたわ。なので好きにしましたの」

側妃様はとても楽しそうに笑顔を陛下に披露されました。
顔だけならとても美しいのに⋯勿体無い。

「そうか、ではその時もう一つ一緒に言った言葉も勿論覚えているだろうな」

「⋯⋯もう一つ⋯ですか?」

「あぁ昨日のことなのだから忘れるはずないだろう?」

なんと!側妃様は昨日陛下にお伺いを立てて本日の参加とは⋯⋯そのドレス一日で仕上がったとは思えないですし、最新の物ですよね?
前もって用意してたとしか思えません。
何がなんでも参加して私へ嫌がらせでもしようと思ったのかしら?

私と同じ事をリスキャリー様も思ったらしく、触れ合っていた手をギュッと握って「大丈夫」と言って下さいました。

側妃様は何を言われたか覚えてなさそうで首を捻って居られます。

「宰相」

「はい!」

「其方私と同席していたであろう。説明してやれ」

「はっ!」

そう言ってハシュテイ侯爵である宰相様(サイゼル様とルーカスのお父様です)は手帳を胸元から取り出しました。
そんな事までメモってるのね、凄いわ。

「昨日午後、側妃のセリーヌ様が執務室にお越しになり、姪のデビュタントを見届けたいからとパーティの参加を懇願されました。陛下がパートナーはどうするのかと仰ってコルシェ侯爵に頼むと側妃様はお伝えしておりました、んっんっ。
側妃のパーティ参加は例外なく認められないと陛下が仰ったにも関わらず、かなり執拗く懇願されていました。
陛下がもう好きにせよ、その代償も払う覚悟であるのならばよしと仰っておられました、以上です」

途中の咳払いは側妃様が何か反論しようとしたのを牽制したみたいでした。
それにしてもメモが凄いわ。
おそらく水掛け論になるのを防ぐ為に常から書き留めておられるのでしょう。
宰相様、尊敬します。

「で、あるな。では⋯」

そう言って陛下は目の前の側妃様とコルシェ侯爵を避けて、壇上で手を上げます。
楽団の指揮者が指揮棒を止めました。
途端に音楽が鳴り止みダンスを踊っていた方々も、何事かと壇上の陛下を見つめ、手を上げた陛下を認めると臣下の礼を取り始めます。

勿論リスキャリー様と私も同様です。

王妃様はそのまま座っておられました。
呆然と何がなんだか解らないという風に立ち尽くしているのは側妃様だけです。
その側妃様のドレスの裾をコルシェ侯爵が摘んでツンツンと引っ張っているのが私の目に入りました。

「本日を持って側妃セリーヌを廃妃、第一王女の王位継承権の剥奪をここに宣言する!」

陛下の爆弾は貴族達の間を最初は静寂が波を打つように、段々とザワザワが始まり「何故ですか!」と言う側妃様の言葉が引き金になり、会場中にざわめきと中には怒号が飛び交い始める事となったのです。

皆に聞こえたかは解りませんが私にははっきりと聞こえました。

陛下と王妃様の揃ったお声が

「「身の程知らずも大概にせよ」」

側妃様調子に乗り過ぎちゃったみたいです。
そのせいで王女様までとばっちりです。

側妃様は何故か陛下に縋らずに王妃様に掴みかかろうとされました。
すぐ様捉えられ何処かへ連行されています。

陛下に促されリスキャリー様と私も退場する事になり、控室に案内されます。
王妃様は大事を取ってお部屋へとそのまま向かわれました。

デビュタントと婚約発表という晴れ舞台は側妃の暴挙で尻蕾になりましたが、どうも陛下と宰相様の様子では、解っていたような気がします。

どうせなら違う機会にして欲しかった。
そう残念に思っていたら同じ気持ちだったみたいです。

「父上!私とエルファイアの門出を利用しましたね、この貸しは高く見積もらせてもらいますから」

リスキャリー様の常にない声色は、とてもとても低く閻魔大王か!と心の中で突っ込んだけど、閻魔大王は前世のものだったわ。
と、こっちでは何?

私の思考は横道をどんどん逸れて行くのでした。




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