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7 謁見
王城の案内係に連れられて陛下との謁見に向かいます。後ろから控えて着いて来ていたレマールが、途中でソソソっと前に出てきて私の耳元で囁きました。
「小伯爵さまは何方に?」
私は黙って首を左右に振ります。
レマール、そんなの私が知りたいですわ。
そのまま黙って着いて行きますと到頭案内係に言われましたの。
「此方です、少々お待ちください」
えっとぉエスコートする筈のリヒト様にはまだ会えてないのです!私このまま一人で陛下に謁見するのでしょうか?
「遅いな、やっとか」
不安に思っていたら、廊下に置かれていた大きめな陛下の胸像の影からリヒト様が現れました。
漸くお顔を拝見しましてホッとして微笑みましたらリヒト様はボソッとおかしな事を仰いました。
「以前よりも丸くなったのだな」
以前?以前とはいつの事でしょうか?
昨日ですか?いえ昨日の事を以前というのは流石に無理があるように思えます。
ですがその質問を口に出すことは出来ませんでした。
徐に出された肘に手を添えるとリヒト様はサッサと中に入られたのです。
まぁ直ぐに扉が開きましたから当然といえば当然ですが、一拍位置いてくれてもよろしいのではないでしょうか?
心の準備もさせてもらえずに、陛下の前まで進みます。
謁見の間と思っていましたら、そこはどうやら陛下の執務室の様にお見受けしました。
大きく長めの机に肘を付き両手の指を組んで、それを顎に乗せられている陛下が笑みを浮かべて私達を見上げております。
リヒト様がゆっくりと跪き胸に手を当て臣下の礼を、それに合わせて私は深いカーテシーでご挨拶させて頂きました。
「王国の太陽にご挨拶申し上げます」
リヒト様の意外に澄んだ声が響きます。
私はその声に少しばかり驚きました、が私もご挨拶せねばなりません。
「王国の太陽にお会い出来て光栄に存じます」
私達が頭を垂れておりますと陛下は「上げよ」と仰せになりました。
「久しぶりだなリーシャ、私の事を覚えているだろうか?」
実は私の父と陛下は畏れ多くも知己の間柄です。幼い頃に何度か陛下とはお会いしていたらしいのですが、なにぶん幼すぎて全く覚えておりません。
「⋯⋯⋯⋯申し訳ございません」
本当の事を言っても良いのか迷いましたが取繕ってもボロが出ますので、正直に覚えてないと意思表示させて頂きました。
私の無礼な言葉に陛下は気を悪くすることもなく「そうかそうか」と笑ってくださいました。
「屋敷は不自由ないか?」
「はい、維持して頂きありがとう存じます」
その後二言三言の対話を私とされた陛下はリヒト様に、休暇をお与えになりました。
結婚式前の準備を入念にせよとのお達しです。
正直もうしまして、今更感は拭えませんが陛下のお心遣いには感謝致しましたの。
だって全て伯爵と父とで決めてしまって私はドレスすらまだ見ておりません。
リヒト様と細かい事を打ち合わせできれば、この迷いも払拭出来そうで良かったなと思ったのです。
ですが⋯。
部屋を出て早々に私は打ちのめされた気になりました。
「では、結婚式で」
そう言ってリヒト様は私の前から去って行きました。
呆然としていた私は一歩出遅れまして、呼び止めようと思った時には既にリヒト様のお姿は目の前から居なくなっておりました。
「小伯爵さまは何方に?」
私は黙って首を左右に振ります。
レマール、そんなの私が知りたいですわ。
そのまま黙って着いて行きますと到頭案内係に言われましたの。
「此方です、少々お待ちください」
えっとぉエスコートする筈のリヒト様にはまだ会えてないのです!私このまま一人で陛下に謁見するのでしょうか?
「遅いな、やっとか」
不安に思っていたら、廊下に置かれていた大きめな陛下の胸像の影からリヒト様が現れました。
漸くお顔を拝見しましてホッとして微笑みましたらリヒト様はボソッとおかしな事を仰いました。
「以前よりも丸くなったのだな」
以前?以前とはいつの事でしょうか?
昨日ですか?いえ昨日の事を以前というのは流石に無理があるように思えます。
ですがその質問を口に出すことは出来ませんでした。
徐に出された肘に手を添えるとリヒト様はサッサと中に入られたのです。
まぁ直ぐに扉が開きましたから当然といえば当然ですが、一拍位置いてくれてもよろしいのではないでしょうか?
心の準備もさせてもらえずに、陛下の前まで進みます。
謁見の間と思っていましたら、そこはどうやら陛下の執務室の様にお見受けしました。
大きく長めの机に肘を付き両手の指を組んで、それを顎に乗せられている陛下が笑みを浮かべて私達を見上げております。
リヒト様がゆっくりと跪き胸に手を当て臣下の礼を、それに合わせて私は深いカーテシーでご挨拶させて頂きました。
「王国の太陽にご挨拶申し上げます」
リヒト様の意外に澄んだ声が響きます。
私はその声に少しばかり驚きました、が私もご挨拶せねばなりません。
「王国の太陽にお会い出来て光栄に存じます」
私達が頭を垂れておりますと陛下は「上げよ」と仰せになりました。
「久しぶりだなリーシャ、私の事を覚えているだろうか?」
実は私の父と陛下は畏れ多くも知己の間柄です。幼い頃に何度か陛下とはお会いしていたらしいのですが、なにぶん幼すぎて全く覚えておりません。
「⋯⋯⋯⋯申し訳ございません」
本当の事を言っても良いのか迷いましたが取繕ってもボロが出ますので、正直に覚えてないと意思表示させて頂きました。
私の無礼な言葉に陛下は気を悪くすることもなく「そうかそうか」と笑ってくださいました。
「屋敷は不自由ないか?」
「はい、維持して頂きありがとう存じます」
その後二言三言の対話を私とされた陛下はリヒト様に、休暇をお与えになりました。
結婚式前の準備を入念にせよとのお達しです。
正直もうしまして、今更感は拭えませんが陛下のお心遣いには感謝致しましたの。
だって全て伯爵と父とで決めてしまって私はドレスすらまだ見ておりません。
リヒト様と細かい事を打ち合わせできれば、この迷いも払拭出来そうで良かったなと思ったのです。
ですが⋯。
部屋を出て早々に私は打ちのめされた気になりました。
「では、結婚式で」
そう言ってリヒト様は私の前から去って行きました。
呆然としていた私は一歩出遅れまして、呼び止めようと思った時には既にリヒト様のお姿は目の前から居なくなっておりました。
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