婚約者様は妄想と違っておりました

maruko

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14 不安

 このアルーステン辺境伯のタウンハウスは約16年の間、陛下の管理下にありました。
 そして中で働く使用人達は陛下直属の王宮の者達で構成されておりますので、移動がとても多いのです。
 ハイデルだけはずっと移動はありませんでしたが、他の者は2年ないし3年の任期のものが殆どだったようです。
 その前任者達の中からマリアンがここへ来た2年前に勤務していた者たちから、レマール達は聞き込みを始めたようです。

 皆陛下直属の者達ですので身元があやふやな者などおりませんでしたから、引退していた者達でも容易に探せたと聞きました。

 ですがあまり馨しい収穫はありませんでした。

 マリアンが滞在していたと思っていた半年間のうちでこの屋敷に居たのは1ヶ月もなかったと今回初めて知りました。
 ずっとここに居たと思っていたのですけれど⋯。

 やはりリヒト様に何があったかを訊ねるしかないのでしょうか?

 でもあの方、思い込みも激しそうで聞いても主観でしか話さないのであれば益々分からなくなりそうで困ります。

 どうすればよろしいかしら?

 陛下の執務室の前で、かのスピカ嬢は虚言癖があると断定して頂きましたから、その誤解している2年前の虐め、おそらくマリアンとスピカ嬢の間で今回みたいな事があったのだと考えられますが、それも虚言若しくは誤解だと考えてくれていればよろしいのですけど。
 別に考えているかもしれませんし、あまり期待は出来ませんものねぇ

 それと気になるのがもう一点

 リヒト様はあの日依頼御見舞にも訪れていないのです。一度パーレル伯爵夫人が先触れを出して下さったのですが、私がまだ寝たり起きたりの時だったのでハイデルが丁重に御見舞を辞退したようです。

 その後は夫人とオリビア様からはお手紙を頂戴しましたが、肝心のリヒト様からは音沙汰なしでございます。あの方陛下から休暇を頂いていたはずですが何をなさっているのでしょうか?

 沸々と不安だけが湧き上がる毎日。

 私このままリヒト様と結婚してもよろしいのでしょうか?

 



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