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私のせいではありません
【17】
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ユメールは朝が弱い。
いつまでもシーツに潜り込みマリーやミリナの手を煩わせていた。
しかし最近はその苦労がなくなり二人は安堵している。
何故なら朝早く起きなければならない日はカリーナに当番をしてもらっているから。
カリーナが起こすと何故かユメールは飛び起きる。
何故なのかはユメール本人も聞きたいのだ。
第二王女派の七不思議の一つだ。
まぁ不思議は七つもない。
あとは猫を被ってるくらいの話。
その日も朝の当番はカリーナだった。
「ユメール様おはようございます」
「おはよう!」
カリーナのおはようございますを聞くだけでユメールは起きてしまう。
まさかカリーナは物語に度々出てくる魔法使いではないかと最近疑っている。
(空想の人物が目の前に)
そんな戯言を思うほどユメールは浮かれていたのかもしれない。
今日の昼に到着すると帝国の大使館より連絡があった。
あの怒涛の宣言から約2ヶ月
久しぶりに会うアントリックはどんな風になっているのか、ユメールは興味津々なのだ。
実際に見ていたアントリックと手紙のアントリックが一致しないからと云うのが理由だが、侍女達には「照れてるだけなのでは?」と一言で片付けられる。
(それじゃあつまらないじゃない)
帝国の皇太子妃になるべく勉強のし過ぎで、この所娯楽も遊びもない生活をしてきた窮屈なユメールはアントリックが来たら揶揄って遊ぼう位の緊張感の無さであった。
そんな事を考えてカリーナにされるがままになり朝の仕度をしていたら、廊下から物凄い足音がして、ノックされた。
カリーナが確認しに行き宰相の訪れを告げる。
肩で息をしている宰相が入ってきてその様子に目を瞠っているととんでもない事を言い出した。
「皇子がご到着しました」
「は?」
「ですから皇子が「聞こえてるわ昼じゃなかったの?」」
あまりの驚きに宰相の声に被せてユメールは確認する。
「聞いておりましたご予定は午後でしたが、皇子様は早く着いたからと仰せで」
ユメールは飽きれてしまう、例え早く着いたとしても午後と言っていたのだから大使館なりなんなりで時間つぶしてきてよねと思っていると宰相に急かされる。
「では第二応接室に急ぎお越しください」
そう言ってさっさと部屋を出た。
「何なの?あの人朝早く来るの趣味?」
「ユメール様、急ぎますわよ」
普通に髪を梳いていたカリーナが侍女部屋にとって返し今日の担当の残りの二人を連れてきた。
昼まではのんびり出来ると思い簡単な服を着ていたのに、身ぐるみ剥がされ着替えさせられる。
ただでさえ今日は早めに起きたのに朝イチから2度も着替えるとは思わなかったユメール。
「全く何なの⋯」
ユメールの何時もの愚痴が始まりそうになったので有無を言わせず髪を弄りだした3名は只管ユメールの銀髪に集中するのだった。
仕度を終えて応接室に行くと、陛下が既にお越しになって皇子と談笑していた。
「おっユメール思ったより早かったな」
陛下の声に「おはようございます」とだけ言ってアントリックに向き合う。
2ヶ月ぶりに見る見目麗しい皇子は、その顔とは裏腹な毒舌を何時も発していた。
さて、今日はどちらのアントリック?
「皇子様、長旅ご苦労様に存じます。お越しいただき恐悦至極でございます」
「何だその挨拶は」
毒舌君だったのでユメールも普通にしようと返事をする。
「あまりにも早すぎて口がよく回りませんでした。お・は・よ・う・ございます」
「朝早いのを宛て擦ってるのか?早く婚約者殿に会いたかっただけなのだが」
えっ?どっちだ?ラブラブ君の方に切り替わったぞ?と心の中で思い、少し呆けてから「御冗談を」と言いかけてそれはあまりに不敬なのでユメールは口を噤んだ。
「会いたかったとは言ってくれぬのだな」
「いえ⋯会いた⋯かった⋯⋯です」
目の前の毒舌最強アントリックが不快な男ナンバーワンだったアントリックが、2ヶ月で変貌した事に戸惑いを隠せない。
私の婚約者ってまだ婚約してなかったわよね?
いつまでもシーツに潜り込みマリーやミリナの手を煩わせていた。
しかし最近はその苦労がなくなり二人は安堵している。
何故なら朝早く起きなければならない日はカリーナに当番をしてもらっているから。
カリーナが起こすと何故かユメールは飛び起きる。
何故なのかはユメール本人も聞きたいのだ。
第二王女派の七不思議の一つだ。
まぁ不思議は七つもない。
あとは猫を被ってるくらいの話。
その日も朝の当番はカリーナだった。
「ユメール様おはようございます」
「おはよう!」
カリーナのおはようございますを聞くだけでユメールは起きてしまう。
まさかカリーナは物語に度々出てくる魔法使いではないかと最近疑っている。
(空想の人物が目の前に)
そんな戯言を思うほどユメールは浮かれていたのかもしれない。
今日の昼に到着すると帝国の大使館より連絡があった。
あの怒涛の宣言から約2ヶ月
久しぶりに会うアントリックはどんな風になっているのか、ユメールは興味津々なのだ。
実際に見ていたアントリックと手紙のアントリックが一致しないからと云うのが理由だが、侍女達には「照れてるだけなのでは?」と一言で片付けられる。
(それじゃあつまらないじゃない)
帝国の皇太子妃になるべく勉強のし過ぎで、この所娯楽も遊びもない生活をしてきた窮屈なユメールはアントリックが来たら揶揄って遊ぼう位の緊張感の無さであった。
そんな事を考えてカリーナにされるがままになり朝の仕度をしていたら、廊下から物凄い足音がして、ノックされた。
カリーナが確認しに行き宰相の訪れを告げる。
肩で息をしている宰相が入ってきてその様子に目を瞠っているととんでもない事を言い出した。
「皇子がご到着しました」
「は?」
「ですから皇子が「聞こえてるわ昼じゃなかったの?」」
あまりの驚きに宰相の声に被せてユメールは確認する。
「聞いておりましたご予定は午後でしたが、皇子様は早く着いたからと仰せで」
ユメールは飽きれてしまう、例え早く着いたとしても午後と言っていたのだから大使館なりなんなりで時間つぶしてきてよねと思っていると宰相に急かされる。
「では第二応接室に急ぎお越しください」
そう言ってさっさと部屋を出た。
「何なの?あの人朝早く来るの趣味?」
「ユメール様、急ぎますわよ」
普通に髪を梳いていたカリーナが侍女部屋にとって返し今日の担当の残りの二人を連れてきた。
昼まではのんびり出来ると思い簡単な服を着ていたのに、身ぐるみ剥がされ着替えさせられる。
ただでさえ今日は早めに起きたのに朝イチから2度も着替えるとは思わなかったユメール。
「全く何なの⋯」
ユメールの何時もの愚痴が始まりそうになったので有無を言わせず髪を弄りだした3名は只管ユメールの銀髪に集中するのだった。
仕度を終えて応接室に行くと、陛下が既にお越しになって皇子と談笑していた。
「おっユメール思ったより早かったな」
陛下の声に「おはようございます」とだけ言ってアントリックに向き合う。
2ヶ月ぶりに見る見目麗しい皇子は、その顔とは裏腹な毒舌を何時も発していた。
さて、今日はどちらのアントリック?
「皇子様、長旅ご苦労様に存じます。お越しいただき恐悦至極でございます」
「何だその挨拶は」
毒舌君だったのでユメールも普通にしようと返事をする。
「あまりにも早すぎて口がよく回りませんでした。お・は・よ・う・ございます」
「朝早いのを宛て擦ってるのか?早く婚約者殿に会いたかっただけなのだが」
えっ?どっちだ?ラブラブ君の方に切り替わったぞ?と心の中で思い、少し呆けてから「御冗談を」と言いかけてそれはあまりに不敬なのでユメールは口を噤んだ。
「会いたかったとは言ってくれぬのだな」
「いえ⋯会いた⋯かった⋯⋯です」
目の前の毒舌最強アントリックが不快な男ナンバーワンだったアントリックが、2ヶ月で変貌した事に戸惑いを隠せない。
私の婚約者ってまだ婚約してなかったわよね?
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