護衛騎士が勝手に侍ります(泣)

maruko

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帝国編

【49】

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アントリックはその後も勉強会を続けていたある日ユメールが熱を出したと聞いた。
御見舞に部屋に向かったアントリックに側近のトールが待ったをかけた。

「アントリック様ユメール様の体調が風邪などの感染る病でしたら万が一貴方様に感染ると困ります」

其れは側近ならば当たり前に心配することだった。
だが普段のアントリックだったらその言葉に異を唱えて見舞った事だろう。
だがこの時のアントリックは持て余し気味のユメールが病ならばおそらく機嫌が悪いだろう、見舞っているうちにまた言い合いになっては良くないだろうとユメールの気持ちや行動を勝手に自分の都合のいいように想像して大人しくトールの言葉に頷いた。

扉の前で待機していたノルティに急変したら知らせてくれという伝言にとどめ、そのまま学園に出発した。
この時のアントリックの様子でノルティ等護衛騎士達にも新たにアントリックへの不信感が芽生えた事にアントリックは気付なかった。

その日はユメールがいないという開放感からなのかアントリックは失態を冒す。
マルデリータに請われるまま昼食を共にしたのだ、これにはトールも苦言を呈したが「可哀想だから一度だけ」と言い訳をした。

それだけではなく図書室での勉強会の後に「そろそろ試験があるから今日で勉強会はやめようと思う、だけど帰りに今まで頑張ったご褒美が欲しい」とマルデリータに言われてカフェによって帰ってきてしまった。

この2つの失態が何を生むのかとはその時のアントリックは考えていなかった。
(勉強会なくなるのか)と残念に思う気持ちまで芽生えていた。

城に帰ったアントリックはその足でユメールの部屋に赴いたのだが彼女には会えなかった。
まだ熱が下がっていないと言う。
扉を開けようとしたスバルディンに「感染ると困るから」と言って自室へと帰ったからだ。

その日一日中アントリックの行動を見ていたミリナとノルティはしっかりとユメールに報告を上げていた。

熱が下がりきらないユメールだったがモンマルトルの大使館へ使いを出す。
大使のファザー伯爵は速攻で訪ねてくれた。
熱のある状態での対話だったが伯爵はユメールの願いを承諾した。

その足で皇妃の所へ行きユメールの気持ちを代弁してくれた。
怒りに震える皇妃、そのままの勢いで皇帝に会いあっという間にユメールの帰国が整った。

2日後熱の下がったユメールはアントリックと話しをする事になった。

「手綱を握りながら悋気をも上手く使うのだ、それが王族なんだ」
兄の言葉を思い出すユメール。
(お兄様、私は手綱を握る事も悋気を上手く使う事も出来ませんでした。でも王女として最低限の事だけはやり遂げます)



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