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保留期間(元夫の奮闘と母子の変化)
職場
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「じゃじゃあお願いします」
「まっ任せて」
「ははうえ~いってぇらっちゃ~い」
今日はロイドをカイルに預ける初日、私は預けるカイルは預かる、お互いに緊張して迎えた。
ロイドは⋯⋯通常運転?に見える。
姉の所からいつもロイドを見てくれるルーマン夫婦が、今回はお手伝いに来てくれる予定だから大丈夫な筈なのについ心配してしまう。
それでも時間は待ってはくれず職場へ急いだ。
◇◇◇
「おはようございますミセスロミー」
「おはようございますマリナ」
いつもと変わらないミセスロミーの顔を見たら私も通常に戻れそうな気がした。
忙しさに没頭している時は忘れてしまうけれど、ちょっとした合間にはロイドを思い出す。
これはいつもの事だけど、今日はロイドを思い出すとカイルも出てくる。
やはり預ける事に不安がある。
私はどうしても捨てられたという思いをまだ払拭出来ずにいる。
でもロイドはどんどんカイルに懐いていく、当たり前だ父親なのだから。
それを否定したらいけないのに、ついこれ以上懐かないで、なんて思う私は母親失格なのだろうか?
そんな事を考えてたらうっかりミスをしてしまい、補佐に注意される。
仕事にプライベート持ち込んだら駄目よ!と自分で自分を脳内で叱る。
駄目今日はこれの繰り返し。
昼休憩はいつもミセスロミーと食堂で取っているのだが、今日は彼女に外に出ようと誘われた。
近くの店まで並んで歩きながら彼女のお喋りに相槌を打つ。
「ここよ、とても美味しいの。気に入るといいけど」
彼女に連れて行かれた店は少しメイン通りから、裏に抜ける道沿いにあった。
見た目より中は広くミセスロミーは店員に案内されることなく真っ直ぐ一つの席に座った。
私も彼女の対面に座ると「いつもの席なの」と言っていた。
私とミセスロミーは、2年半の付き合いだ。
職場での先輩はプライベートが謎で私にはよく解らない。
ミセスロミーという呼び名も上司である会長補佐がそう呼ぶようにと言うのでその通りにしている。
なぜその呼び名なのか一度聞いてみたが話しを変えられたので、聞かないほうがいいと判断した。
私の事情は職場ではバレているので隠しようがない。
今回もかなり休みを貰っているので一緒に働く部署の皆には迷惑をかけている事は自覚している。
それにも関わらず今日はミスが多いのだ。
テーブルに座って直ぐに謝罪した。
「今日はご迷惑かけてすみません」
「えっ?あぁ気にしないでいいわよ今日のミスは外に出ない物だからそんなに問題ではないわよ」
「ですが⋯⋯」
「先輩が今日はマリナに重要書類を回すなって言われたから何かあるんだろうとは思っていたけど」
「えっ?補佐がですか?」
「えぇ」
恥ずかしい。
私は義兄の会社で働くようになって自分なりに仕事を覚えたつもりだけど、義兄に言わせると全然駄目だそうだ。
それが今回はミスまでしているし、プライベートを仕事に持ち込みすぎている。
しかもフォローまで⋯⋯穴があったら入りたい。
「それも気にしなくていいのよ」
「ですが⋯恥ずかしいです」
「そう思うわよね、私もそうだったし」
「ミセスロミーが?」
「フフ、その呼び名自体がその名残なのよ、でも感謝もしてるから変えないでね」
「えっ?」
「まだ入ったばかりの頃、なかなか仕事を覚えられなくてミスばかりしている私は、当時の上司からかなり叱責されていたの」
「そうだったのですか?」
「マリナ敬語に戻ってるわね今日は」
「あっ」
あまり敬語は使わないようにと言われていたのに、ミスばかりしてしまったからか、つい敬語に戻っていたようだ。
それにしても仕事が完璧なのだと思っていたミセスロミーも最初があったんだと当たり前のことを思ってしまった。
「ミスばっかりで、またミス、まただミス、おいミスなんてね。注意されてばかりでかなり落ち込んだけど、仕事は慣れれば段々出来るようになるでしょう」
「⋯⋯」
「そうしたらミスって言われなくなって、先輩が漸くミスからミセスになったなって冗談を言われたの、だから初心を忘れないようにそう呼んで下さいって先輩にお願いしたの。それからミセスロミーなのよ」
ミセスロミーの誕生秘話を聞いてつい笑ってしまったけれど、きっと励ましてくれてるんだと理解した。
「ありがとうミセスロミー」
「フフ、ロイド君の心配でしょう。子供の事は個性もあるから、あまり気の利いたアドバイスは出来ないけれど相談したくなったら、話してみてね」
「はい、その時はお願いします」
不思議とその後は落ち着いて仕事に臨めた。
彼女のフォローは確実に私に響いた。
仕事から一旦自宅に帰り、荷物を置いてロイドを迎えに行く。
いつもの行動だけど今日は行き先が違う。
カイルの家に行くとルーマン夫婦が丁度帰るところだった。
「今日はありがとうございます」
「いえいえいつも楽しくさせてもらってるから、また明日も来ますね」
二人の背中を見つめていたら足に衝撃を受けた。
「ははうえ~おちゃえり~」
下から見上げているロイドの眩しい笑顔に一日の疲れが吹き飛んだ。
「まっ任せて」
「ははうえ~いってぇらっちゃ~い」
今日はロイドをカイルに預ける初日、私は預けるカイルは預かる、お互いに緊張して迎えた。
ロイドは⋯⋯通常運転?に見える。
姉の所からいつもロイドを見てくれるルーマン夫婦が、今回はお手伝いに来てくれる予定だから大丈夫な筈なのについ心配してしまう。
それでも時間は待ってはくれず職場へ急いだ。
◇◇◇
「おはようございますミセスロミー」
「おはようございますマリナ」
いつもと変わらないミセスロミーの顔を見たら私も通常に戻れそうな気がした。
忙しさに没頭している時は忘れてしまうけれど、ちょっとした合間にはロイドを思い出す。
これはいつもの事だけど、今日はロイドを思い出すとカイルも出てくる。
やはり預ける事に不安がある。
私はどうしても捨てられたという思いをまだ払拭出来ずにいる。
でもロイドはどんどんカイルに懐いていく、当たり前だ父親なのだから。
それを否定したらいけないのに、ついこれ以上懐かないで、なんて思う私は母親失格なのだろうか?
そんな事を考えてたらうっかりミスをしてしまい、補佐に注意される。
仕事にプライベート持ち込んだら駄目よ!と自分で自分を脳内で叱る。
駄目今日はこれの繰り返し。
昼休憩はいつもミセスロミーと食堂で取っているのだが、今日は彼女に外に出ようと誘われた。
近くの店まで並んで歩きながら彼女のお喋りに相槌を打つ。
「ここよ、とても美味しいの。気に入るといいけど」
彼女に連れて行かれた店は少しメイン通りから、裏に抜ける道沿いにあった。
見た目より中は広くミセスロミーは店員に案内されることなく真っ直ぐ一つの席に座った。
私も彼女の対面に座ると「いつもの席なの」と言っていた。
私とミセスロミーは、2年半の付き合いだ。
職場での先輩はプライベートが謎で私にはよく解らない。
ミセスロミーという呼び名も上司である会長補佐がそう呼ぶようにと言うのでその通りにしている。
なぜその呼び名なのか一度聞いてみたが話しを変えられたので、聞かないほうがいいと判断した。
私の事情は職場ではバレているので隠しようがない。
今回もかなり休みを貰っているので一緒に働く部署の皆には迷惑をかけている事は自覚している。
それにも関わらず今日はミスが多いのだ。
テーブルに座って直ぐに謝罪した。
「今日はご迷惑かけてすみません」
「えっ?あぁ気にしないでいいわよ今日のミスは外に出ない物だからそんなに問題ではないわよ」
「ですが⋯⋯」
「先輩が今日はマリナに重要書類を回すなって言われたから何かあるんだろうとは思っていたけど」
「えっ?補佐がですか?」
「えぇ」
恥ずかしい。
私は義兄の会社で働くようになって自分なりに仕事を覚えたつもりだけど、義兄に言わせると全然駄目だそうだ。
それが今回はミスまでしているし、プライベートを仕事に持ち込みすぎている。
しかもフォローまで⋯⋯穴があったら入りたい。
「それも気にしなくていいのよ」
「ですが⋯恥ずかしいです」
「そう思うわよね、私もそうだったし」
「ミセスロミーが?」
「フフ、その呼び名自体がその名残なのよ、でも感謝もしてるから変えないでね」
「えっ?」
「まだ入ったばかりの頃、なかなか仕事を覚えられなくてミスばかりしている私は、当時の上司からかなり叱責されていたの」
「そうだったのですか?」
「マリナ敬語に戻ってるわね今日は」
「あっ」
あまり敬語は使わないようにと言われていたのに、ミスばかりしてしまったからか、つい敬語に戻っていたようだ。
それにしても仕事が完璧なのだと思っていたミセスロミーも最初があったんだと当たり前のことを思ってしまった。
「ミスばっかりで、またミス、まただミス、おいミスなんてね。注意されてばかりでかなり落ち込んだけど、仕事は慣れれば段々出来るようになるでしょう」
「⋯⋯」
「そうしたらミスって言われなくなって、先輩が漸くミスからミセスになったなって冗談を言われたの、だから初心を忘れないようにそう呼んで下さいって先輩にお願いしたの。それからミセスロミーなのよ」
ミセスロミーの誕生秘話を聞いてつい笑ってしまったけれど、きっと励ましてくれてるんだと理解した。
「ありがとうミセスロミー」
「フフ、ロイド君の心配でしょう。子供の事は個性もあるから、あまり気の利いたアドバイスは出来ないけれど相談したくなったら、話してみてね」
「はい、その時はお願いします」
不思議とその後は落ち着いて仕事に臨めた。
彼女のフォローは確実に私に響いた。
仕事から一旦自宅に帰り、荷物を置いてロイドを迎えに行く。
いつもの行動だけど今日は行き先が違う。
カイルの家に行くとルーマン夫婦が丁度帰るところだった。
「今日はありがとうございます」
「いえいえいつも楽しくさせてもらってるから、また明日も来ますね」
二人の背中を見つめていたら足に衝撃を受けた。
「ははうえ~おちゃえり~」
下から見上げているロイドの眩しい笑顔に一日の疲れが吹き飛んだ。
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