33 / 53
保留期間(元夫の奮闘と母子の変化)
母子で公園
しおりを挟む
カイルから貰った鉢植えにロイドが今日も話しかけている。
花屋の店員から聞いたのは、この鉢植えは時期が来たら植え替えたほうが良いと言う話だ。
剪定もしなければならないらしい。
元は大木だという話
何故ロイドはこの樹を気に入ったのだろう。
以前店員が「妖精と話してるのでは?」と真顔で言った時は冗談でしょと気にも止めなかったけれど最近は私もまさかねなんて考えている。
この鉢植えに出会った時のロイドはまだ2歳だった。
港町ならではの商品で何処かの島から輸入している物だと聞いた。
漸く少し長めに歩けるかなというくらいの時期にトトトトと引き寄せられるように向かった時は本当に吃驚したのだ。
その場で買おうと思ったが配達をしていないと聞いてその時は諦めた。
その後も幾度となくロイドに買ってあげると言っても首を振るばかりだったのに!
カイルに買ってもらって喜ぶロイドを見て本気で呆然とした。
何故か誇らしげなカイルをギロッと睨んで、その日私は一緒に食事をした際に、カイルの嫌いなセロリを多めに彼の皿に入れた。
「ロイド今日はピクニックしようか!」
朝から私はサンドイッチを作っていた。
二人で出かけようと張り切った。
私の声かけにロイドが走ってくる。
「ははうえ~どこぉ」
「どこに行きたい?」
「⋯⋯⋯⋯みな、こういぇん」
たっぷり考えてから言い直した。港じゃないのかな?
その言い換えが良く解らなかったけど「解った」というと嬉しそうに燥いでいた。
二人で手を繋ぎ歩く、少し歩きがしっかりしてきたように思う。
ロイドも成長してるのねぇと思いながら歩いた。
いつものようによく解らない歌詞の歌を歌いながらご機嫌だ。
シートを敷いて座らせると直ぐに靴を脱いでゴロゴロゴロと転がる。
ロイドはシートを敷くと必ずこれをする。
ちなみに甥のディールドはでんぐり返りをしている。
ロイドも一度は必ず挑戦しようと頭をシートに付けるけど、まだ出来ないみたいだ。
一通りゴロゴロの儀式が終わったらまた靴を履いて走り回っている。
小さな公園だから見守るだけでいいのでこの公園は重宝している。
座ってロイドを眺めていると親子連れが来た。
父親が子供を肩車している。
以前この光景を見たロイドが私の背中に隠れた事を思い出した。
今日もロイドはこちらに戻るかな?と思っていたけどロイドは少しだけ眺めて持ってきた玩具を転がして遊んでいる。
ロイドの行動の変化にカイルの存在があるのは間違いないと思った。
以前姉から聞いたディールドが、ロイドに義兄を父上と呼ばれたくなかったという話。
ロイドがカイルのことを僕の父上と言った事。
それを思い出した。
自分にも父がいるからと気にならなくなったのかな?
私は少し複雑な気分になった。
私だけでは埋められなかったロイドの心の穴。
「ははうえ~」
考えていたらロイドが手を差し出した。
汚れている。
「お腹空いた?」
「はい!」
汚れた手をあげてロイドが答える。
二人で手洗い場に行き手を洗う、少し濡れた袖口も拭いてあげながらロイドを見ると、満面の笑みが私をホッとさせてくれた。
二人でシートに戻るとロイドがジュースのお強請りをする。
ごくごくと飲みながらチラッと先程の親子連れを見ていたのを私は見逃さなかった。
サンドイッチを摘みながらロイドが私に
「あのねぇははうえ~ちちうえねぇ⋯⋯」
言いにくそうに言葉を選んでいるように見えた3歳なのに?
「どうしたの?」
「ちゃびちぃの」
カイルが寂しい?
「父上がそう言ったの?」
そう聞くとロイドは暫くう~んと言って傾げてた首を左右に振った。
「言ってないけどロイドはそう思ったの?」
そう言うとまた首を傾げたけど大きく頷いた。
ロイドにはカイルが寂しそうに見えるのか。
ロイドがいちいち「う~ん」と考えるように見えるのは何故かしら?でも⋯⋯。
私は自分がショックを受けてるのを認めたくなかった。
カイルが寂しいのは私達が側にいないから⋯よね?
私の責任のような気がして居たたまれなくなる。
「ロイドは父上が好き?」
私の問いに何故かロイドは答えなかった。
その代わり厳しい質問返しが来た、聞くんじゃなかったと思ったけどあとの祭りだ。
「ははうえ~ちちうえ~しゅき?」
ロイドのブーメランを何とか笑って誤魔化した。
でもこれは今日限りしか使えない。
子供に嘘は厳禁だ!
ちゃんと見ているのだからと以前姉に教わった。
だから私は決意を話した。
「まだ解らないけどちゃんと考えるからね」
ロイドは不思議そうな顔をして私を見つめていた。
花屋の店員から聞いたのは、この鉢植えは時期が来たら植え替えたほうが良いと言う話だ。
剪定もしなければならないらしい。
元は大木だという話
何故ロイドはこの樹を気に入ったのだろう。
以前店員が「妖精と話してるのでは?」と真顔で言った時は冗談でしょと気にも止めなかったけれど最近は私もまさかねなんて考えている。
この鉢植えに出会った時のロイドはまだ2歳だった。
港町ならではの商品で何処かの島から輸入している物だと聞いた。
漸く少し長めに歩けるかなというくらいの時期にトトトトと引き寄せられるように向かった時は本当に吃驚したのだ。
その場で買おうと思ったが配達をしていないと聞いてその時は諦めた。
その後も幾度となくロイドに買ってあげると言っても首を振るばかりだったのに!
カイルに買ってもらって喜ぶロイドを見て本気で呆然とした。
何故か誇らしげなカイルをギロッと睨んで、その日私は一緒に食事をした際に、カイルの嫌いなセロリを多めに彼の皿に入れた。
「ロイド今日はピクニックしようか!」
朝から私はサンドイッチを作っていた。
二人で出かけようと張り切った。
私の声かけにロイドが走ってくる。
「ははうえ~どこぉ」
「どこに行きたい?」
「⋯⋯⋯⋯みな、こういぇん」
たっぷり考えてから言い直した。港じゃないのかな?
その言い換えが良く解らなかったけど「解った」というと嬉しそうに燥いでいた。
二人で手を繋ぎ歩く、少し歩きがしっかりしてきたように思う。
ロイドも成長してるのねぇと思いながら歩いた。
いつものようによく解らない歌詞の歌を歌いながらご機嫌だ。
シートを敷いて座らせると直ぐに靴を脱いでゴロゴロゴロと転がる。
ロイドはシートを敷くと必ずこれをする。
ちなみに甥のディールドはでんぐり返りをしている。
ロイドも一度は必ず挑戦しようと頭をシートに付けるけど、まだ出来ないみたいだ。
一通りゴロゴロの儀式が終わったらまた靴を履いて走り回っている。
小さな公園だから見守るだけでいいのでこの公園は重宝している。
座ってロイドを眺めていると親子連れが来た。
父親が子供を肩車している。
以前この光景を見たロイドが私の背中に隠れた事を思い出した。
今日もロイドはこちらに戻るかな?と思っていたけどロイドは少しだけ眺めて持ってきた玩具を転がして遊んでいる。
ロイドの行動の変化にカイルの存在があるのは間違いないと思った。
以前姉から聞いたディールドが、ロイドに義兄を父上と呼ばれたくなかったという話。
ロイドがカイルのことを僕の父上と言った事。
それを思い出した。
自分にも父がいるからと気にならなくなったのかな?
私は少し複雑な気分になった。
私だけでは埋められなかったロイドの心の穴。
「ははうえ~」
考えていたらロイドが手を差し出した。
汚れている。
「お腹空いた?」
「はい!」
汚れた手をあげてロイドが答える。
二人で手洗い場に行き手を洗う、少し濡れた袖口も拭いてあげながらロイドを見ると、満面の笑みが私をホッとさせてくれた。
二人でシートに戻るとロイドがジュースのお強請りをする。
ごくごくと飲みながらチラッと先程の親子連れを見ていたのを私は見逃さなかった。
サンドイッチを摘みながらロイドが私に
「あのねぇははうえ~ちちうえねぇ⋯⋯」
言いにくそうに言葉を選んでいるように見えた3歳なのに?
「どうしたの?」
「ちゃびちぃの」
カイルが寂しい?
「父上がそう言ったの?」
そう聞くとロイドは暫くう~んと言って傾げてた首を左右に振った。
「言ってないけどロイドはそう思ったの?」
そう言うとまた首を傾げたけど大きく頷いた。
ロイドにはカイルが寂しそうに見えるのか。
ロイドがいちいち「う~ん」と考えるように見えるのは何故かしら?でも⋯⋯。
私は自分がショックを受けてるのを認めたくなかった。
カイルが寂しいのは私達が側にいないから⋯よね?
私の責任のような気がして居たたまれなくなる。
「ロイドは父上が好き?」
私の問いに何故かロイドは答えなかった。
その代わり厳しい質問返しが来た、聞くんじゃなかったと思ったけどあとの祭りだ。
「ははうえ~ちちうえ~しゅき?」
ロイドのブーメランを何とか笑って誤魔化した。
でもこれは今日限りしか使えない。
子供に嘘は厳禁だ!
ちゃんと見ているのだからと以前姉に教わった。
だから私は決意を話した。
「まだ解らないけどちゃんと考えるからね」
ロイドは不思議そうな顔をして私を見つめていた。
1,329
あなたにおすすめの小説
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
【完結】忘れてください
仲 奈華 (nakanaka)
恋愛
愛していた。
貴方はそうでないと知りながら、私は貴方だけを愛していた。
夫の恋人に子供ができたと教えられても、私は貴方との未来を信じていたのに。
貴方から離婚届を渡されて、私の心は粉々に砕け散った。
もういいの。
私は貴方を解放する覚悟を決めた。
貴方が気づいていない小さな鼓動を守りながら、ここを離れます。
私の事は忘れてください。
※6月26日初回完結
7月12日2回目完結しました。
お読みいただきありがとうございます。
あなたの言うことが、すべて正しかったです
Mag_Mel
恋愛
「私に愛されるなどと勘違いしないでもらいたい。なにせ君は……そうだな。在庫処分間近の見切り品、というやつなのだから」
名ばかりの政略結婚の初夜、リディアは夫ナーシェン・トラヴィスにそう言い放たれた。しかも彼が愛しているのは、まだ十一歳の少女。彼女が成人する五年後には離縁するつもりだと、当然のように言い放たれる。
絶望と屈辱の中、病に倒れたことをきっかけにリディアは目を覚ます。放漫経営で傾いたトラヴィス商会の惨状を知り、持ち前の商才で立て直しに挑んだのだ。執事長ベネディクトの力を借りた彼女はやがて商会を支える柱となる。
そして、運命の五年後。
リディアに離縁を突きつけられたナーシェンは――かつて自らが吐いた「見切り品」という言葉に相応しい、哀れな姿となっていた。
*小説家になろうでも投稿中です
旦那様。私が悪女ならば、愛人の女は何になるのかしら?
白雲八鈴
恋愛
我が公爵家主催の夜会の最中。夫が愛人を連れてやってきたのです。そして、私を悪女という理由で離縁を突きつけてきました。
離縁して欲しいというのであれば、今まで支援してきた金額を全額返済していただけません?
あら?愛人の貴女が支払ってくれると?お優しいわね。
私が悪女というのであれば、妻のいる夫の愛人に収まっている貴女は何なのかしら?
初恋にケリをつけたい
志熊みゅう
恋愛
「初恋にケリをつけたかっただけなんだ」
そう言って、夫・クライブは、初恋だという未亡人と不倫した。そして彼女はクライブの子を身ごもったという。私グレースとクライブの結婚は確かに政略結婚だった。そこに燃えるような恋や愛はなくとも、20年の信頼と情はあると信じていた。だがそれは一瞬で崩れ去った。
「分かりました。私たち離婚しましょう、クライブ」
初恋とケリをつけたい男女の話。
☆小説家になろうの日間異世界(恋愛)ランキング (すべて)で1位獲得しました。(2025/9/18)
☆小説家になろうの日間総合ランキング (すべて)で1位獲得しました。(2025/9/18)
☆小説家になろうの週間総合ランキング (すべて)で1位獲得しました。(2025/9/22)
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
愛してしまって、ごめんなさい
oro
恋愛
「貴様とは白い結婚を貫く。必要が無い限り、私の前に姿を現すな。」
初夜に言われたその言葉を、私は忠実に守っていました。
けれど私は赦されない人間です。
最期に貴方の視界に写ってしまうなんて。
※全9話。
毎朝7時に更新致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる