1 / 3
夕方の豪雨
しおりを挟む
「掃除の時間サボっている子がいました。先生は見ていましたよ」
終わりの会が先生の説教で始まるのは長引くパターンだ。もうすぐ帰れると思っていたのに。
「来年は中学生になるんだから、もっと低学年の子たちの手本になるような行動を、」
先生の話は、溜まっていた事を全て吐き出したいのか、次から次へどんどん変わって行く。
僕は、真剣に聞いているように見せてほとんど聞いていない。晩ご飯の予想をしたり、帰ってからする事を真剣に考えている。
何処かで教室の扉が開いた音がして、隣のクラスの子たちが廊下を通って行くのが見えた。隣は時間通りに終わったようだが、こっちは延長戦だ。
「という事で、困っている人が見かけたら助けてあげましょう。分かりましたか。それでは気を付けて帰りなさい。」
掃除をサボっていたと言う話はどうなったんだろう。
さあ帰ろうと昇降口を出たところで、突然すごい雨が降ってきた。こう言う雨をバケツをひっくり返したような雨と表現するのだろうか。
しかーし、今朝は天気予報を見て傘を持ってきたから問題ない。でも、すごい雨で、しばらく歩いたら長ズボンの裾はもちろん、靴の中まで濡れて靴下はびしょびしょ。こんなに濡れたらもう一緒だろうと、水たまりにわざと足をつっこみつつ家に帰ることにした。
家に着く頃には、さっきの豪雨が嘘のように、雨は止んでいた。
僕の家は団地の最上階5階だ。毎日上り下りする階段にうんざりしている。エレベータを付けてくれないだろうか。
そんな事を考えながら、階段の最後の踊り場に来たところで見上げると、ずぶ濡れのナツミが突っ立っているのが目に入った。ナツミは向かいの家に住む同級生だ。
「ナツミ!」
「コウくん!」
「なんでそんなにずぶ濡れなんだよ」
「朝、遅刻しそうであわてて家出たら傘忘れて」
「家入らないのかよ」
「あわててたから、鍵も持って出るの忘れた」
「お前の母さん帰ってくるの6時ごろだったっけ」
「うん」
「じゃあ、とりあえず俺んち入れよ」
「ただいまー」
「お邪魔します」
と言っても返事する人は誰もいない。
僕の家もナツミの家も両親は共働きだ。僕の母はだいたい7時頃に帰ってくる、それまでは毎日一人で留守番だ。
「シャワー貸してくれる?」
「いいよ。バスタオルはここの使って。」
「あと洗濯機借りてもいい?服乾燥させてみる。」
「使い方分かる?」
「たぶん大丈夫」
ナツミがシャワーを浴びている間に、自分の部屋で濡れたズボンと脱いでお気に入りのショートパンツに履き替えた。涼しくて動きやすいので気に入っている。僕の母は、カッコよくしないと女の子にモテないと言い、長ズボンを履かせたがる。半ズボンは子供っぽいらしい。お気に入りのショートパンツも「体操服みたい」だの「トランクスがはみ出てる」だのと文句を言うが、買ってきたのは母だし、家の中でしか履かないからいいじゃないか。
終わりの会が先生の説教で始まるのは長引くパターンだ。もうすぐ帰れると思っていたのに。
「来年は中学生になるんだから、もっと低学年の子たちの手本になるような行動を、」
先生の話は、溜まっていた事を全て吐き出したいのか、次から次へどんどん変わって行く。
僕は、真剣に聞いているように見せてほとんど聞いていない。晩ご飯の予想をしたり、帰ってからする事を真剣に考えている。
何処かで教室の扉が開いた音がして、隣のクラスの子たちが廊下を通って行くのが見えた。隣は時間通りに終わったようだが、こっちは延長戦だ。
「という事で、困っている人が見かけたら助けてあげましょう。分かりましたか。それでは気を付けて帰りなさい。」
掃除をサボっていたと言う話はどうなったんだろう。
さあ帰ろうと昇降口を出たところで、突然すごい雨が降ってきた。こう言う雨をバケツをひっくり返したような雨と表現するのだろうか。
しかーし、今朝は天気予報を見て傘を持ってきたから問題ない。でも、すごい雨で、しばらく歩いたら長ズボンの裾はもちろん、靴の中まで濡れて靴下はびしょびしょ。こんなに濡れたらもう一緒だろうと、水たまりにわざと足をつっこみつつ家に帰ることにした。
家に着く頃には、さっきの豪雨が嘘のように、雨は止んでいた。
僕の家は団地の最上階5階だ。毎日上り下りする階段にうんざりしている。エレベータを付けてくれないだろうか。
そんな事を考えながら、階段の最後の踊り場に来たところで見上げると、ずぶ濡れのナツミが突っ立っているのが目に入った。ナツミは向かいの家に住む同級生だ。
「ナツミ!」
「コウくん!」
「なんでそんなにずぶ濡れなんだよ」
「朝、遅刻しそうであわてて家出たら傘忘れて」
「家入らないのかよ」
「あわててたから、鍵も持って出るの忘れた」
「お前の母さん帰ってくるの6時ごろだったっけ」
「うん」
「じゃあ、とりあえず俺んち入れよ」
「ただいまー」
「お邪魔します」
と言っても返事する人は誰もいない。
僕の家もナツミの家も両親は共働きだ。僕の母はだいたい7時頃に帰ってくる、それまでは毎日一人で留守番だ。
「シャワー貸してくれる?」
「いいよ。バスタオルはここの使って。」
「あと洗濯機借りてもいい?服乾燥させてみる。」
「使い方分かる?」
「たぶん大丈夫」
ナツミがシャワーを浴びている間に、自分の部屋で濡れたズボンと脱いでお気に入りのショートパンツに履き替えた。涼しくて動きやすいので気に入っている。僕の母は、カッコよくしないと女の子にモテないと言い、長ズボンを履かせたがる。半ズボンは子供っぽいらしい。お気に入りのショートパンツも「体操服みたい」だの「トランクスがはみ出てる」だのと文句を言うが、買ってきたのは母だし、家の中でしか履かないからいいじゃないか。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる