海の嘘と空の真実

魔瑠琥&紗悠理

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第一章

第一話 「青藍は、始まりの色。」その弐

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あれから数日が経った。

私が玄関で靴紐を結び直していると、背後から足音が聞こえてきた。

振り返ると、そこには祖母がいた。祖母は私と目が合うなり、

「今日からやなぁ」

と言いながら笑みを浮かべてみせた。

そう、今日は出勤初日。

店長は私の話を聞いて微妙な反応をしていたけれど、気持ちは十二分に伝わったようだ。

「ヘマしなさんなちゃ」

祖母は、顔のシワをより一層深くして笑った。

私は祖母に返事をし、子供の世話をお願いした後、靴紐がしっかり結べたのを確認してから外に出る。

バス停まで歩いて時刻表を確認すると、到着するのは15分後らしく、思ったよりも早く出てきてしまったことに気が付く。

近くのベンチに腰掛け、群青の空を見上げた。目にうつる何気ない景色が美しいと思えるのは、何もかもが吹っ切れたからだろうか。夏風が頬を撫でるのを感じながら、ふとそんなことを考えていた。そうしているうちに、バスが到着した。
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