2 / 28
第一章
第一話 「青藍は、始まりの色。」その弐
しおりを挟む
あれから数日が経った。
私が玄関で靴紐を結び直していると、背後から足音が聞こえてきた。
振り返ると、そこには祖母がいた。祖母は私と目が合うなり、
「今日からやなぁ」
と言いながら笑みを浮かべてみせた。
そう、今日は出勤初日。
店長は私の話を聞いて微妙な反応をしていたけれど、気持ちは十二分に伝わったようだ。
「ヘマしなさんなちゃ」
祖母は、顔のシワをより一層深くして笑った。
私は祖母に返事をし、子供の世話をお願いした後、靴紐がしっかり結べたのを確認してから外に出る。
バス停まで歩いて時刻表を確認すると、到着するのは15分後らしく、思ったよりも早く出てきてしまったことに気が付く。
近くのベンチに腰掛け、群青の空を見上げた。目にうつる何気ない景色が美しいと思えるのは、何もかもが吹っ切れたからだろうか。夏風が頬を撫でるのを感じながら、ふとそんなことを考えていた。そうしているうちに、バスが到着した。
私が玄関で靴紐を結び直していると、背後から足音が聞こえてきた。
振り返ると、そこには祖母がいた。祖母は私と目が合うなり、
「今日からやなぁ」
と言いながら笑みを浮かべてみせた。
そう、今日は出勤初日。
店長は私の話を聞いて微妙な反応をしていたけれど、気持ちは十二分に伝わったようだ。
「ヘマしなさんなちゃ」
祖母は、顔のシワをより一層深くして笑った。
私は祖母に返事をし、子供の世話をお願いした後、靴紐がしっかり結べたのを確認してから外に出る。
バス停まで歩いて時刻表を確認すると、到着するのは15分後らしく、思ったよりも早く出てきてしまったことに気が付く。
近くのベンチに腰掛け、群青の空を見上げた。目にうつる何気ない景色が美しいと思えるのは、何もかもが吹っ切れたからだろうか。夏風が頬を撫でるのを感じながら、ふとそんなことを考えていた。そうしているうちに、バスが到着した。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
8
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる