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第一章
第二話「赭は、再会の色。」その参
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目を覚ますと見慣れた天井が目に入った。重い腰を上げて布団から抜け出し、廊下に出ると、玄関の窓から差し込むのは外灯の淡い光だけだ。何故こんな時間に起きてしまったのだろうと考えながら、夏の湿気で汗ばんだ体を冷やそうと思い、いつもの靴を履こうとした。途端、視界の端に高いヒールがちらついた。
思い出した。
早坂京子___
嫌だ、考えるのも。
私は考えるのを中断し、靴を履くと慌ただしく外に出た。バス停とは反対方向の田畑が連なる道を歩く。この日向市は、私が心を許せる場所。地元から離れて、辛いことを全て忘れることができた。なのにどうして京子先生は、ここまで邪魔をしに来るのだろう。
「あんたの子供、すっごく可愛かったよ。」
ふいに恭司君の言葉を思い出して、目に涙を浮かべた。月がぼやけて見える。
榊原史恵が自殺したことは既に受け止めることができていた。いや、いつかはそうなるだろうって、本当は心のどこかで受け止める準備をしていたのかもしれない。私の叫びが、史恵に届くことはなかった。
涙がどうして出るのか自分にも分からなかった。泣いても泣いても、この悲しみが消えることなんてないのに、無駄に体力をすり減らしてしまう。しばらくしてから家に戻ると、私は疲れたせいか十分足らずで寝てしまった。決して安眠とは言えなかったし、朝には目の周りが少し腫れていた。
思い出した。
早坂京子___
嫌だ、考えるのも。
私は考えるのを中断し、靴を履くと慌ただしく外に出た。バス停とは反対方向の田畑が連なる道を歩く。この日向市は、私が心を許せる場所。地元から離れて、辛いことを全て忘れることができた。なのにどうして京子先生は、ここまで邪魔をしに来るのだろう。
「あんたの子供、すっごく可愛かったよ。」
ふいに恭司君の言葉を思い出して、目に涙を浮かべた。月がぼやけて見える。
榊原史恵が自殺したことは既に受け止めることができていた。いや、いつかはそうなるだろうって、本当は心のどこかで受け止める準備をしていたのかもしれない。私の叫びが、史恵に届くことはなかった。
涙がどうして出るのか自分にも分からなかった。泣いても泣いても、この悲しみが消えることなんてないのに、無駄に体力をすり減らしてしまう。しばらくしてから家に戻ると、私は疲れたせいか十分足らずで寝てしまった。決して安眠とは言えなかったし、朝には目の周りが少し腫れていた。
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