14 / 20
14話 僕の初めては……
「……は?」
ケントとルークが同時に飛びかかり、次に僕が目にしたのは、ヴォルクが手錠とともに床へと拘束されている状況だった。
「え、あのヴォルクを捕まえたの!?」
これには僕もビックリする。だってヴォルクってすごい怪力だよ?
「これはな、魔力のこもってる魔法具なんだよ。ヴォルクはパワーはすげぇけど魔法への耐性は皆無だからな」
ルークはそう言って勝ち誇った笑みを浮かべている。
まさかそんな魔法の道具があったとは……。
「おいこらてめぇら今すぐこの手錠離しやがれ!」
ヴォルクはそう言って手錠をガンガンと引き千切ろうとするけど、すぐに力が抜けていくようにだらんとなった。
「さて、邪魔者は消えた訳だけど……」
ケントは微笑みながら僕の方を見る。
え、待って、僕この2人になんかされる!?
「てめぇらそいつになんかしてみろ……マジで許さねぇぞ……」
ヴォルクはわなわなと震えている。ヴォルク、僕のためにあんなに怒って……ちょっと嬉しいかも。
すると、ケントは両手をパンと合わせて僕へ祈るようにこうお願いしてきた。
「お願いエミル! 添い寝して!」
「ええ!?」
ヴォルクにはあんなことしたのに僕には意外と下から来るんだな……。
「俺も、頼む! 俺らの間に寝てくれるだけでいいんだ!」
ルークも同じように手を合わせ目をきゅっとつぶっている。
「そ、そんなシングルベッドに3人も狭いよ……」
「それがいいんでしょ?」
と、ケント。
「だめか?」
ルークは片目を開けてチラッとこっちを見ながら言った。
添い寝くらいなら……って思ったけど、ごめんね、僕はヴォルクと約束したんだ。
「だめ。ヴォルクは朝までこのままでもいいけど、僕も2人と添い寝はしない」
僕はきっぱりとそう言い切った。
「てめぇクソチビこの野郎、前半余計なこと言ってんじゃねぇ!」
怒るヴォルク。
「でも、後半はいいでしょ?」
「ぐ……」
満更でもなさそうなヴォルク。
「ヴォルクの添い寝は許すのに俺らはダメだなんて……」
と、ケント。
「ごめんね」
「お前……本気でコイツのこと……」
と、ルーク。
僕は言葉の変わりにこくんと大きくうなずいた。
すると、2人は顔を見合わせてやれやれとため息をついた。
「分かった。俺らもお前が嫌がることすんのは嫌だし」
「ルーク、ありがとう……」
「ヴォルクは朝までこのまんまにしとくよ?」
「うん、それでいいよケント。じゃないとみんなの前で襲われちゃうし……」
「チッ、クソが……」
ヴォルクは悪態をついてそのまま諦めたように眠り始めたので、ルークとケントもそれぞれ床についた。
僕はそれからこっそり起きると、床で寝ているヴォルクの隣に寝転がり、勝手に彼の腕を枕にして寝た。
結局僕の初めては……奪われないままだった。
そして僕が寝入る直前くらいに頭上から「ありがとな……」って聞こえた気がしたけど、僕はそのまま寝入ってしまい、翌朝も覚えていなかった。
ケントとルークが同時に飛びかかり、次に僕が目にしたのは、ヴォルクが手錠とともに床へと拘束されている状況だった。
「え、あのヴォルクを捕まえたの!?」
これには僕もビックリする。だってヴォルクってすごい怪力だよ?
「これはな、魔力のこもってる魔法具なんだよ。ヴォルクはパワーはすげぇけど魔法への耐性は皆無だからな」
ルークはそう言って勝ち誇った笑みを浮かべている。
まさかそんな魔法の道具があったとは……。
「おいこらてめぇら今すぐこの手錠離しやがれ!」
ヴォルクはそう言って手錠をガンガンと引き千切ろうとするけど、すぐに力が抜けていくようにだらんとなった。
「さて、邪魔者は消えた訳だけど……」
ケントは微笑みながら僕の方を見る。
え、待って、僕この2人になんかされる!?
「てめぇらそいつになんかしてみろ……マジで許さねぇぞ……」
ヴォルクはわなわなと震えている。ヴォルク、僕のためにあんなに怒って……ちょっと嬉しいかも。
すると、ケントは両手をパンと合わせて僕へ祈るようにこうお願いしてきた。
「お願いエミル! 添い寝して!」
「ええ!?」
ヴォルクにはあんなことしたのに僕には意外と下から来るんだな……。
「俺も、頼む! 俺らの間に寝てくれるだけでいいんだ!」
ルークも同じように手を合わせ目をきゅっとつぶっている。
「そ、そんなシングルベッドに3人も狭いよ……」
「それがいいんでしょ?」
と、ケント。
「だめか?」
ルークは片目を開けてチラッとこっちを見ながら言った。
添い寝くらいなら……って思ったけど、ごめんね、僕はヴォルクと約束したんだ。
「だめ。ヴォルクは朝までこのままでもいいけど、僕も2人と添い寝はしない」
僕はきっぱりとそう言い切った。
「てめぇクソチビこの野郎、前半余計なこと言ってんじゃねぇ!」
怒るヴォルク。
「でも、後半はいいでしょ?」
「ぐ……」
満更でもなさそうなヴォルク。
「ヴォルクの添い寝は許すのに俺らはダメだなんて……」
と、ケント。
「ごめんね」
「お前……本気でコイツのこと……」
と、ルーク。
僕は言葉の変わりにこくんと大きくうなずいた。
すると、2人は顔を見合わせてやれやれとため息をついた。
「分かった。俺らもお前が嫌がることすんのは嫌だし」
「ルーク、ありがとう……」
「ヴォルクは朝までこのまんまにしとくよ?」
「うん、それでいいよケント。じゃないとみんなの前で襲われちゃうし……」
「チッ、クソが……」
ヴォルクは悪態をついてそのまま諦めたように眠り始めたので、ルークとケントもそれぞれ床についた。
僕はそれからこっそり起きると、床で寝ているヴォルクの隣に寝転がり、勝手に彼の腕を枕にして寝た。
結局僕の初めては……奪われないままだった。
そして僕が寝入る直前くらいに頭上から「ありがとな……」って聞こえた気がしたけど、僕はそのまま寝入ってしまい、翌朝も覚えていなかった。
あなたにおすすめの小説
【完結】最強公爵様に拾われた孤児、俺
福の島
BL
ゴリゴリに前世の記憶がある少年シオンは戸惑う。
目の前にいる男が、この世界最強の公爵様であり、ましてやシオンを養子にしたいとまで言ったのだから。
でも…まぁ…いっか…ご飯美味しいし、風呂は暖かい…
……あれ…?
…やばい…俺めちゃくちゃ公爵様が好きだ…
前置きが長いですがすぐくっつくのでシリアスのシの字もありません。
1万2000字前後です。
攻めのキャラがブレるし若干変態です。
無表情系クール最強公爵様×のんき転生主人公(無自覚美形)
おまけ完結済み
モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中
risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。
任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。
快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。
アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——?
24000字程度の短編です。
※BL(ボーイズラブ)作品です。
この作品は小説家になろうさんでも公開します。
ある日、人気俳優の弟になりました。
雪 いつき
BL
母の再婚を期に、立花優斗は人気若手俳優、橘直柾の弟になった。顔良し性格良し真面目で穏やかで王子様のような人。そんな評判だったはずが……。
「俺の命は、君のものだよ」
初顔合わせの日、兄になる人はそう言って綺麗に笑った。とんでもない人が兄になってしまった……と思ったら、何故か大学の先輩も優斗を可愛いと言い出して……?
平凡に生きたい19歳大学生と、24歳人気若手俳優、21歳文武両道大学生の三角関係のお話。
悪役令嬢と呼ばれた侯爵家三男は、隣国皇子に愛される
木月月
BL
貴族学園に通う主人公、シリル。ある日、ローズピンクな髪が特徴的な令嬢にいきなりぶつかられ「悪役令嬢」と指を指されたが、シリルはれっきとした男。令嬢ではないため無視していたら、学園のエントランスの踊り場の階段から突き落とされる。骨折や打撲を覚悟してたシリルを抱き抱え助けたのは、隣国からの留学生で同じクラスに居る第2皇子殿下、ルシアン。シリルの家の侯爵家にホームステイしている友人でもある。シリルを突き落とした令嬢は「その人、悪役令嬢です!離れて殿下!」と叫び、ルシアンはシリルを「護るべきものだから、守った」といい始めーー
※この話は小説家になろうにも掲載しています。
悪役側のモブになっても推しを拝みたい。【完結】
瑳来
BL
大学生でホストでオタクの如月杏樹はホストの仕事をした帰り道、自分のお客に刺されてしまう。
そして、気がついたら自分の夢中になっていたBLゲームのモブキャラになっていた!
……ま、推しを拝めるからいっか! てな感じで、ほのぼのと生きていこうと心に決めたのであった。
ウィル様のおまけにて完結致しました。
長い間お付き合い頂きありがとうございました!
シナリオ回避失敗して投獄された悪役令息は隊長様に抱かれました
無味無臭(不定期更新)
BL
悪役令嬢の道連れで従兄弟だった僕まで投獄されることになった。
前世持ちだが結局役に立たなかった。
そもそもシナリオに抗うなど無理なことだったのだ。
そんなことを思いながら収監された牢屋で眠りについた。
目を覚ますと僕は見知らぬ人に抱かれていた。
…あれ?
僕に風俗墜ちシナリオありましたっけ?
イケメンチート王子に転生した俺に待ち受けていたのは予想もしない試練でした
和泉臨音
BL
文武両道、容姿端麗な大国の第二皇子に転生したヴェルダードには黒髪黒目の婚約者エルレがいる。黒髪黒目は魔王になりやすいためこの世界では要注意人物として国家で保護する存在だが、元日本人のヴェルダードからすれば黒色など気にならない。努力家で真面目なエルレを幼い頃から純粋に愛しているのだが、最近ではなぜか二人の関係に壁を感じるようになった。
そんなある日、エルレの弟レイリーからエルレの不貞を告げられる。不安を感じたヴェルダードがエルレの屋敷に赴くと、屋敷から火の手があがっており……。
* 金髪青目イケメンチート転生者皇子 × 黒髪黒目平凡の魔力チート伯爵
* 一部流血シーンがあるので苦手な方はご注意ください
異世界オークションで売られた俺、落札したのは昔助けた狼でした
うんとこどっこいしょ
BL
異世界の闇オークションで商品として目覚めた青年・アキラ。
獣人族たちに値踏みされ、競りにかけられる恐怖の中、彼を千枚の金貨で落札したのは、銀灰色の髪を持つ狼の獣人・ロウだった。
怯えるアキラに、ロウは思いがけない言葉を告げる。
「やっと会えた。お前は俺の命の恩人だ」
戸惑うアキラの脳裏に蘇るのは、かつて雨の日に助けた一匹の子狼との記憶。
獣人世界を舞台に、命の恩人であるアキラと、一途に想い続けた狼獣人が紡ぐ、執着と溺愛の異世界BLロマンス。
第一章 完結
第二章 完結
第三章 完結