【完結】婚約破棄された僕は過保護な王太子殿下とドS級冒険者に溺愛されながら召喚士としての新しい人生を歩みます

八神紫音

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27話 相棒ですから

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「ルカ王子殿下。我らのわがままを押し付ける形になってしまって申し訳ない」
 と、ルーベン国王陛下。
「いえ、僕は、大丈夫です。あの、ヴィリーがルーベンの王子様だったなんて初耳で、どちらかというとそっちの方が驚いていて……」
 僕がそう返すと、ルーベン国王陛下は素早くヴィルヘルムの方を向いた。
「お前……彼に何も話していないのか?」
「別に必要ねぇ事だ。それに俺は……王子でもなんでもねぇ。父親面すんな」
「いいや、お前が“ヴィルヘルム”と名乗っている以上、私はお前の父親だ。お前の家はルーベン城だ」
「チッ、うぜぇな……」
 ヴィルヘルムはそう吐き捨ててズカズカと部屋から出ていってしまった。

 次に、アルフレッド兄様がルーベン国王陛下と向き合う。
「ルーベン国王陛下。どうか私の同行もお許し下さい」
「えっ、兄様も火山に!?」
 思わずそう口を挟む。
「私だって、“S級冒険者”です。自分の身くらい自分で守れるし、いざとなったらルカを守ります」
「えー!? S級冒険者!?」
 そう驚く僕に、ルーベン国王陛下はふふふと笑った。
「分かった、アルフレッド殿下のパーティ同行を許可しよう。バルニエ国王陛下には、私から伝えておく。それではバルニエの王子たちよ、どうかヴィルヘルムを支えてやってくれ、頼んだぞ」
「お任せ下さい」
「は……はい!」
 ルーベン国王陛下と別れ、兄様と2人でヴィルヘルムを追いかけた。

⸺⸺首都ジール⸺⸺

「んだてめぇ、さっさと失せろ」
 と、ヴィルヘルム。その悪態に対し兄様がドヤ顔でこう返す。
「残念だったね、私もこの討伐パーティの同行を許可されたのだよ」
「はぁ!? ざけんなよ。勝手に割り込んでくるんじゃねぇ。俺は死んでもパーティ申請許可しねぇ」
「はいはい、別にパーティに入る訳じゃないから。あくまでも“同行”だよ。依頼主の許可がある以上、君に拒否権はない」
「チッ……ルカ、ちょっとこっち来い。てめぇは来んな」
 ヴィルヘルムは兄様をシッシッと追いやる。
「もー、分かったよ。私は旅支度をしているからねー」

 兄様はあっさりと引き下がり、首都の街並みに消えていった。
「ヴィリー、どうしたの?」
「……」
 ヴィルヘルムは何も答えず、ただただ僕の腕を引いて、噴水のある広場までやってきた。
 僕たちはベンチに腰掛ける。

 そして、彼はポツンとこう呟いた。
「……俺が、てめぇに嘘吐いてると思ったか?」
「ううん、思ってないよ。言ってないことがあるだけで、嘘は吐いてないんでしょ? 僕は、ヴィリーが話したいって思うまで、待てるよ」
「なんだよ。余裕だな」
「だって僕は、ヴィリーの相棒ですから」

「そうだな……。今回の件が片付いたら、お前の疑問に思ってる事、全部話してやる」
「うん……」
「だから、絶対にこの依頼、生きて成功させる」
「うん、頑張ろうね」
 僕のペンダントの中で休憩をしていた白虎とすらにゃんがポンと飛び出してくる。
『我らもいるぞ、我が主、ヴィリー』
『きゅっきゅーぅ♪』
「うん、みんなで頑張ろ!」

⸺⸺

 その後、僕が昇格試験で倒した魔物はAランク相当の魔物であったと判定され、僕は異例の判断で“A級冒険者”に昇格した。
 当時白虎がアラガミ様だった頃も難易度をA級に上げるとか上げないとかって話もあったし、白虎も元はAランク相当の実力だった。
 でも、白虎はあの昇格試験の魔物に対して全く引けを取らなかったし、白虎自身の実力も確実に上がっている。

 今回の邪竜が何ランク相当なのかは分からないけど、今の僕たちの前に敵はない。今回の依頼はヴィルヘルムが勝手に話を進めて勝手に引き受けたものだけど、僕自身もとても張り切っていた。

⸺⸺そうして僕たちはルガナの洞窟を経由して、ジルディス活火山へと足を踏み入れた。

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