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29話 暗黒剣士の異変
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契約破棄なんてさせない。この竜をテイムすれば、もう邪竜として復活することはないし、結果的に皆を助けることも出来る。
目を閉じ集中し、邪竜に力を送り込む。
⸺⸺すると、邪竜の身体から大量の魔障が抜けていき、その鱗は白虎の時と同様真っ白に染まっていった。
『ありがとう、ルカ……貴様には感謝してもしきれん……』
「良かった、上手くテイム出来た!」
そう、ホッと胸を撫で下ろした途端、竜から抜けたはずの魔障は、消えずにヴィルヘルムへと襲いかかった。
『いかん! 魔障があやつの暗黒に引き寄せられてしまった!』
「ぐあぁっ!」
「「『ヴィリー!』」」
『きゅう!?』
ヴィルヘルムは突如その場でのたうち回る。
「クソッ、止めろ……! 頭が……割れる……!」
「ヴィリー! ど、どうして……白虎の時はこんなことなかったのに!」
『それだけこの竜殿に蓄積していた魔障が多かったのだろう……! ヴィリーよ! 気をしっかり持つのだ!』
「ぐっ……うぅ……身体が……!」
ヴィルヘルムは赤黒い目を光らせて急に立ち上がり、僕に向かって大剣を振りかざしてくる。ダメだ、避けられない……!
キンッという金属の激しくぶつかり合う音と共に視界に入ったのはアルフレッド兄様。咄嗟に僕の前に来て、弓でヴィルヘルムの攻撃を防いでくれたんだ。
「兄様!」
「無事かい? 愛しの弟よ」
「はい……! ありがとうございます!」
「良かった。しかし……困ったことになったな……」
本当に。せっかく竜を助けられたのに、今度はヴィルヘルムが邪気に支配されてしまった。
今度は竜が僕たち側に付き、ヴィルヘルムからの攻撃を防ぐ防衛戦が始まった。
「ヴィリー! ヴィリー! 僕の声が聞こえる!?」
「グアァァッ!」
ヴィルヘルムは僕の声に全く反応する事なく、めちゃくちゃに暴れまわっている。
みんながヴィルヘルムに声をかけながら防御をする中、僕は今までの情報を必死に整理していた。
ルーベン国王陛下のご子息の召喚士様は、2年前の邪竜との戦闘で、テイムしようとして失敗。相討ちになって亡くなってしまった。
しかし、“ヴィルヘルムはこうして生きている”というルーベン国王陛下の意味深な発言。
更にあの竜が言った言葉。姿はあの時の召喚士そのものなのに、気配や能力はまるで違う。
以上の事から、僕の中である仮設が生まれた。本当にこんな事が出来るのかは分からない。でも、僕が当時の召喚士様だったら、きっと試しているだろう。
「コロ……セ……!」
ヴィルヘルムが苦しそうにそう言葉を発した。
「ヴィリー! 自我が!」
「ハヤ……ク、コロ……シテ……クレ……」
ヴィリーは、涙を流していた。
タイミングはヴィルヘルムが少しでも自我を取り戻した今しかない。大丈夫、彼が僕の事を拒否るはずがない。
僕はみんなの前へ出て、ヴィルヘルムと向き合った。
「大丈夫、ヴィリー。僕がヴィリーを助けてみせる」
「ル……カ……!」
「ルカ、何をするつもりなんだ!?」
と、兄様。
急いでいた僕は彼の問いには答えずに、ペンダントを握って祈りを捧げた。
「⸺⸺汝、我と契約し、我と共に歩まん事を誓え⸺⸺」
「『『テイム!?』』」
僕の仮設が正しければ、ヴィルヘルムは……いや、正確に言えばヴィルヘルムという人間の中にいる魂は⸺⸺
⸺⸺元魔物だ。
目を閉じ集中し、邪竜に力を送り込む。
⸺⸺すると、邪竜の身体から大量の魔障が抜けていき、その鱗は白虎の時と同様真っ白に染まっていった。
『ありがとう、ルカ……貴様には感謝してもしきれん……』
「良かった、上手くテイム出来た!」
そう、ホッと胸を撫で下ろした途端、竜から抜けたはずの魔障は、消えずにヴィルヘルムへと襲いかかった。
『いかん! 魔障があやつの暗黒に引き寄せられてしまった!』
「ぐあぁっ!」
「「『ヴィリー!』」」
『きゅう!?』
ヴィルヘルムは突如その場でのたうち回る。
「クソッ、止めろ……! 頭が……割れる……!」
「ヴィリー! ど、どうして……白虎の時はこんなことなかったのに!」
『それだけこの竜殿に蓄積していた魔障が多かったのだろう……! ヴィリーよ! 気をしっかり持つのだ!』
「ぐっ……うぅ……身体が……!」
ヴィルヘルムは赤黒い目を光らせて急に立ち上がり、僕に向かって大剣を振りかざしてくる。ダメだ、避けられない……!
キンッという金属の激しくぶつかり合う音と共に視界に入ったのはアルフレッド兄様。咄嗟に僕の前に来て、弓でヴィルヘルムの攻撃を防いでくれたんだ。
「兄様!」
「無事かい? 愛しの弟よ」
「はい……! ありがとうございます!」
「良かった。しかし……困ったことになったな……」
本当に。せっかく竜を助けられたのに、今度はヴィルヘルムが邪気に支配されてしまった。
今度は竜が僕たち側に付き、ヴィルヘルムからの攻撃を防ぐ防衛戦が始まった。
「ヴィリー! ヴィリー! 僕の声が聞こえる!?」
「グアァァッ!」
ヴィルヘルムは僕の声に全く反応する事なく、めちゃくちゃに暴れまわっている。
みんながヴィルヘルムに声をかけながら防御をする中、僕は今までの情報を必死に整理していた。
ルーベン国王陛下のご子息の召喚士様は、2年前の邪竜との戦闘で、テイムしようとして失敗。相討ちになって亡くなってしまった。
しかし、“ヴィルヘルムはこうして生きている”というルーベン国王陛下の意味深な発言。
更にあの竜が言った言葉。姿はあの時の召喚士そのものなのに、気配や能力はまるで違う。
以上の事から、僕の中である仮設が生まれた。本当にこんな事が出来るのかは分からない。でも、僕が当時の召喚士様だったら、きっと試しているだろう。
「コロ……セ……!」
ヴィルヘルムが苦しそうにそう言葉を発した。
「ヴィリー! 自我が!」
「ハヤ……ク、コロ……シテ……クレ……」
ヴィリーは、涙を流していた。
タイミングはヴィルヘルムが少しでも自我を取り戻した今しかない。大丈夫、彼が僕の事を拒否るはずがない。
僕はみんなの前へ出て、ヴィルヘルムと向き合った。
「大丈夫、ヴィリー。僕がヴィリーを助けてみせる」
「ル……カ……!」
「ルカ、何をするつもりなんだ!?」
と、兄様。
急いでいた僕は彼の問いには答えずに、ペンダントを握って祈りを捧げた。
「⸺⸺汝、我と契約し、我と共に歩まん事を誓え⸺⸺」
「『『テイム!?』』」
僕の仮設が正しければ、ヴィルヘルムは……いや、正確に言えばヴィルヘルムという人間の中にいる魂は⸺⸺
⸺⸺元魔物だ。
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