5 / 7
第一章 竜王参上!
五竜~紳士は美学と共に!~
しおりを挟む余はナハトを部屋に残し、おどおど娘を探すため各部屋を回っている。図書館、食堂、個人室、会議室等とたた訪れたのだが見つからぬ。
「フム……何処にいのだ?」
「ねぇ、ねぇそこの人?」
「ん?」
すると、身長176㎝ぐらいの不死族の男に声をかけられた。深い紫色のローブを着て首から小さな骸骨のアクセサリーをぶら下げ、紫にピンク色の混じった髪に黒色の瞳の……フツメンである。ナハトを10としたら4~5ぐらいだ。余か?余はむろん10だ!と言いたいが7~8ぐらいだろう。
「あの~……」
「……」
あまり男らしい顔とは言えぬからな何度か女に間違われたし、けして余の身長が低いとか華奢だからとか言うわけでは断じてないぞ。187㎝とナハトよりも高いし、日々鍛練は欠かしておやぬ、ただ竜族が長身で筋肉質揃いだと言うだけだ。そこにいると、どうしても女顔も相まって女に間違われやすいのだ。
だからナハトとの様な男らしい顔には少しばかし憧れるわけで……マジ爆発しろイケメンである。なんなら余が盛大に爆発させてやろうか。
「あのさぁ……おーい~」
「……なんである?」
「なんかぼ~としてたから」
「少し考え事をしていてな」
「そうかい、何故だがか少し君が失礼な事を考えている気がしたんだけど……まぁいいや」
失礼?フツメンと思ったことか?しかし事実で……睨まれたぞ。鋭いな、なんだ心でも読めるのか?が、たいして怖くないがな。
「……ボクこれでも偉いだよ?」
「そうであるのか?」
「フッフフ、聞いて驚くよ!ボクは【不死王】なんだよ!」
「?……」
「えっ!?知らないの!?」
不死王……どこかで聞いたような聞いてないような。ナハトが説明していた気がするが……忘れた。王と言えば余も王なのだが、紹介した方がよいのか?
「【トーデス・シュトラーフェ】聞いたことない!?」
「ん~……あぁ、聞いたことがあるぞ、今思い出したぞ」
「そう!」
「たしか、極度の【少女】【少年】好きのロリコン、ショタコン最悪の【くそ野郎】であったな?」
「違うよ!?」
違うのか?ナハトに聞いた話では特に十~十三歳ぐらいの少年少女が好きなヤツだと聞いたのだが。
「ボクはロリコンでもショタコンでもない、ただの子供好きの紳士なんだよ!」
「なるほど、変態であったか」
「違うよ!君だって幼い子供を可愛らしく思うだろ?」
「まぁ、思わなくもなくもないが……」
「ボクは少しそれが人一倍強いだけなんだ!」
子供はどちらかと言うと嫌いなのだか……。愛らしいか可愛いかと言われると頷くな。それが強いか……。無くもないか?それならただの子供好きとなるのだが、ナハトのヤツがロリコン、ショタコンだと言ったからな……。あいつ曖昧な事は言わぬし……。
「どこが好きなんだ?」
「幼さが残る顔立ち……」
「フム……」
「成長しきってない身体……!」
「フ……ム……」
「腕の中に収まる低い身長に少し力を込めれば容易く消えてしまう儚い命!」
「…………」
「それのふっくらとした頬にボクは舌で舐めずりをし、恥ずかしがるそこ子を抱きしめ、耳を甘噛みしそしてボクは!」
「よし、分かったド変態なのだな!」
これ以上こいつに口を開かせてはいけないと余の勘が訴えたのでここいらで終わらせよう。余が途中で区切ったため不死王を名乗るトーデスのやつは不服そうにしている。
仕方ないであろう、この会話をもし通りかかった人に聞かれでもしたら、余まで変態扱いされる可能性が高い。止めるしかあるまい。
漫画や小説で言うところの伏せ字になる事をこいつは言いそうであるからな。
「なんだい、君が聞きたいて言ったから熱弁しようと思ったのに……」
「一人でもしくは余のいないところでしておれ」
「誰もボクの美学を聞いてくれないだよね、何でだろう?」
「会話の内容の問題であろうな」
トーデスはてをパタパタを左右に振り分からないなぁ~と余に完璧に伏せ字になる「美学」とやらを聞かせてくる。他の同類の紳士に対話しておればよかろう。
「まぁいいや、ねぇ魔王何処にいるか知らないかい?」
「ん?魔王……ナハトのことか?」
「そうそう、ナハト・アルプ・トラウム知ってるの?」
「あぁ、こっちにおるわ」
トーデスはナハトに用があるのか?なら、案内してやろうではないか。一様変態と言えど王だ、それなりに重要な用があるのであろう。しかし……
「何か忘れておるような……?」
◆◆◆◆◆
不死族(アンデット族)に不死王(ノーライフキング)て読みます。そして、新キャラ登場です!※この小説にまともな人物は登場しません(笑)
0
あなたにおすすめの小説
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる