1 / 1
あと何回、平和なクリスマスを過ごせるんだろう?
しおりを挟む
私は一体あと何回、平和なクリスマスを過ごせるんだろう?
ウクライナとロシアの戦争は未だに終わらない。今年はイスラエルの戦争が始まった。いつかは日本も戦争に巻き込まれるかもしれない。
もしかしたら、天災かも。事故? 事件?
来年の、クリスマスを祝う人々の中に、私はいるのかな?
クリスマスが近づくと、不安になってくる。年末だってことも関係してるかも。手が悴むくらい寒いってことも関係しているかも。
なんだって私は、こんな寒い日に1人でイルミネーションを見に来たんだろう。一応、彼氏いるのに。
私はバイト休みだけど、彼はバイトの残業中。ただそれだけの話。なら日曜を待てばいい。だけど何となく1人で来たかった。
さっき買った肉まんはもう、冷えっ冷えで鞄の中に入っている。カフェオレはまだあったかい、今買ったから。
カップルが増えてきた。1人で来た私を指差す気配に居心地悪さを感じた。
私は一体、誰のために生きているの?
私が骨身を削って納めた税金は戦争の費用に使われるかもしれない。将来のためにしている貯金も、早死にすれば葬式費用 ——いらないけど——。夏場は美景のために草むしりを頑張っていたけど、ひょっとしたら翌日には焼け野原かもしれない。
私は、幸せになりたい。その未来に彼氏の姿がなくたっていい。長生きできて、衣食住が脅かされない生活さえできれば。
高望みかもしれない。この時代だと特に。でも、当然な願いでもあるはず。
カップルの群れから逃れるようにイルミネーションから離れた。
視界にクリスマスツリーが入った。もみの木は「永遠」の象徴らしい。あれはたぶんもみの木じゃないだろうけど構わず、ささやかな願いをかけた。
今の時代だと煌めいて見えるような願い。だけどダイヤモンドのように強く、昔から変わらない小さな祈り。きっと今ごろ世界中で祈られているような普遍的な願い。
スマホの着信が鳴り、鞄を漁ると肉まんが出てきた。包み紙を剥がして齧ると中の方はまだ、ほんのりとだけ温かった。
ウクライナとロシアの戦争は未だに終わらない。今年はイスラエルの戦争が始まった。いつかは日本も戦争に巻き込まれるかもしれない。
もしかしたら、天災かも。事故? 事件?
来年の、クリスマスを祝う人々の中に、私はいるのかな?
クリスマスが近づくと、不安になってくる。年末だってことも関係してるかも。手が悴むくらい寒いってことも関係しているかも。
なんだって私は、こんな寒い日に1人でイルミネーションを見に来たんだろう。一応、彼氏いるのに。
私はバイト休みだけど、彼はバイトの残業中。ただそれだけの話。なら日曜を待てばいい。だけど何となく1人で来たかった。
さっき買った肉まんはもう、冷えっ冷えで鞄の中に入っている。カフェオレはまだあったかい、今買ったから。
カップルが増えてきた。1人で来た私を指差す気配に居心地悪さを感じた。
私は一体、誰のために生きているの?
私が骨身を削って納めた税金は戦争の費用に使われるかもしれない。将来のためにしている貯金も、早死にすれば葬式費用 ——いらないけど——。夏場は美景のために草むしりを頑張っていたけど、ひょっとしたら翌日には焼け野原かもしれない。
私は、幸せになりたい。その未来に彼氏の姿がなくたっていい。長生きできて、衣食住が脅かされない生活さえできれば。
高望みかもしれない。この時代だと特に。でも、当然な願いでもあるはず。
カップルの群れから逃れるようにイルミネーションから離れた。
視界にクリスマスツリーが入った。もみの木は「永遠」の象徴らしい。あれはたぶんもみの木じゃないだろうけど構わず、ささやかな願いをかけた。
今の時代だと煌めいて見えるような願い。だけどダイヤモンドのように強く、昔から変わらない小さな祈り。きっと今ごろ世界中で祈られているような普遍的な願い。
スマホの着信が鳴り、鞄を漁ると肉まんが出てきた。包み紙を剥がして齧ると中の方はまだ、ほんのりとだけ温かった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
あなたへの恋心を消し去りました
鍋
恋愛
私には両親に決められた素敵な婚約者がいる。
私は彼のことが大好き。少し顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
だけど、彼には私の気持ちが重いみたい。
今、彼には憧れの人がいる。その人は大人びた雰囲気をもつ二つ上の先輩。
彼は心は自由でいたい言っていた。
その女性と話す時、私には見せない楽しそうな笑顔を向ける貴方を見て、胸が張り裂けそうになる。
友人たちは言う。お互いに干渉しない割り切った夫婦のほうが気が楽だって……。
だから私は彼が自由になれるように、魔女にこの激しい気持ちを封印してもらったの。
※このお話はハッピーエンドではありません。
※短いお話でサクサクと進めたいと思います。
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる