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現代から不思議の国へ:少女時代
誰かが選ぶ私の道
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フリーダが味方してくれた。
私はそれだけで十分幸せだった。なのに幸せなことはもう1つ増えた。
「釈放? 私が?」
なぜか釈放されることになった。まだ豚箱行きになってから1週間、懲役が明けるには早すぎる。
尋問官より偉そうな監獄関係の高官は「そうだ」と頷いた。
「お前の身元引受人であったハイド伯爵の捜査により間者はお前ではなく船乗りの男だということが発覚し男を処した」
閣下が捜査を? お貴族様が? 領主が? 軍人でもないのに?
とりあえず嬉しそうに笑っておこう。
「ハイド伯爵が?」と私は嬉しそうに目を見開いてみせた。
*
釈放されハイド家の馬車に乗せられ屋敷に着いた。久しぶりに屋敷に足を踏み入れた。マーサや使用人らの冷ややかな視線を感じながら私は自室に向かった。ベッドで微睡んでいると、誰かが私を見ていることに気づいた。眠い頭を上げると夕方になっていた。3時間くらい寝ていたんだ。私はいつの間にか布団を掛けられていた。
「フリーダ?」
視線の主、フリーダは「ええ、フリーダです」と涙を流しながら頷き微笑んだ。「エルサ様が無事、お戻りになられて……」
私は自分のために泣く人にどうすればいいのか分からない。分からないなりにフリーダの震える手を握った。
「フリーダ、ありがとう。証言をしてくれて」
フリーダはにこりと微笑んだ。
「エルサ様のお手はとても温かいですね」
たぶんこれ、子ども体温。私16歳だもん。
フリーダは泣き終えると表情を引き締めた。
「閣下のご意向により、この件については当家では触れないこととなりました」
そうなんだ、ちょっと助かるけど……。
私は「閣下にもお礼を言いたいのだけど、いつ言えばいいの?」と首をこてんと傾げた。
「閣下が今夜のお食事はこちらでエルサ様と取っていかれるそうですから、その時にさりげなく仰ってみては?」とフリーダは柔らかく私を見つめた。
いやいや、だから事件の話をしていいの? と、言うか……。じわりじわりと眠気から覚醒した私は目を見開いた。
えええ!? 閣下とご飯!? 嫌だよ! どんな顔して食べればいいの⁈ マナーは覚えているから問題はない、はず。でも! 絶対のんびりと食べられない!
ノック音が聞こえた。フリーダはマーサが入室したことを確認した。
「閣下は7時頃にいらっしゃるそうですから、先に湯浴みを済ませますか?」
私は顔が赤くなったり青くなったりするのを感じながらコクンと頷いた。
寒かった体が解れるような温かい風呂で、垢がついた体を洗ってもらった。うん、人に洗ってもらうのはもう慣れたよ。どうでもいいけど、サウナに行きたい。
残念ながら晩餐用のドレスは仕立てていなかったから、国王陛下への新年の挨拶の時に着たドレスにした。
すると着付けていたマーサが「あれ?」と首を傾げメジャーを持ってきた。そして突然私のウエストを測った。
「44.5、痩せましたね」
コルセット着けているからね。あれ? この間測った時もコルセット着けてたかも。私は黙ってニコリと微笑んだ。この国で初めて測った時は52cmだった。ウエストと一緒に胸も小さくなっちゃった。
ドレスは47cmだった頃のウエストサイズに合わせていたものだった。今のウエストサイズだとスカート部分の見栄えが少し悪いから、別のシンプルなピンクのドレスにした。このドレスはフリーダ曰く「よく似合う」らしい。
けれど着付け終わるとマーサと、もう1人の侍女ヘレンは口を窄めた。
「質素すぎるわね」
どうやらこの国では華美なものが好まれるらしい。
ヘレンの案により、同系色のレースをスカートに波状でグルグル巻きに段を作って縫い付けることにした。真っ直ぐじゃなくて波状なのはきちんと縫い付ける時間がないかららしい。
「縫い目が気になるわね」とマーサは唸った。
「クリスマスに作った布のバラをつけます?」とヘレン。
「いいわね」とマーサはバラの箱を取りに行った。
その隙に私はふぅと息を吐き、鏡の前でくるりと回ってみた。トップスはシンプルなデザイン、特徴といえば袖先でフリルが広がっていることくらい。
「ねえ、ヘレン。トップスがとてもシンプルでしょう? フリルにバラをつけたスカートとアンバランスにならないかしら?」
「確かにバランスが悪くなりますね……。トップスに刺繍ができたらいいのですか、そんな時間はありませんし……。胸元にもバラを飾りますか」
淡い色のバラがいいなぁ。知ってる? 私、ゴテゴテとした服に慣れていないの! 前はショートパンツやスキニージンズが多かったよ。
マーサが戻ってきた。クリスマスに使っていたものだから、バラは真赤と白だった。
「お嬢様、どちらが良いと思われますか? 私は白が良いと考えますか」
「私もそう思います」と慎ましく頷いてやった。
トップスを悪目立ちさせないため、バラはスカートの下の方に8個つけられた。このドレスは後日リメイクすることとなった。
髪はいつも通りハーフアップだった。今日は三つ編みのハーフアップではなく緩やかにねじったハーフアップだった。
ヘレンは「お嬢様の御髪にこの白バラの蕾をいくつかつけたら素敵になると思われませんか?」とバラの箱を見た。
するとマーサは呆れたように「バラの季節には遅いのに、ドレスどころか髪にまでいくつもつけたらおかしいわよ」と首を振った。
「今夜はあの髪飾りをつけてください」と私は適当な白い花の髪飾りを指さした。
食堂に着くと給仕係と、40代半ばくらいの知らない金髪の男性と赤茶髪の少女がいた。少女はキラキラした目で私を見つめている。そんなに見つめられると、噂になってしまっているのかと不安になる。その男性と少女を見てフリーダは驚いたように「あら」と笑った。照れたように口元を綻ばせた男性は表情を引き締めた。フリーダは男性に近づいた。
「閣下は?」
「閣下は客用寝室にいらっしゃいます。一息つかれてからこちらにいらっしゃるとのことです」
男性はこちらに顔を向けた。フリーダは私を見て微笑んだ。
「こちらは閣下の筆頭文官ロイス・ド・ローレンスです」
それからフリーダは少女を指した。
「この子はロイスの娘マカレナ・ローズ・ド・ローレンス。14歳です」
「フリーダと同じ名字ですが、親戚でしょうか?」と私は上目遣いでロイス様を見つめた。
「私の息子ですよ」とフリーダはロイス様の背中を撫でた。
壮年のロイス様と並ぶと老齢のフリーダは小さく見える。私と同じくらいの身長なのに。フリーダ、孫がいたんだ。
ロイス様に促され、席に着くと閣下が入室なさった。
「皆、揃っているな」と閣下は静かに着席した。閣下が両手を組んだ、皆も両手を組んだので私も真似した。閣下は目を瞑った。
「天の恵みに感謝します。この食事が我々の心と体を満たし、喜びに満ちたものでありますように」
「アーメン」と異口同音に響いた。
料理が運ばれてきた。
普段、私は揚げ物ばかりを食べている。でも今日は違う。初めにフォアグラのテリーヌにバゲット。生ハムにブルーチーズとディルをつけたカナッペ。上品そうなポタージュ、いい香りがする。どうやって食べればいいのか分からずマカレナの手元を観察した。
私があむっとカナッペを食べると、閣下が口を開いた。
「エリザベス。今回の件を受け、そなたは……ハイド伯爵家に嫁ぐこととなった」
言葉が詰まった。息も詰まった。踏みにじられたように、私の心が凪のように静かになった。
それから「承知いたしました」と静かに答えた。
閣下は訝しむように「理解しているのか?」と私を見た。
「ええ。閣下に嫁ぐ、ということでしょう?」
ハイド家に男性は1人しかいないから、必然的に私の結婚相手は閣下。
「そうだが……」と閣下は言葉を切り「エリザベスの用意が整った時、婚姻の準備を始めることとする」と、意味ありげにフリーダを見た。
私は運ばれてきたローストビーフを口に運んだが、なぜか味がしなかった。閣下は赤ワインをゆっくりと飲み込んだ。
「また此度の婚約のため、其方には親代わりとして私の従姉夫妻がつくこととなった」
閣下は「養子縁組の書類だ。サインしなさい」と書類を差し出した。
私は黙ってサインをした。閣下の従姉夫妻はサイン済みのようだ。フェルディナンド・ド・ボーヴァー様とイノックア様か。
「また此度の婚約に伴い、其方にマカレナが文官として就くこととなった」
「しっかりと務めさせていただきます」とマカレナは慌ててナイフとフォークを机の上においた。
私はしっかりと笑顔で頷いて見せた。それから……。
一瞬真顔になった。ゴーディラックから脱出してやろうと思った。
私は再び笑顔に戻った。
私はそれだけで十分幸せだった。なのに幸せなことはもう1つ増えた。
「釈放? 私が?」
なぜか釈放されることになった。まだ豚箱行きになってから1週間、懲役が明けるには早すぎる。
尋問官より偉そうな監獄関係の高官は「そうだ」と頷いた。
「お前の身元引受人であったハイド伯爵の捜査により間者はお前ではなく船乗りの男だということが発覚し男を処した」
閣下が捜査を? お貴族様が? 領主が? 軍人でもないのに?
とりあえず嬉しそうに笑っておこう。
「ハイド伯爵が?」と私は嬉しそうに目を見開いてみせた。
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釈放されハイド家の馬車に乗せられ屋敷に着いた。久しぶりに屋敷に足を踏み入れた。マーサや使用人らの冷ややかな視線を感じながら私は自室に向かった。ベッドで微睡んでいると、誰かが私を見ていることに気づいた。眠い頭を上げると夕方になっていた。3時間くらい寝ていたんだ。私はいつの間にか布団を掛けられていた。
「フリーダ?」
視線の主、フリーダは「ええ、フリーダです」と涙を流しながら頷き微笑んだ。「エルサ様が無事、お戻りになられて……」
私は自分のために泣く人にどうすればいいのか分からない。分からないなりにフリーダの震える手を握った。
「フリーダ、ありがとう。証言をしてくれて」
フリーダはにこりと微笑んだ。
「エルサ様のお手はとても温かいですね」
たぶんこれ、子ども体温。私16歳だもん。
フリーダは泣き終えると表情を引き締めた。
「閣下のご意向により、この件については当家では触れないこととなりました」
そうなんだ、ちょっと助かるけど……。
私は「閣下にもお礼を言いたいのだけど、いつ言えばいいの?」と首をこてんと傾げた。
「閣下が今夜のお食事はこちらでエルサ様と取っていかれるそうですから、その時にさりげなく仰ってみては?」とフリーダは柔らかく私を見つめた。
いやいや、だから事件の話をしていいの? と、言うか……。じわりじわりと眠気から覚醒した私は目を見開いた。
えええ!? 閣下とご飯!? 嫌だよ! どんな顔して食べればいいの⁈ マナーは覚えているから問題はない、はず。でも! 絶対のんびりと食べられない!
ノック音が聞こえた。フリーダはマーサが入室したことを確認した。
「閣下は7時頃にいらっしゃるそうですから、先に湯浴みを済ませますか?」
私は顔が赤くなったり青くなったりするのを感じながらコクンと頷いた。
寒かった体が解れるような温かい風呂で、垢がついた体を洗ってもらった。うん、人に洗ってもらうのはもう慣れたよ。どうでもいいけど、サウナに行きたい。
残念ながら晩餐用のドレスは仕立てていなかったから、国王陛下への新年の挨拶の時に着たドレスにした。
すると着付けていたマーサが「あれ?」と首を傾げメジャーを持ってきた。そして突然私のウエストを測った。
「44.5、痩せましたね」
コルセット着けているからね。あれ? この間測った時もコルセット着けてたかも。私は黙ってニコリと微笑んだ。この国で初めて測った時は52cmだった。ウエストと一緒に胸も小さくなっちゃった。
ドレスは47cmだった頃のウエストサイズに合わせていたものだった。今のウエストサイズだとスカート部分の見栄えが少し悪いから、別のシンプルなピンクのドレスにした。このドレスはフリーダ曰く「よく似合う」らしい。
けれど着付け終わるとマーサと、もう1人の侍女ヘレンは口を窄めた。
「質素すぎるわね」
どうやらこの国では華美なものが好まれるらしい。
ヘレンの案により、同系色のレースをスカートに波状でグルグル巻きに段を作って縫い付けることにした。真っ直ぐじゃなくて波状なのはきちんと縫い付ける時間がないかららしい。
「縫い目が気になるわね」とマーサは唸った。
「クリスマスに作った布のバラをつけます?」とヘレン。
「いいわね」とマーサはバラの箱を取りに行った。
その隙に私はふぅと息を吐き、鏡の前でくるりと回ってみた。トップスはシンプルなデザイン、特徴といえば袖先でフリルが広がっていることくらい。
「ねえ、ヘレン。トップスがとてもシンプルでしょう? フリルにバラをつけたスカートとアンバランスにならないかしら?」
「確かにバランスが悪くなりますね……。トップスに刺繍ができたらいいのですか、そんな時間はありませんし……。胸元にもバラを飾りますか」
淡い色のバラがいいなぁ。知ってる? 私、ゴテゴテとした服に慣れていないの! 前はショートパンツやスキニージンズが多かったよ。
マーサが戻ってきた。クリスマスに使っていたものだから、バラは真赤と白だった。
「お嬢様、どちらが良いと思われますか? 私は白が良いと考えますか」
「私もそう思います」と慎ましく頷いてやった。
トップスを悪目立ちさせないため、バラはスカートの下の方に8個つけられた。このドレスは後日リメイクすることとなった。
髪はいつも通りハーフアップだった。今日は三つ編みのハーフアップではなく緩やかにねじったハーフアップだった。
ヘレンは「お嬢様の御髪にこの白バラの蕾をいくつかつけたら素敵になると思われませんか?」とバラの箱を見た。
するとマーサは呆れたように「バラの季節には遅いのに、ドレスどころか髪にまでいくつもつけたらおかしいわよ」と首を振った。
「今夜はあの髪飾りをつけてください」と私は適当な白い花の髪飾りを指さした。
食堂に着くと給仕係と、40代半ばくらいの知らない金髪の男性と赤茶髪の少女がいた。少女はキラキラした目で私を見つめている。そんなに見つめられると、噂になってしまっているのかと不安になる。その男性と少女を見てフリーダは驚いたように「あら」と笑った。照れたように口元を綻ばせた男性は表情を引き締めた。フリーダは男性に近づいた。
「閣下は?」
「閣下は客用寝室にいらっしゃいます。一息つかれてからこちらにいらっしゃるとのことです」
男性はこちらに顔を向けた。フリーダは私を見て微笑んだ。
「こちらは閣下の筆頭文官ロイス・ド・ローレンスです」
それからフリーダは少女を指した。
「この子はロイスの娘マカレナ・ローズ・ド・ローレンス。14歳です」
「フリーダと同じ名字ですが、親戚でしょうか?」と私は上目遣いでロイス様を見つめた。
「私の息子ですよ」とフリーダはロイス様の背中を撫でた。
壮年のロイス様と並ぶと老齢のフリーダは小さく見える。私と同じくらいの身長なのに。フリーダ、孫がいたんだ。
ロイス様に促され、席に着くと閣下が入室なさった。
「皆、揃っているな」と閣下は静かに着席した。閣下が両手を組んだ、皆も両手を組んだので私も真似した。閣下は目を瞑った。
「天の恵みに感謝します。この食事が我々の心と体を満たし、喜びに満ちたものでありますように」
「アーメン」と異口同音に響いた。
料理が運ばれてきた。
普段、私は揚げ物ばかりを食べている。でも今日は違う。初めにフォアグラのテリーヌにバゲット。生ハムにブルーチーズとディルをつけたカナッペ。上品そうなポタージュ、いい香りがする。どうやって食べればいいのか分からずマカレナの手元を観察した。
私があむっとカナッペを食べると、閣下が口を開いた。
「エリザベス。今回の件を受け、そなたは……ハイド伯爵家に嫁ぐこととなった」
言葉が詰まった。息も詰まった。踏みにじられたように、私の心が凪のように静かになった。
それから「承知いたしました」と静かに答えた。
閣下は訝しむように「理解しているのか?」と私を見た。
「ええ。閣下に嫁ぐ、ということでしょう?」
ハイド家に男性は1人しかいないから、必然的に私の結婚相手は閣下。
「そうだが……」と閣下は言葉を切り「エリザベスの用意が整った時、婚姻の準備を始めることとする」と、意味ありげにフリーダを見た。
私は運ばれてきたローストビーフを口に運んだが、なぜか味がしなかった。閣下は赤ワインをゆっくりと飲み込んだ。
「また此度の婚約のため、其方には親代わりとして私の従姉夫妻がつくこととなった」
閣下は「養子縁組の書類だ。サインしなさい」と書類を差し出した。
私は黙ってサインをした。閣下の従姉夫妻はサイン済みのようだ。フェルディナンド・ド・ボーヴァー様とイノックア様か。
「また此度の婚約に伴い、其方にマカレナが文官として就くこととなった」
「しっかりと務めさせていただきます」とマカレナは慌ててナイフとフォークを机の上においた。
私はしっかりと笑顔で頷いて見せた。それから……。
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