はずれものの恋、ユーラシアのはぐれ島で

アイザッカ

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最初の3ヶ月:新婚時代

運命の重圧

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「閣下、なぜ本邸を移されるのですか?」
「婚姻にあたる、国王陛下からのご指示だ。それ以上其方に話すことはない」

 私は俯き視線だけを上げた。

「承知いたしました」

 私は思考を読まれないよう目を睡蓮に向けた。
 理由は私でも察しがつく。ハイド伯爵と私の婚姻にあたる指示。私が前科者だということが関係しているのかもしれない。さすがに前科者が領地持ち貴族の夫人はまずいだろうから。でも私は領主夫人としては何も出来ないし、人を動かす力もないから無害だと思う。
 睡蓮が揺らいだ。
 ここでも私はいない方が良かったのか……。嫌だなぁ。

 私は目の焦点を緩め閣下に顔を向けた。

「閣下、気分がすぐれないので自室に帰ることを許していただけますか?」
「許す。しっかりと休みなさい」

 私は立ち上がった。
 
「失礼いたします」

 お辞儀をし、私は無礼にならない程度に速歩きで東屋を出た。苦しい。消えたい。何で私がいるの? なぜ私はこの国に来たの? いいえ、この国の外にいたとしても私は……。何のために生まれてきたの、私。私は本当の意味で閣下の妻にはなれない。本当の意味で両親の娘にもなれなかった。私は、私は……。ダメね。今年で18歳になるのにこんな子どもっぽい……。

 屋敷の中に入りマカレナと目があった。隣にはマカレナがいる。私は自室のドアに手を掛けた。

「マカレナ、今日フリーダを見かけないんだけどどうしたの?」
「本日お祖母様は体調がすぐれないそうでお休みをいただいております」
「大丈夫なの? フリーダは」
「大丈夫ですよ。ただの高血圧ですから」
「フリーダって血圧が高いの?」

 マカレナは肩を竦めた。

「それが分からないんです。お医者様によると普段はそうでもない血圧なんですが」

 昨日の結婚式で興奮したのかな。私は部屋に入る。

「マカレナ、アンネリース。少し1人にして」

 アンネリースはお辞儀をした。

「ではドアの前で控えております」

 私はドアを閉じた。ドアに寄りかかったまま座り込んでしまった。腕を強く引っ掻いた。17歳。若いって分かっている。世界の全てを知るには若い。でも、消えたい。私、消えたい。
 腕を引っ掻いて引っ掻いて引っ掻いてあかぎれのように腫れたことに気づいた。血を連想する赤い傷。現実にギュンと引き戻されるのと同じスピードで思った。絶対に生きてやる、と。ここで死んだら負け。全部に負けたことになる。環境に、政治に、カルチャーショックに、人の思考に。絶対、絶対に負けない。死なない。駄々っ子のように負けず嫌いになってやる。
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