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プロローグ2
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後半の話のプロローグです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
戦地、荒廃、そんな言葉が当てはまるほど荒れていた。
コンクリートで、舗装されていた場所は所々何かに穿かれた所が無数にあり、コンクリート片と土が散乱している。
そんな荒廃した場所に、傷つき、口からは血を滲ませながら、何とかして突破口を見つけようとしている、一人の軍人がいた。
白練色の髪をなびかせて、その瞳は赤く染まっている軍人は日本が誇る軍最強と言われた、夜神凪大佐だった。
その後ろでは、同じように体全体が何かに貫かれて、一歩間違えば出血多量で命を落としていたかもしれない軍人が、同じように口から血を伝わせて、薔薇色の刀身を持つ刀を突き立てて肩で息をする。
そして、二人と対峙するように立っていたのは吸血鬼の帝國・エルヴァスディア大帝國の皇帝ルードヴィッヒ・リヒティン・フライフォーゲルであり、黒衣のマントをはためかせている。
夜神はここまで来て、絶望しかない未来を見てしまった。このままいても、世界は奴らに蹂躪され、支配される。
自分一人で済むのならば安いものだ。お釣りが来るかもしれない。
それに、「大好きな人」を守れるならば喜んで捧げよう。
かつては、大好きになった人は奪われた。集落の皆も、お母さんも、先生も。この目の前で薄ら笑いをしている皇帝に。
けど、守れる道があるならば、迷わずその道を進む。
それが人身御供のように、捧げることになっても。
けど、大好きになった人は優しいから。きっと、私が憎い皇帝の元に行くことを責めてしまうかもしれない。
誰のせいでもないのに。自分に力がなかったと嘆いてしまうかもしれない・・・・・
傷つき、今も苦しそうにしている愛している人に笑みを浮べる。罪悪感をこれ以上抱かないように・・・・
「海斗・・・・・大好き。生きて、これ以上私から大切な人を奪われたくないから・・・・・」
トンと膝をつき合わせ、悲しそうに、苦しそうにしている庵の頬を、両手で包み込む。
そして、カサつく唇に自分の唇を重ねる。
それは数秒の出来事。けど、夜神にとっては長い出来事にも思う。
互に口からは血を流しているせいか、血の味がする。
最後の口付けが、まさかの血の味とはなんの因果なのだろう。
精一杯の笑みを浮かべて、夜神は庵を見る。もし、思い浮かべる時は泣いた顔ではなく、笑った顔を思い出して欲しくて。
「海斗、笑って。私はあなたの笑った顔が好きだから。あなたを守れるなら、私は頑張れるから・・・・・大好き!そして生きて!」
沢山の想いを込めて、許されるなら何度でも伝えたい
━━━━大好き、と。だから、生きて、と。
それが私が願う、我儘だと。
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後半に入ります。プロローグは一体、何処の内容なのかは徐々に解き明かされる思います。
まだまだ、続きます。完結まで頑張っていきたいと思います。最後までよろしくお願いします!!
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戦地、荒廃、そんな言葉が当てはまるほど荒れていた。
コンクリートで、舗装されていた場所は所々何かに穿かれた所が無数にあり、コンクリート片と土が散乱している。
そんな荒廃した場所に、傷つき、口からは血を滲ませながら、何とかして突破口を見つけようとしている、一人の軍人がいた。
白練色の髪をなびかせて、その瞳は赤く染まっている軍人は日本が誇る軍最強と言われた、夜神凪大佐だった。
その後ろでは、同じように体全体が何かに貫かれて、一歩間違えば出血多量で命を落としていたかもしれない軍人が、同じように口から血を伝わせて、薔薇色の刀身を持つ刀を突き立てて肩で息をする。
そして、二人と対峙するように立っていたのは吸血鬼の帝國・エルヴァスディア大帝國の皇帝ルードヴィッヒ・リヒティン・フライフォーゲルであり、黒衣のマントをはためかせている。
夜神はここまで来て、絶望しかない未来を見てしまった。このままいても、世界は奴らに蹂躪され、支配される。
自分一人で済むのならば安いものだ。お釣りが来るかもしれない。
それに、「大好きな人」を守れるならば喜んで捧げよう。
かつては、大好きになった人は奪われた。集落の皆も、お母さんも、先生も。この目の前で薄ら笑いをしている皇帝に。
けど、守れる道があるならば、迷わずその道を進む。
それが人身御供のように、捧げることになっても。
けど、大好きになった人は優しいから。きっと、私が憎い皇帝の元に行くことを責めてしまうかもしれない。
誰のせいでもないのに。自分に力がなかったと嘆いてしまうかもしれない・・・・・
傷つき、今も苦しそうにしている愛している人に笑みを浮べる。罪悪感をこれ以上抱かないように・・・・
「海斗・・・・・大好き。生きて、これ以上私から大切な人を奪われたくないから・・・・・」
トンと膝をつき合わせ、悲しそうに、苦しそうにしている庵の頬を、両手で包み込む。
そして、カサつく唇に自分の唇を重ねる。
それは数秒の出来事。けど、夜神にとっては長い出来事にも思う。
互に口からは血を流しているせいか、血の味がする。
最後の口付けが、まさかの血の味とはなんの因果なのだろう。
精一杯の笑みを浮かべて、夜神は庵を見る。もし、思い浮かべる時は泣いた顔ではなく、笑った顔を思い出して欲しくて。
「海斗、笑って。私はあなたの笑った顔が好きだから。あなたを守れるなら、私は頑張れるから・・・・・大好き!そして生きて!」
沢山の想いを込めて、許されるなら何度でも伝えたい
━━━━大好き、と。だから、生きて、と。
それが私が願う、我儘だと。
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後半に入ります。プロローグは一体、何処の内容なのかは徐々に解き明かされる思います。
まだまだ、続きます。完結まで頑張っていきたいと思います。最後までよろしくお願いします!!
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