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前を歩く背中を見つめながら、庵はこの先に待ち構えてある試練を、なんとも言えない気持ちになりながら歩いていた。
絶対、生きていられる自身がない。きっと地獄が待っている。あの、白い瞳で微笑みながら、俺をバカスカと打ちまくるかもしれない。
ブルッと体を震わせて、庵は揺れポニーテールの毛先を見つめた
何か、恐怖に満ちた目線で、私を見ているのは気のせいかしら?確かにちょっと脅したけど(刀の柄を持って)そこまで怯える必要あるかしら?確かに、これから打ち合いするけど多分、一回受け止めだけで終わると思う。
懐かしい。私も先生に何度も一回だけ受け止められて、あとは飛ばされていたな。小学生相手に手抜きしなかったからな先生。
自分がされていた事を思い出して、クスッと笑い後ろを歩いている庵に顔を向ける
「緊張してる?さっきの脅されたのが効いてきた?そこまで怖かった?」
「えっ?やっぱりさっきのは脅しだったんですか?!怖いですよ」
「失礼ね。脅したわけないじゃない。庵君はずーっと緊張しているから、少しでもリラックマしてもらおうと、冗談言ったんだけど?本気にしちゃった?」
クスクス笑いながら、速度を落として庵と肩を並べる。並んで歩くと頭一つ小さい夜神が、見上げてくる。その白い瞳はとても不思議で、何故か吸い込まれそうになる感覚になる。
「私の目が気になる?」
「すみません。人の顔をジロジロ見るのは失礼ですよね」
「気にしないでいいよ。慣れているから。私の瞳は父親の遺伝なの。視力の退化や病気の類いかもと、一度検査を受けたけど、問題はなかったのよね。ただ、色素が薄いこと、後は・・・・・秘密。近い内に分かると思うから。楽しみにしていてね」
自分の目を指さして、微笑みながら答えていく。
きっと、物心がつく位から好機の眼差しで見られていたのだろう。だから今回の配属も係も「その程度」のことなのだ。普段から慣れている視線だから気にもしないのだろう。
強い女性なんだろう。実力も心も。改めて、自分は凄いめぐり合わせでチャンスを掴んだと思った。
食堂の定食は煮込みハンバーグが絶品とか、七海少佐の室長に怒られた遍歴とか他愛のない会話をしながら、剣道場に着いた。
「では、防具を着けてきてね。私はここで待ってるから」
「夜神中佐は着けないのですか?」
なぜ、自分だけ防具?いや、ありえなくもないけど
「う~ん・・・・必要ないから?かな」
小首を傾げて微笑む夜神は、傍から見るとても可愛い。けど庵は悟った。絶対、打ち合いにもならない恐怖の展開になること間違いと。
あ~周りに居る人達が羨ましい。
道場には四つのラインで分られており、その内の三つはすでに埋まっている。みな学生と教育係だ。防具をお互い着けたり、背中に周って剣の指導をしていたりする。
きっと、今から自分がされる指導はこんなものじゃない。絶対違う!本当に違う!何故なら凄く確信がもてる
けど、今の自分の教育係は夜神中佐だ。命令は逆らえない。ならば自分は防具を身に着け、中佐と打ち合いをするまでだ!!
「分かりました。着替えて来ますので、少しお時間頂きます
」
「分かっるよ。待ってるからね」
相変わらずの微笑みを庵に向けて、ヒラヒラと手を振っていた。
ちゃんと、心の準備は出来たのかしら?道場に入ってから物凄くピリピリしてるのよね。あの、脅し行為がそんなに尾を引くものだったのなら、考え直さないと後々面倒になよね。
夜神は当たっていいるような、違うような答を思いながら待っていたが、打ち合いになるなら自分も竹刀が必要だ。
壁には竹刀が沢山ある。そのうちの一つを手に取り軽く素振りをする。
うん、これでいい。さて、しっかりと準備が出来た庵君はどれほどの実力なのか楽しみだわ。
夜神は竹刀を持ってラインの真ん中で、準備が終わる庵を待っのであった
絶対、生きていられる自身がない。きっと地獄が待っている。あの、白い瞳で微笑みながら、俺をバカスカと打ちまくるかもしれない。
ブルッと体を震わせて、庵は揺れポニーテールの毛先を見つめた
何か、恐怖に満ちた目線で、私を見ているのは気のせいかしら?確かにちょっと脅したけど(刀の柄を持って)そこまで怯える必要あるかしら?確かに、これから打ち合いするけど多分、一回受け止めだけで終わると思う。
懐かしい。私も先生に何度も一回だけ受け止められて、あとは飛ばされていたな。小学生相手に手抜きしなかったからな先生。
自分がされていた事を思い出して、クスッと笑い後ろを歩いている庵に顔を向ける
「緊張してる?さっきの脅されたのが効いてきた?そこまで怖かった?」
「えっ?やっぱりさっきのは脅しだったんですか?!怖いですよ」
「失礼ね。脅したわけないじゃない。庵君はずーっと緊張しているから、少しでもリラックマしてもらおうと、冗談言ったんだけど?本気にしちゃった?」
クスクス笑いながら、速度を落として庵と肩を並べる。並んで歩くと頭一つ小さい夜神が、見上げてくる。その白い瞳はとても不思議で、何故か吸い込まれそうになる感覚になる。
「私の目が気になる?」
「すみません。人の顔をジロジロ見るのは失礼ですよね」
「気にしないでいいよ。慣れているから。私の瞳は父親の遺伝なの。視力の退化や病気の類いかもと、一度検査を受けたけど、問題はなかったのよね。ただ、色素が薄いこと、後は・・・・・秘密。近い内に分かると思うから。楽しみにしていてね」
自分の目を指さして、微笑みながら答えていく。
きっと、物心がつく位から好機の眼差しで見られていたのだろう。だから今回の配属も係も「その程度」のことなのだ。普段から慣れている視線だから気にもしないのだろう。
強い女性なんだろう。実力も心も。改めて、自分は凄いめぐり合わせでチャンスを掴んだと思った。
食堂の定食は煮込みハンバーグが絶品とか、七海少佐の室長に怒られた遍歴とか他愛のない会話をしながら、剣道場に着いた。
「では、防具を着けてきてね。私はここで待ってるから」
「夜神中佐は着けないのですか?」
なぜ、自分だけ防具?いや、ありえなくもないけど
「う~ん・・・・必要ないから?かな」
小首を傾げて微笑む夜神は、傍から見るとても可愛い。けど庵は悟った。絶対、打ち合いにもならない恐怖の展開になること間違いと。
あ~周りに居る人達が羨ましい。
道場には四つのラインで分られており、その内の三つはすでに埋まっている。みな学生と教育係だ。防具をお互い着けたり、背中に周って剣の指導をしていたりする。
きっと、今から自分がされる指導はこんなものじゃない。絶対違う!本当に違う!何故なら凄く確信がもてる
けど、今の自分の教育係は夜神中佐だ。命令は逆らえない。ならば自分は防具を身に着け、中佐と打ち合いをするまでだ!!
「分かりました。着替えて来ますので、少しお時間頂きます
」
「分かっるよ。待ってるからね」
相変わらずの微笑みを庵に向けて、ヒラヒラと手を振っていた。
ちゃんと、心の準備は出来たのかしら?道場に入ってから物凄くピリピリしてるのよね。あの、脅し行為がそんなに尾を引くものだったのなら、考え直さないと後々面倒になよね。
夜神は当たっていいるような、違うような答を思いながら待っていたが、打ち合いになるなら自分も竹刀が必要だ。
壁には竹刀が沢山ある。そのうちの一つを手に取り軽く素振りをする。
うん、これでいい。さて、しっかりと準備が出来た庵君はどれほどの実力なのか楽しみだわ。
夜神は竹刀を持ってラインの真ん中で、準備が終わる庵を待っのであった
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