【R18】陰に堕ちる 〜優しい彼女より、狂った彼女に溺れました〜

いろは杏⛄️

文字の大きさ
9 / 20

第9話 スカートの奥で

しおりを挟む
 翌日――空気が、違っていた。
 誰もが普通の朝を迎える中で、晶だけが違う世界の住人になっていた。

 前日の夜、澪の喉奥にすべてを搾られた余韻が、まだ下腹に残っていた。
 出したはずなのに、出し切ったはずなのに、脳がまだ欲しがっている。
 彼女の舌の感触、唇のぬめり、あの視線。
 思い出すだけで、制服の下が脈打つのを感じた。

(もう、あの子がいないと……)

 教室で澪を見つけた瞬間、目が離せなくなった。
 澪は晶の存在に気づいていたはずなのに、決してこちらを見ようとはしなかった。
 それでも、見られていることを意識した仕草だけは、確かにあった。

 頬杖をついて机にうつ伏すとき、スカートが少しだけずれる。
 プリーツの奥に、黒く織り込まれたレースの気配が覗いた。

(……わざとだ)

 そう理解した瞬間、喉が焼けるように渇いた。

 放課後、スマホに一通のメッセージが届いた。

《準備室、来てください。今日は……わたしが気持ちよくなる番です》

 その文面を見ただけで、心臓が跳ね、足元が揺れた。

    * * *

  旧準備室――。
 その扉を開けると、そこはもう彼女の支配空間だった。

 カーテンが引かれ、わずかな光の中に浮かぶ椅子と女の輪郭。
 澪が、いた。

 制服のまま、椅子に腰を下ろしていた。
 スカートの裾は膝より少し上、脚はやや開かれている。
 白い太腿が照明に照らされて艶を放ち、澪の唇は、何かを試すような笑みを浮かべていた。

「来てくれて、えらいですね」

 言葉は甘いのに、声は冷たい。
 そのアンバランスさが、晶の背筋を震わせた。

「今日は……見ててくださいね。晶くんは、触っちゃダメです」

 何を? という問いを飲み込む間もなく、
 澪は両手をそっとスカートの内側へと差し入れた。

 まるで、そこに聖域があると信じているかのような動作で。

 布地が揺れ、視線の奥に黒いレースが覗く。
 澪はためらいなく脚を開いた。
 そして、指を――這わせ始めた。

「ねぇ、晶くん。……わたしが、どこ触ってるか、分かりますか?」

 指が布の上から、優しく、そこを撫でていた。
 湿った音が、空間に浮かぶ。

 ぬちゅ……くちゅっ……じゅっ……

 下品な音ではなかった。
 だがその静けさこそが、晶の理性を削っていく。
 澪の口元がわずかに緩み、吐息が漏れる。

「……っ、ん……気持ち、いい……」

 晶はその場に立ったまま、唇を噛みしめた。
 ズボンの内側で、肉が明確な硬度をもって脈打っている。
 何もしていない。
 ただ彼女が自分を慰める様子を見ているだけ。

 でも、視覚だけじゃなかった。

 甘く熟れた果実のような匂いが、空気の中に微かに漂っていた。
 それは澪の髪の香りではなかった。
 下腹部の奥から立ち昇る、熱と湿度と性の匂い――

「……晶くんも、我慢してるんですよね?」

 視線を合わせられない。
 合わせた瞬間に、何かが壊れると直感していた。

 澪は、見せつけていた。
 自分が快感を得る姿を、堂々と。
 その濡れた指を、レースの奥に差し込んでいく。

「ね……聞こえますか? わたしの中、ぐちゅぐちゅ言ってるの……」

 晶の喉が、カラカラに乾いた音を立てて鳴る。
 触れられていない。何一つ、されていない。
 けれど、下半身は――すでに限界が近かった。

    * * *

 澪の指が、レースの奥へと沈んでいく。
 下着越しではなく、布の内側――直接、その中へ。

 指が入る感触を確かめるように、彼女の喉が小さく鳴る。

「……っん、ぁ……っ、ふ……ぁ」

 か細い声が、空気を震わせた。
 晶の耳には、それが耳の奥を舐められているような感覚として響いた。

 澪の脚がわずかに震える。
 それでも彼女は脚を閉じようとしない。
 むしろ、もっと見て、と言うように膝を広げる。

 くちゅ、ぬちゅ、じゅぷ……

 湿った指が、秘裂を往復するたび、明確な音が室内にこだまする。
 まるで音だけで快感を伝えるつもりなのかと思うほどに――澪の動きは淫靡で、緩慢で、挑発的だった。

「……ん、はぁ……晶くん、わたしが……指で、してるの……見えてますよね……?」

 問いかけは、答えを必要としない。
 その視線の熱だけで、彼女は悦びを増していく。

 右手は内側に沈み、左手は自分の胸元をまさぐっていた。
 白いブラウスのボタンがひとつ、ふたつと外れていく。
 ブラのカップから、あふれるほどの乳房が半分だけ露出した。

 乳首を指で摘まみ、ねじる。
 その刺激が、また下腹部の湿りと繋がり、澪の喉から震えた喘ぎが漏れる。

「……あ、あっ、んっ……っ、きもち、い……」

 指が止まらない。
 擦れ、沈み、掻き乱されるたびに、澪の声が、音が、匂いが晶の皮膚に食い込んでくる。

 ――もう、限界だった。

 ズボンの中で熱が膨らみきり、先端からは透明な液が滲んでいた。
 触れてすらいない。だが、身体が勝手に絶頂の準備を始めている。

 そんな晶を、澪が見た。

「……出ちゃいそうですか?」

 口元に浮かぶ、絶対的な優越感。
 澪は、言った。

「じゃあ――わたしがイくのと、同時に出してくださいね」

 その瞬間、澪は背を仰け反らせた。

「っ……ぁ、あっ……! ん、んっ……っ、イク……っ、くぅ……!」

 喘ぎと共に、指が深く沈み込む。
 太腿が跳ね、体が硬直し、喉が震える。

 澪の絶頂が――視線と音と匂いと空気のすべてで、伝わってきた。

 そして晶も、堕ちた。

「あっ、だ……ダメ、出る……っ!」

 何も触れず、ただその姿だけを見て。
 ズボンの中で、晶の肉が脈を打ち――射精が始まった。

 白濁が溢れ、下着の内側を濡らしていく。
 膝が崩れ、壁に手をついて支える。
 意識が、快感の波で塗りつぶされる。

「――出したんですね」

 澪は、軽く笑った。
 指をまだ中に入れたまま、ぬるりと引き抜く。
 その指先から、粘り気のある液が糸を引いた。

 そして、そのまま。

 その指を、自分の口元へと運び――ぺろりと舐めた。

 晶の呼吸が止まった。

「……見てるだけで、出すなんて」

 言葉に、あざけりはなかった。
 あるのは、ただ慈愛のような支配。

「ほんとに、犬みたいですね。かわいい」

 澪は立ち上がり、スカートを直し、髪を指で整える。

 そして準備室の鍵を開けると、澪はくす、と笑って出ていった。

 快感の残り香と、自分の体液の湿りだけを、晶に残して。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

処理中です...