11 / 36
chapter.01
彷徨う魂は黎明に眠る
しおりを挟む
あれから自分はなにをどうしたのか、記憶にまったくない。
今たしかなのは、フルフラットの窮屈なネットカフェの個室で横たわっている事実だ。
黒い革張りのリクライニングマットから半身を起こす。薄型テレビの画面の中で、ふたりの男に挟まれて喘ぎ声を上げる若い女と目が合った。
「くっ……」
激しい頭痛が思い出そうとする自分を引き止め、ふたたび身体を倒させる。
汗ばむ手のひらで顔に触れた航は、続けて咽喉の渇きに苦しめられた。
ふと、もう片方の手に金属物が当たる。ビールの空き缶だ。
(ここは……そうか、茉莉花に追い出されて……)
ほんのわずかだけ、断片的に記憶を思い出す。
そして、精液の味も。
航は真っ白な天井を見つめたまま、手さぐりでスマートフォンを掴む。
着信は誰からもない。
午前四時を過ぎたばかりだった。
『会ってたのって、女? 本当は女と飲んでたんでしょ?』
思い出した言葉を鼻で笑い、スマートフォンの画面を閉じる。
茉莉花は、仕事が休みのはず。誤解で損ねてしまった機嫌も、昼までには直るだろう。
もうひと眠りすれば、すべてが元通りに──。
そう考えて瞼を閉じれば、女の喘ぎ声に誘発されて葛城の顔や口内で脈打つペニスの感覚が鮮明に蘇ってくる。
いろいろと疲れた。
今はただ、眠りたい。
遠退く意識が最後に聞いたのは、床に転がる空き缶の音だった。
今たしかなのは、フルフラットの窮屈なネットカフェの個室で横たわっている事実だ。
黒い革張りのリクライニングマットから半身を起こす。薄型テレビの画面の中で、ふたりの男に挟まれて喘ぎ声を上げる若い女と目が合った。
「くっ……」
激しい頭痛が思い出そうとする自分を引き止め、ふたたび身体を倒させる。
汗ばむ手のひらで顔に触れた航は、続けて咽喉の渇きに苦しめられた。
ふと、もう片方の手に金属物が当たる。ビールの空き缶だ。
(ここは……そうか、茉莉花に追い出されて……)
ほんのわずかだけ、断片的に記憶を思い出す。
そして、精液の味も。
航は真っ白な天井を見つめたまま、手さぐりでスマートフォンを掴む。
着信は誰からもない。
午前四時を過ぎたばかりだった。
『会ってたのって、女? 本当は女と飲んでたんでしょ?』
思い出した言葉を鼻で笑い、スマートフォンの画面を閉じる。
茉莉花は、仕事が休みのはず。誤解で損ねてしまった機嫌も、昼までには直るだろう。
もうひと眠りすれば、すべてが元通りに──。
そう考えて瞼を閉じれば、女の喘ぎ声に誘発されて葛城の顔や口内で脈打つペニスの感覚が鮮明に蘇ってくる。
いろいろと疲れた。
今はただ、眠りたい。
遠退く意識が最後に聞いたのは、床に転がる空き缶の音だった。
20
あなたにおすすめの小説
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる