7 / 9
#7 冒険者ベリアル
しおりを挟む
「ここは……」
ケイムに案内された場所は、酒場からほど近い場所にあった受付窓口のような物が複数箇所設置されているところだった。
「ここがクエストを見繕ってもらう時に来る場所でカウンターと呼ばれてます。カウンターで問い合わせれば管理人さんとすぐに対面できるかと思います」
ケイムはそう言うと、何故か半歩下がり律儀に一礼し、顔を上げた。
完全に上下関係が出来上がってしまっている。
フィーナもフィーナで頼んでもいないのに自ら率先してクーガの手伝いをしている。
この異様な光景にベリアルは少し戸惑いながらもカウンターにて管理人との対面を望んだ。
「すまない、ここの管理人に当たる人物がいれば呼んでくれないだろうか。酒場の件で少し話したいことがあるのだ」
ベリアルは女性の受付係にそう言った。
「かしこまりました、少々お待ちください」
受付嬢はべリアルの話を聞くなりお辞儀をしてすぐに人を呼びに向かった。
しばらくして、受付嬢は窓口からではなく数ある受付窓口の最も左奥に設けられた扉から顔を出した。
「応接室にお呼びいたしました、どうぞ応接室へお入りください」
扉を開け礼をする受付嬢、開かれた扉に吸い込まれるように足を進めるベリアル。
「手前から2番目の部屋が応接室となっております」
受付嬢はそういうと、一礼し自分の持ち場へと戻った。
「アレだけの騒動があったにも関わらず冷静に対処しているところを見るに、これくらいの騒動は日常茶飯事という事だろうか……」
1人でブツブツと考え事をしながら応接室までの短い距離を歩くベリアル。
「うむ……考えていてもわからん、そこも含めて話をすれば良いだけか」
ベリアルはドアを3回ノックして中に入る。
室内はとても質素で広さも並み程度でソファーが二つ置かれておりその間に長机が一つ備え付けられているだけだった。
二つ置かれたソファーの左側に管理人らしき人物が座っていた。
「座っても構わないかな?」
ベリアルはソファーに腰掛けた老人に向かってそう訊く
「もちろん」
その返事を聞くなり、ベリアルは早々にソファーに腰掛け、話を始める。
「私の名前はベリアルと言う。ただの魔術師だ」
「私の名前はアーギラスと申す、冒険者組合を取り仕切るギルドマスターの職を務めさせていただいている者だ」
アーギラスと名乗るこの男、真っ白な白髪を持ち、肌には無数のシワを作ったその老体には不釣り合いな程、勇ましく強さを感じさせる瞳を持っている。
「うむ、アーギラス殿がここを取り仕切る長という訳かな?」
「相違は無い」
「ココの施設の一つである、酒場の床の一部を破壊してしまったのだ。申し訳ない。主膳費が幾らかかるかわからないが可能な限りは支払おうと思っている」
「貴方が支払うのかね?先程何やら物音がしたため見に行ったのだが、ダーラが一方的に攻撃を仕掛けているようにしか見えなかったが……」
どうやら、アーギラスは事件の一部始終を見ていたようだ。
見ていたというならば話は早い、ベリアルは事件の顛末を事細かく説明した。
「ダーラという奴に少々喧嘩をふっかけられてな、それが発展して戦闘になってしまったという訳なのだ」
「なるほど。では、尚更貴方に非はないかと思うのだが?」
「うむ……しかし、一概に責任が無いとは言い切れないが……」
ベリアルのその言葉にアーギラスは顎に手を添えながらこういった。
「うーん…… ではココで冒険者になって貰えれば、全てなかったことにしよう」
冒険者になるということは、数多くのクエストをこなしていく必要があり、更には命の危険性すらあり得るという職種に就くという事だ。
ベリアルは一瞬考える、だが結論は変わらなかった。
「承知した、今ここに冒険者になる宣言をしよう。それで今回のことは水に流して貰いたい」
冒険者という職業を耳にしたベリアルはもとより、ソノ職業に就くつもりだったのである。
「おぉ!そうか!では早速今日から登録をしておこう。あとこれを渡しておく」
アーギラスはそう言って、用意していたかのように、ポケットから取り出し、手渡してきたのは手のひらに収まるほどのサイズの分厚いカードのような物だった。
「これは?」
「冒険者組合証明書と呼ばれている物で、中央に記されているBと言うのが冒険者をランク付けし評価したものになる。因みにランク分けは14段階に分けられていて、ベリアル君のBランクと言うのは中の中くらいだろうか、まぁこれを見てくれれば一目瞭然だと思うが」
その言葉と同時にアーギラスは再び用意していたかのように、ポケットから折りたたんだ用紙を取り出して広げてみせた。
その用紙には、冒険者のランク分けの順位等が書かれていた。
ちなみに順位は以下の通りだ。
F<E<D<C<C+<B<B+<A<A+<AA<AAA<S<SS<SSS
「なるほど、しかしどうして私がいきなりBランクの評価を受けているのだろうか?こう言うのはクエスト等の実績に従って引き上げられていく物なのでは無いのか?」
「確かに、ベリアル君の言う通りなのだが…… 君が打ちのめしたダーラはBランク冒険者なのだよ。それで先の戦闘を見た結果Bランクという評価をさせて貰った」
「そう言う事か、くだらん事を聞いてすまなかった」
「とんでもない」
「では、これで失礼する」
ベリアルは短くそういい、部屋を後にした。
応接室を出て、酒場の方に目をやると、戦闘によって吹き飛ばされていた椅子や机は元の配置に戻されており、床も決して綺麗とは言えないが、穴は塞がっていた。
「ベリアルさん、指示された通りに床にできた穴はしっかりと補強し塞ぎ終えました」
クーガがベリアルの方を向いてそういう。
「うむ。では、今日のところはこれで帰るとしよう。そうだ、そこの受付嬢さん、明日もこの時間にココに来るとギルド長に伝えといてくれるかね?」
ベリアルがそう言うと、受付嬢は窓口の向こう側で軽くお辞儀をし、承諾の意思を示した。
ケイムに案内された場所は、酒場からほど近い場所にあった受付窓口のような物が複数箇所設置されているところだった。
「ここがクエストを見繕ってもらう時に来る場所でカウンターと呼ばれてます。カウンターで問い合わせれば管理人さんとすぐに対面できるかと思います」
ケイムはそう言うと、何故か半歩下がり律儀に一礼し、顔を上げた。
完全に上下関係が出来上がってしまっている。
フィーナもフィーナで頼んでもいないのに自ら率先してクーガの手伝いをしている。
この異様な光景にベリアルは少し戸惑いながらもカウンターにて管理人との対面を望んだ。
「すまない、ここの管理人に当たる人物がいれば呼んでくれないだろうか。酒場の件で少し話したいことがあるのだ」
ベリアルは女性の受付係にそう言った。
「かしこまりました、少々お待ちください」
受付嬢はべリアルの話を聞くなりお辞儀をしてすぐに人を呼びに向かった。
しばらくして、受付嬢は窓口からではなく数ある受付窓口の最も左奥に設けられた扉から顔を出した。
「応接室にお呼びいたしました、どうぞ応接室へお入りください」
扉を開け礼をする受付嬢、開かれた扉に吸い込まれるように足を進めるベリアル。
「手前から2番目の部屋が応接室となっております」
受付嬢はそういうと、一礼し自分の持ち場へと戻った。
「アレだけの騒動があったにも関わらず冷静に対処しているところを見るに、これくらいの騒動は日常茶飯事という事だろうか……」
1人でブツブツと考え事をしながら応接室までの短い距離を歩くベリアル。
「うむ……考えていてもわからん、そこも含めて話をすれば良いだけか」
ベリアルはドアを3回ノックして中に入る。
室内はとても質素で広さも並み程度でソファーが二つ置かれておりその間に長机が一つ備え付けられているだけだった。
二つ置かれたソファーの左側に管理人らしき人物が座っていた。
「座っても構わないかな?」
ベリアルはソファーに腰掛けた老人に向かってそう訊く
「もちろん」
その返事を聞くなり、ベリアルは早々にソファーに腰掛け、話を始める。
「私の名前はベリアルと言う。ただの魔術師だ」
「私の名前はアーギラスと申す、冒険者組合を取り仕切るギルドマスターの職を務めさせていただいている者だ」
アーギラスと名乗るこの男、真っ白な白髪を持ち、肌には無数のシワを作ったその老体には不釣り合いな程、勇ましく強さを感じさせる瞳を持っている。
「うむ、アーギラス殿がここを取り仕切る長という訳かな?」
「相違は無い」
「ココの施設の一つである、酒場の床の一部を破壊してしまったのだ。申し訳ない。主膳費が幾らかかるかわからないが可能な限りは支払おうと思っている」
「貴方が支払うのかね?先程何やら物音がしたため見に行ったのだが、ダーラが一方的に攻撃を仕掛けているようにしか見えなかったが……」
どうやら、アーギラスは事件の一部始終を見ていたようだ。
見ていたというならば話は早い、ベリアルは事件の顛末を事細かく説明した。
「ダーラという奴に少々喧嘩をふっかけられてな、それが発展して戦闘になってしまったという訳なのだ」
「なるほど。では、尚更貴方に非はないかと思うのだが?」
「うむ……しかし、一概に責任が無いとは言い切れないが……」
ベリアルのその言葉にアーギラスは顎に手を添えながらこういった。
「うーん…… ではココで冒険者になって貰えれば、全てなかったことにしよう」
冒険者になるということは、数多くのクエストをこなしていく必要があり、更には命の危険性すらあり得るという職種に就くという事だ。
ベリアルは一瞬考える、だが結論は変わらなかった。
「承知した、今ここに冒険者になる宣言をしよう。それで今回のことは水に流して貰いたい」
冒険者という職業を耳にしたベリアルはもとより、ソノ職業に就くつもりだったのである。
「おぉ!そうか!では早速今日から登録をしておこう。あとこれを渡しておく」
アーギラスはそう言って、用意していたかのように、ポケットから取り出し、手渡してきたのは手のひらに収まるほどのサイズの分厚いカードのような物だった。
「これは?」
「冒険者組合証明書と呼ばれている物で、中央に記されているBと言うのが冒険者をランク付けし評価したものになる。因みにランク分けは14段階に分けられていて、ベリアル君のBランクと言うのは中の中くらいだろうか、まぁこれを見てくれれば一目瞭然だと思うが」
その言葉と同時にアーギラスは再び用意していたかのように、ポケットから折りたたんだ用紙を取り出して広げてみせた。
その用紙には、冒険者のランク分けの順位等が書かれていた。
ちなみに順位は以下の通りだ。
F<E<D<C<C+<B<B+<A<A+<AA<AAA<S<SS<SSS
「なるほど、しかしどうして私がいきなりBランクの評価を受けているのだろうか?こう言うのはクエスト等の実績に従って引き上げられていく物なのでは無いのか?」
「確かに、ベリアル君の言う通りなのだが…… 君が打ちのめしたダーラはBランク冒険者なのだよ。それで先の戦闘を見た結果Bランクという評価をさせて貰った」
「そう言う事か、くだらん事を聞いてすまなかった」
「とんでもない」
「では、これで失礼する」
ベリアルは短くそういい、部屋を後にした。
応接室を出て、酒場の方に目をやると、戦闘によって吹き飛ばされていた椅子や机は元の配置に戻されており、床も決して綺麗とは言えないが、穴は塞がっていた。
「ベリアルさん、指示された通りに床にできた穴はしっかりと補強し塞ぎ終えました」
クーガがベリアルの方を向いてそういう。
「うむ。では、今日のところはこれで帰るとしよう。そうだ、そこの受付嬢さん、明日もこの時間にココに来るとギルド長に伝えといてくれるかね?」
ベリアルがそう言うと、受付嬢は窓口の向こう側で軽くお辞儀をし、承諾の意思を示した。
0
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる