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#9 ステータス
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崩れ去った石碑の前にしばし呆然と立ち尽くしていた受付嬢は、ふと我に帰るとベリアルの方を向いてこう言った。
「何ですか……あなたは一体何者なのですか……」
その声色からは、痛いほどに恐怖と言うものが伝わってきた。
「ふむ、私が何者かか…… 今はただの冒険者だとも」
「今はですか……」
未だに受付嬢の声からは恐怖が抜けきっていない様子だった。
「案ずるな、危害を加えることはしない、そちらがなにもしてこない限りはな」
諭すようにそういうベリアルだったが、内心はまるで逆。
むしろ受付嬢と同じような気持ちに駆られていた。
それは自分の強さに対してもだが、この場で唯一悠然とした態度で、さも当たり前かやような表情を浮かべるクーガに対する恐怖だった。
「ベリアルさんの力をこのようなオモチャで測ろうとすること自体が間違いだったのだ」
クーガは自慢げにそう言う、受付嬢もそれを聞いて納得したような表情を浮かべる。
「ま、まぁなんだこの状態では私のステータスは判断がつかないだろう?オープンステータスを使って表示しようか?」
「「是非お願いします」」
2人は息を揃えてそういった、一方は事務のため、もう一方はその計り知れぬ力を拝みたいという好奇心から来た返事だった。
「よし、《オープンステータス》」
そう唱えた瞬間、ベリアルの前に半透明の長方形のプレートのようなものが現れた。
レベル:9999+999
HP 256,800,900/256,800,900
MP 365,171,324/365,171,324
攻撃力 860,900
防御力 750,000
俊敏性 980,400
魔攻力 999,999+100,001
魔防御 999,999+100,001
そのステータスを見た受付嬢は放心状態になり、クーガは目を輝かせていた。
「まぁ、こんなところか」
そう、ベリアルにとっては今の・・ステータスは本当に『こんなところか』と言い放つ程度のものなのである。
しっかりとした装備を見に纏えばこのステータスの約3倍程度の力になるのだから。
「流石です!!」
クーガは少年のように目をキラキラと輝かせてそう言った。
それとは対照的に死んだ魚の目をしながらただただ呆然と眺めるだけの受付嬢。
「もう、ステータスを閉じても良いか?」
「・・・」
受付嬢の口は開いている、だが言葉は発さなかった。
「おい、聞いているのか!」
クーガが高圧的に受付嬢にそう言葉を投げかけると、受付嬢は我を取り戻したようにハッとし、静かな声で『もう結構です』と言った。
「そうだ、我々に何か依頼があるようだったが」
「あ、はい!少々お待ちください、今から書類を取ってきますので」
受付嬢は早足で受付窓口まで駆け寄り、書類を持ってベリアル達の元まで戻ってきた。
「こちらが今回ベリアル様に依頼されたクエストです」
ベリアルは受付嬢が持ってきた依頼書を片手で受け取り目を通した。
その依頼書の内容は以下のように綴られていた。
討伐依頼
対象階級:Aランク以上
討伐対象:キングオーガ
報酬:金貨15枚
昇級:有り
「ふむ、キングオーガか。生息地について大雑把でも良いから情報はあるか?」
ベリアルは書類を眺めながら受付嬢にそう訊く。
「はい、生息地はゴビュラの大森林です。現段階ではこの程度の情報しか掴めてません」
「十分だ、行くぞクーガ」
「御意」
ベリアルは書類をクーガに渡してくるりと体を出口の方へ向けて歩みを進める。
「お待ちを!いいのですか!?そんな、なんの支度もせずに……」
そう、キングオーガとは決して下級の魔物ではない。故に討伐依頼が出たならばそれなりの人員と装備を整え更には長期戦を考え、大量の食料類も用意する必要があるのだ。
だがしかし──
「問題ない。あのステータスを見ても尚、準備不足と言えるか?」
そう、圧倒的強者を前にすればキングオーガなど取るに取らない存在。大量の食料や大勢の人員など不要。
「そ、そうですね……でも、十分にお気をつけて下さいね」
受付嬢は悲しみがまとわりついたような声でそう言った。
「安心しろ、私は必ず無事に戻ってくる」
ベリアルがそう言葉を発すると、受付嬢は少し間を置いて元気な声で『はい!』と応え、ベリアル達を見送った。
ギルドを出るとそこにはとんでもなく高級そうな馬車が一台止まっていた。
「なんだこれは?」
「邪魔ですね、斬り伏せますか?」
「アホか?それとも狂戦士か?少しは冷静に物事を考えろ」
「御意」
そんなやりとりをしていると、馬車の中から1人の男性が出てきた。
「君たちが私の依頼を受けてくれた冒険者かね?」
その男性はまさしく貴族という言葉が似合う服装に少しだけ長い髭を生やしながら堂々たる立ち姿でベリアル達に問いかけた。
「それは分からぬ、そなたはどのような依頼をしたのだ?」
ベリアルがそういうと、馬車からもう1人男性が飛び出てきて切っ先をベリアルの喉元に突きつけた。
「その無礼な口、喉元から抉り取ってやろうか?」
その男もまた、貴族に従える騎士という言葉が似合う、金髪の青目をした青年だった。
「待て」
ベリアルはそう言葉を放つ、だがその言葉は切っ先を向けている騎士ではなくクーガに対するものだった。
クーガはその言葉を聞き、すっと殺気を消した。
「私はキングオーガの依頼を受けた者だ、誰が依頼したのかは聞かされていない」
ベリアルは切っ先を向けられたまま貴族にそう言った。
「リシュム、剣を下ろしなさい。この者達は、私の依頼を受けてくれた冒険者達だ」
「かしこまりました。命拾いしたな冒険者、だが次はないと思え」
先ほどまで切っ先を向けていた騎士に対してベリアルはこう放つ。
「リシュムと言ったか?そなたは実に主人思いなのだな」
「当然だ、ギムル様を護衛するのが私の仕事なのだからな」
その言葉の真意はリシュムとベリアルにしかわからないものだった。
何故ならば、切っ先を向けたあの時からベリアルはリシュムに対してだけ微量ながら殺気を放っていたのだ。
常人ならば膝を曲げ手を大地につけ、恐怖のあまり嗚咽し失神すらあり得るそれ程の殺気を受け続けても尚、剣を引かず膝を曲げずに立っていたのだ。
「ところで、そなたらの名前はなんというのだ?」
今回の依頼人であるギムルがそう訊く。
「私の名前はベリアルだ、隣にいる剣士は私の連れで名前はクーガという」
「私の名前は先程もチラリと出ていたがギムル・ビビタリオンと言う、今回の依頼引き受けてくれたこと感謝する、早速だがゴビュラの大森林まではこの馬車で送迎する乗ってくれたまえ」
「気遣い感謝する」
ベリアルやクーガからすれば馬車よりも駆けて行った方が速いのだが特に急ぎの用事もないため馬車に乗り込む事にした。
馬車の内部は、外から見た時より広く感じ、4人乗りのようだが詰めれば6人は乗れそうなほどだった。
進行方向を向いた方の座席にリシュムとギルムが座り、それとは反対側にベリアルとクーガが座った。
対面しても尚、窮屈さは感じない。流石は貴族の乗る馬車といったところか。
「ベリアル殿、そなたは今までどのような魔獣を討伐してきたのかね?」
ギムルはベリアルにそう問う。
「うむ……冒険者としてはまだ一体も討伐してないな」
「なんと! リシュム今すぐ馬車を止め……「まぁしかしキングオーガくらい片手で捻り潰すことは出来る、安心してくれて構わない」
馬車を止めようとするギムルを止めるベリアル。
「どこからそのような自信が?」
「経験……だろうかな、冒険者としては一体も討伐したことはないがそれより以前にキングオーガ程度なら何度も狩り殺しているからな」
ベリアルの言う冒険者になる前とは、ゲームだった時のことを言う。
その時の事を考えればキングオーガなど本当に恐るるに足らない存在なのだ。
「ふむ……キングオーガを何度も討伐したと……にわかには信じられ無いが、今はそなたを頼るほか無い。よろしく頼んだぞベリアル殿」
ギムルは顎に手を添えながら少ししかめっ面でそういった。
「フン、心配など無用だ確実に依頼を遂行してみせよう」
堂々たるその返答に、ギムルの目は若干の希望を見せた。
「ところで、ギムル殿は──」
ガタッ
ベリアルがギムルに対して質問をしようとした時、馬車が揺れ急停車する。
「何者だっ!」
御者のその声はベリアル達のいるところまで響き渡った。
「高そうな馬車を見つけたもんで、襲いにきた只の盗賊だ!」
御者の言葉に答えたその声は図太く男臭さそうな声をしていた。
「ふむ、邪魔者……否、実力を見せるにはちょうど良い相手か…… クーガこの2人を護衛していろ、私は野良犬どもを蹴散らしてこよう」
「何ですか……あなたは一体何者なのですか……」
その声色からは、痛いほどに恐怖と言うものが伝わってきた。
「ふむ、私が何者かか…… 今はただの冒険者だとも」
「今はですか……」
未だに受付嬢の声からは恐怖が抜けきっていない様子だった。
「案ずるな、危害を加えることはしない、そちらがなにもしてこない限りはな」
諭すようにそういうベリアルだったが、内心はまるで逆。
むしろ受付嬢と同じような気持ちに駆られていた。
それは自分の強さに対してもだが、この場で唯一悠然とした態度で、さも当たり前かやような表情を浮かべるクーガに対する恐怖だった。
「ベリアルさんの力をこのようなオモチャで測ろうとすること自体が間違いだったのだ」
クーガは自慢げにそう言う、受付嬢もそれを聞いて納得したような表情を浮かべる。
「ま、まぁなんだこの状態では私のステータスは判断がつかないだろう?オープンステータスを使って表示しようか?」
「「是非お願いします」」
2人は息を揃えてそういった、一方は事務のため、もう一方はその計り知れぬ力を拝みたいという好奇心から来た返事だった。
「よし、《オープンステータス》」
そう唱えた瞬間、ベリアルの前に半透明の長方形のプレートのようなものが現れた。
レベル:9999+999
HP 256,800,900/256,800,900
MP 365,171,324/365,171,324
攻撃力 860,900
防御力 750,000
俊敏性 980,400
魔攻力 999,999+100,001
魔防御 999,999+100,001
そのステータスを見た受付嬢は放心状態になり、クーガは目を輝かせていた。
「まぁ、こんなところか」
そう、ベリアルにとっては今の・・ステータスは本当に『こんなところか』と言い放つ程度のものなのである。
しっかりとした装備を見に纏えばこのステータスの約3倍程度の力になるのだから。
「流石です!!」
クーガは少年のように目をキラキラと輝かせてそう言った。
それとは対照的に死んだ魚の目をしながらただただ呆然と眺めるだけの受付嬢。
「もう、ステータスを閉じても良いか?」
「・・・」
受付嬢の口は開いている、だが言葉は発さなかった。
「おい、聞いているのか!」
クーガが高圧的に受付嬢にそう言葉を投げかけると、受付嬢は我を取り戻したようにハッとし、静かな声で『もう結構です』と言った。
「そうだ、我々に何か依頼があるようだったが」
「あ、はい!少々お待ちください、今から書類を取ってきますので」
受付嬢は早足で受付窓口まで駆け寄り、書類を持ってベリアル達の元まで戻ってきた。
「こちらが今回ベリアル様に依頼されたクエストです」
ベリアルは受付嬢が持ってきた依頼書を片手で受け取り目を通した。
その依頼書の内容は以下のように綴られていた。
討伐依頼
対象階級:Aランク以上
討伐対象:キングオーガ
報酬:金貨15枚
昇級:有り
「ふむ、キングオーガか。生息地について大雑把でも良いから情報はあるか?」
ベリアルは書類を眺めながら受付嬢にそう訊く。
「はい、生息地はゴビュラの大森林です。現段階ではこの程度の情報しか掴めてません」
「十分だ、行くぞクーガ」
「御意」
ベリアルは書類をクーガに渡してくるりと体を出口の方へ向けて歩みを進める。
「お待ちを!いいのですか!?そんな、なんの支度もせずに……」
そう、キングオーガとは決して下級の魔物ではない。故に討伐依頼が出たならばそれなりの人員と装備を整え更には長期戦を考え、大量の食料類も用意する必要があるのだ。
だがしかし──
「問題ない。あのステータスを見ても尚、準備不足と言えるか?」
そう、圧倒的強者を前にすればキングオーガなど取るに取らない存在。大量の食料や大勢の人員など不要。
「そ、そうですね……でも、十分にお気をつけて下さいね」
受付嬢は悲しみがまとわりついたような声でそう言った。
「安心しろ、私は必ず無事に戻ってくる」
ベリアルがそう言葉を発すると、受付嬢は少し間を置いて元気な声で『はい!』と応え、ベリアル達を見送った。
ギルドを出るとそこにはとんでもなく高級そうな馬車が一台止まっていた。
「なんだこれは?」
「邪魔ですね、斬り伏せますか?」
「アホか?それとも狂戦士か?少しは冷静に物事を考えろ」
「御意」
そんなやりとりをしていると、馬車の中から1人の男性が出てきた。
「君たちが私の依頼を受けてくれた冒険者かね?」
その男性はまさしく貴族という言葉が似合う服装に少しだけ長い髭を生やしながら堂々たる立ち姿でベリアル達に問いかけた。
「それは分からぬ、そなたはどのような依頼をしたのだ?」
ベリアルがそういうと、馬車からもう1人男性が飛び出てきて切っ先をベリアルの喉元に突きつけた。
「その無礼な口、喉元から抉り取ってやろうか?」
その男もまた、貴族に従える騎士という言葉が似合う、金髪の青目をした青年だった。
「待て」
ベリアルはそう言葉を放つ、だがその言葉は切っ先を向けている騎士ではなくクーガに対するものだった。
クーガはその言葉を聞き、すっと殺気を消した。
「私はキングオーガの依頼を受けた者だ、誰が依頼したのかは聞かされていない」
ベリアルは切っ先を向けられたまま貴族にそう言った。
「リシュム、剣を下ろしなさい。この者達は、私の依頼を受けてくれた冒険者達だ」
「かしこまりました。命拾いしたな冒険者、だが次はないと思え」
先ほどまで切っ先を向けていた騎士に対してベリアルはこう放つ。
「リシュムと言ったか?そなたは実に主人思いなのだな」
「当然だ、ギムル様を護衛するのが私の仕事なのだからな」
その言葉の真意はリシュムとベリアルにしかわからないものだった。
何故ならば、切っ先を向けたあの時からベリアルはリシュムに対してだけ微量ながら殺気を放っていたのだ。
常人ならば膝を曲げ手を大地につけ、恐怖のあまり嗚咽し失神すらあり得るそれ程の殺気を受け続けても尚、剣を引かず膝を曲げずに立っていたのだ。
「ところで、そなたらの名前はなんというのだ?」
今回の依頼人であるギムルがそう訊く。
「私の名前はベリアルだ、隣にいる剣士は私の連れで名前はクーガという」
「私の名前は先程もチラリと出ていたがギムル・ビビタリオンと言う、今回の依頼引き受けてくれたこと感謝する、早速だがゴビュラの大森林まではこの馬車で送迎する乗ってくれたまえ」
「気遣い感謝する」
ベリアルやクーガからすれば馬車よりも駆けて行った方が速いのだが特に急ぎの用事もないため馬車に乗り込む事にした。
馬車の内部は、外から見た時より広く感じ、4人乗りのようだが詰めれば6人は乗れそうなほどだった。
進行方向を向いた方の座席にリシュムとギルムが座り、それとは反対側にベリアルとクーガが座った。
対面しても尚、窮屈さは感じない。流石は貴族の乗る馬車といったところか。
「ベリアル殿、そなたは今までどのような魔獣を討伐してきたのかね?」
ギムルはベリアルにそう問う。
「うむ……冒険者としてはまだ一体も討伐してないな」
「なんと! リシュム今すぐ馬車を止め……「まぁしかしキングオーガくらい片手で捻り潰すことは出来る、安心してくれて構わない」
馬車を止めようとするギムルを止めるベリアル。
「どこからそのような自信が?」
「経験……だろうかな、冒険者としては一体も討伐したことはないがそれより以前にキングオーガ程度なら何度も狩り殺しているからな」
ベリアルの言う冒険者になる前とは、ゲームだった時のことを言う。
その時の事を考えればキングオーガなど本当に恐るるに足らない存在なのだ。
「ふむ……キングオーガを何度も討伐したと……にわかには信じられ無いが、今はそなたを頼るほか無い。よろしく頼んだぞベリアル殿」
ギムルは顎に手を添えながら少ししかめっ面でそういった。
「フン、心配など無用だ確実に依頼を遂行してみせよう」
堂々たるその返答に、ギムルの目は若干の希望を見せた。
「ところで、ギムル殿は──」
ガタッ
ベリアルがギムルに対して質問をしようとした時、馬車が揺れ急停車する。
「何者だっ!」
御者のその声はベリアル達のいるところまで響き渡った。
「高そうな馬車を見つけたもんで、襲いにきた只の盗賊だ!」
御者の言葉に答えたその声は図太く男臭さそうな声をしていた。
「ふむ、邪魔者……否、実力を見せるにはちょうど良い相手か…… クーガこの2人を護衛していろ、私は野良犬どもを蹴散らしてこよう」
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