嫉妬深い強欲デブでスケベで怒りに燃える怠け者の男「俺こそが唯一絶対の存在だ」

ふっくん◆CItYBDS.l2

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強欲

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 その男は、強欲であった。



 欲しい物は、何でも手に入れた。男の本棚には、ありとあらゆるジャンルの漫画や小説が納められ。ショーケースの中には、精巧に作られたフィギュアが立ち並び。キッチンには世界中のありとあらゆる酒が揃えられていた。



 だが、それらを手にするにあたって男が金を払ったことは一度もない。そもそも、これだけのコレクションを揃えられるような財力は男には無かった。では、如何にして男はその強欲を満たしたのか。答えは簡単だ、それらは全て盗品であったのだ。



 男の仕事は、墓守であった。男は、一切の罪悪感を抱くことなく欲しいものは何でも盗ってくるような外道ではあるが、決してそれが男の仕事であるというわけではない。むしろ、男にとって盗むという行為はコレクター欲を満たすための手段に過ぎないのだ。であるから、男が墓守であるという一文は何の比喩的表現でもなく、事実のみを記したものなのである。



 男は、とある墓園の管理を行政から任されていた。墓園を綺麗に保ち、新しい入居者があれば快く迎え入れる、それが男に託された唯一の責務であった。しかし、男にとってその仕事は至極退屈なものであった。園内の清掃は、一時間もあれば終わってしまい残った時間は小さい管理室で何をするでもなく過ごすしかない。いつしか時間を持て余した男は、自ら仕事を探すようになった。



 無縁仏の受入れ営業は、男が思いついた仕事のなかでも特に有意義なものであった。広大な墓園には、まだまだ未入居の土地が大量にあったため、男はそこを積極的に売り出すことにしたのだ。だが、たいていの亡骸は、その親族によって所縁ある墓へと埋葬されている。だから男は、営業のターゲットを孤独な者たちへと絞った。目論見は見事的中し、男は膨大な数の入居者を獲得し、それら入居者を墓園へ迎え入れ、埋葬し弔うという、永遠にも等しい時間のかかる新たな仕事を手に入れた。それは、男の本来の仕事とは大きくかけ離れたものであったが、誰も男を咎めることはなかった。
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