【2025年再投稿版】蒼炎のカチュア

黒桐 涼風

文字の大きさ
37 / 60
第二章 英雄の力

2-9 誰が持つんだ、その大剣を! 持てる人はいます

しおりを挟む
 ミカンという女の子からの、依頼を引き受け、早速、依頼先のロプ村という、ところに向かうことになったカチュア達。

 現在は、まだ、アヴァルの街中にいます。

「さて、行きましょうか~」
「行こう、行こう!」
「は~」

 ため息を付くルナ。

「ルナちゃん、どうしたんですか? 息を大きく吐いて……」
「何事もないように、言っているよ。この人」

 ルナは、目を細くさせながら、エドナを見つめていた。

「え? どーしたの~? ルナちゃん? エドナちゃんを見つめて?」
「先に行っていた。というか、迷子になっていたエドナさんを見つけた時は、ものの見事にやられましたよ」
「はうう……。それはもう、忘れてよー!」

 それは、ほんの少しの前の話。

 エドナは、カチュアとルナからはぐれてしまった。エドナは二人を探していったが、その途中で、転んでしまい、その拍子で道歩く人にぶつかっていった。しかし、それだけでは済まなかった。エドナが、ぶつかった人が更に、道歩く人にぶつかっていった。それから、次々と、街の人たちを巻き込んで、ドミノ倒しのように倒していってしまった。

 エドナは巻き込んでしまった街の人達に謝罪をして周っていたら、彼女を探していたカチュア達と合流することができた。

「あーそうですね~。じゃあ、行きましょう。……その前に、聞きますが、あなた方は、ロプ村がどこにあるか、わかりますか?」
「あ! そういえば……カチュアさんは、ロプ村がどこにあるか知っています?」
「う~ん……分からないわ~。エドナちゃんは~?」
「あたしは、つい此間こないだまで、他の村へ行ったことすらなかったから、分からないんだよ」
「そんなことだと、思いました」

 ルナは大きくため息を付いた。

「ルナが場所わかりますから案内しますよ」
「え? でも、外は危険種がたくさんいるわよ~。ルナちゃん連れて行くのは危険だわ~」
「エドナさんも行くんでしょ? ルナとエドナさんは、そんなに年は離れていないです。それに、ルナには魔術があります。いざとなれば、魔術で蹴散らしますから、連れてって下さい!」
「そーなのね~。分かったわ。ありがと~」

(自分で言ったのも、なんですが、そんな簡単に納得しちゃっていいのですか?)

「……その前に、カチュアさん」

 ルナは、カチュアの身体を上から下まで見渡す。

「エドナさんは弓を持っています。ですが、カチュアさんは武器を所持していないですね。素手で戦うつもりですか? 見た感じ、魔道具も装備していないようですし」
「カチュアさん、確か、剣を扱うんだけど、この街に着までに全部壊しちゃたんだよ。だから、今のカチュアさんは武器を一つも持っていないんだよ。でも、カチュアさんなら素手でも戦えますよ」
「素手って、確かに可能ですね。……ちなみに、カチュアさんは勇能力でも、持っているんですか? あのバカ力は尋常じんじょうではないですよ」
「勇能力って、確か、よく英雄譚に載っている、英雄の持つ力だよね? あたしは詳しく知らないんだよ。カチュアさんがそれなのかな?」

 肝心のカチュアはというと。

「勇能力って何~?」
「……知らないようですね」

(分かっていました。勇能力の力は魔力を使用しますから。カチュアさん自身には魔力を感じられませんでしたから)

「それじゃあ、カチュアさんは、魔術は使えますか?」
「ん~? 使ったことはないわ~」
「そうですか。魔術は便利ですよ。魔物を相手にするには、物理で攻めるよりも、その魔物に弱い属性魔術をぶつける方が効率がいいです。もしよかったら、予備の魔道具と力は弱めの魔石はありますので貸してあげますよ。ちなみに七属性全部の魔石をそろっていますので、ご自身の合った属性を使えます。やり方も教えますよ」

(魔術をそんなに使っていない人には、弱めの魔力を秘めた魔石を使わないと危険です。以前、強い魔力を秘めた魔石を使って、自爆した人がいましたから)

「ん~~それはありがたいんだけど、魔道具を持っていても、わたしは魔術が使えないのよ~」
「ん? そんなことは、ないはずですよ。魔道具を持っていていれば、魔術の火力に違いはありますが、誰だって扱えますよ」

(まあ、扱う属性の相性もありますけど。ルナは風の魔術以外の属性魔術は扱えます。しかし、それ以外に魔術が、使えないとなると)
 
「もしかして、カチュアさんは勉強が苦手な方ですか?」
「実は、そーなのよ~」
「やっぱりですか。魔道具を持っていていれば誰だって使えます。ですが、それは、魔術に関する勉強をしていればの話です」
「わたし、とても、勉強は苦手なのよ~」
『それ、誇っていいのか?』
「うん、まあいいです。これは……想像以上に手が掛かるわ」

 ルナはカチュア達が見えない方向へ顔を向け、また大きなため息を吐いた。

「おや、君は確か、アルヴスくんの妹さんではないか」

 突然、この街の住人らしき男性から声をかけられる。

「あなたは確か……」
「はっはっはっは!」

  腕を腰を当てながら、急に笑い出した。

「『はっはっはっは』さんって言うんですね?」
「違いますよ。ただの笑い声ですよ。エドナさん」
「おっと失礼した。『あなたが確か』と言われたところで、名乗るべきところに急に笑い出してしまったからな」

(普通は「はっはっはっは」が名前なんて思わないんだけどね。それに、世の中には、、何て言うものがあるから。名称合っているよね?)

「申し遅れた」

 尋ねた男性は、右手をこめかみ辺りに当てた。

「わたしはベレクト。ガロン様の配下のものだ」
「はう? ガロン? 人の名前かな? 何処で聞いたことがあるんだよ。どこだっけ?」
「八騎将って聞いたことないですか? この帝国の八人の将軍のことです」
「あ! 何処で聞いたことがあると思ったら、村長さんから聞いたことがあるんだよ。『ガ』が付く人がいるのは、覚えている。後は『ゲ』が付く人と。『ネ』が付く人。『マ』が付く人もいたはずなんだよ」

(それは、覚えているって言うのか? ルナも呆れ顔しているよ)

「……ところで」

(ほら、呆れて、スルーしているよ)

「そのガロン……様の隊の人が、なんでここに?」

(気のせいかな? ルナは『様』付けにすることを躊躇ちゅうちょしたように感じた)

 ベレクトと名乗る、男はポーズを取った。

『何で、ポーズの決めるの? この人』
「ふむ、アウルの街にいたんだが、急遽、ガロン様に呼び出されてしまったんだ」

(何で、別のポーズに変えているんだ? この人)

「その途中でこの街の近くで陣地を作って、そこで兵達を休ませているんだ。さすがに大軍を街に入れさせるわけにはいかないからな」
「ガロン……様の配下とは思えない配慮はいりょですね」
「ガロン様は戦うことしか頭に入っていませんから」

 ベレクトはまた別のポーズを決めた。
 
(この人、ポーズを決めないと喋れないのか?)

「その急遽というのは、今回の?」
「お察しの通りだ。今は退いているとはいえ、また仕掛ける可能性がある。だがら、呼び出されたのです。救援を行わないとならないというのに。幸い、シグマ様の部隊が駆けつけてくれたものの言いのもの、持ち場を任された我々が離れるのも無責任ですね」

(また、別のポーズに変えている。忙しい人だな。ポーズ決めるのに)

「本当にガロン……様の配下とは思えない責任感の持ち主ですね」
「口だけならなんとも言えますよ。……おっと、そろそろ、出発しないとだ。一秒で遅れたら大変なことに。では、わたしはこれで失礼する」

 そういって、ポーズ決めながら、この場を去っていった。

(この国の軍に所属する者は、ポーズを決めるのが作法なのか?)

「あの大声で話す人。帝国に仕える人なんだよね?」
「あの人は特殊な方ですよ。八騎将の一人である、ガロンの配下なのよ」

(さっきまで帝国のお偉いぽい人に対して『様』付けしていたのに、ベレクトとかいう者がいなくなったら、急に呼び捨てし出したよ)

「八騎将って、コルネリア帝国を守る八人の将軍だよね。村長さんに何千回も聞いたことがあるんだよ」

(その同じ内容を何千回を聞いていたはずなのに、所属する者名前を正確には覚えていなかったけどね)

「そう、その八騎将の一人シグマ様の配下がルナの兄です」
「そうなんだ!」
「ガロンは、冷血な性格で、『力』を絶対的正義だと思っている脳筋のうきんで有名な方なんです。べレクトさんは、そんなガロンの下に就いているとは、思えないほど陽気ようきな方なんです。噂では、凄い実力の持ち主らしいですよ」
「う~ん」

 カチュアが頭を抱えているんだよ。

「どうしたんですか? カチュアさん?」

 エドナがカチュアに声を掛けた。

「あの人~」
「ベレクトさんがどうしたんですか?」
「なんか不思議な感じがするのよ~。表に出している姿と、内に秘めた心が不自然に感じるのよ~」
「頭がこんがらがってきた。つまり……どういうことですか?」
「うまく言えないけど、表に出している姿を作っているのではないですか? ガロンの元に就いているから激務でしょうね。空元気でご自身を保っているでしょうね」
「うーん……ルナちゃんの説明でも、よくわからないんだよ」
「ルナも上手く説明できません。それよりも、べレクトさんのことはいいから、早く行きましょう」

(言われてみれば、ガロンの下に付くにしては、陽気過ぎますね。空元気でもあそこまで陽気ではいられません。他のガロンの配下の者は心を失ったのではないかって思う程、覇気が感じられませんのに。あの陽気さが不気味に見えます)



 しばらく、ルナの案内で、街を歩いくカチュアとエドナ。

「着きましたよ。ここです」

 案内された先には、剣みたいな模様が入った大きな看板を飾った店だった。

「ここは?」
「武器屋です。あなた方……特にカチュアさんは、ちょっと装備を整えた方がいいですよ。入りますよ」

 ルナが、店のドアを開けると。

「いらっしゃい!」

 店の中に入ると、の店主が出迎えてきた。

「あれ?」
 
 店主はエドナの顔をじーと見つめた。

「嬢ちゃんじゃないか! どうしてここに?」
「エドナさんの知り合いですか?」
「はうう? 確かに見たことあるようだけど、どこで会ったかな?」
「おい、おい、何忘れているんだよ! ハルトだよ。ハルト! 何忘れているんだよ」
「……あーーー! ハルトさん! ハルトさんだ!」

 ハルトは以前、ライム村に住んでいて、現在はどこかの街で、武器屋を営んでいる。

「武器屋をしている話は聞いていたんだけど、この街にいらっしゃったのですね」
「そういえば、言っていなかった」
「ハルトさんのことだから、街の名前を忘れていたんだよ。きっと」
「確かに、街の名前忘れていたな」

(大丈夫なのかこの人?)

「そちらのちっこい嬢ちゃんと、マントの……微かに見える顔からすれば姉ちゃんか? この二人は?」
「こっちはルナちゃんで、こっちはカチュアさんなんだよ」
「で、なんで、ちっこい嬢ちゃんがここに?」
「そっか! ハルトさんは、ライム村で起きたことを知らないんだ! 実は……」

 エドナはハルトに、ライム村で起きた惨劇のことを話した。

「そんなことが……辛かったな。……大丈夫なんか? こんな時に?」
「あたしは大丈夫なんだよ!」
「……そっか、無理はするなよ。それよりも、マントの嬢ちゃん」

 ハルトは、フードを被ったカチュアに向かって、お辞儀をした。

「ありがとうな。ちっこい嬢ちゃんを守ってくれて」
「ううん。わたしもエドナちゃんに助けられたわ~」
「お礼と言ってはなんだけど、ただで武器を提供するよ」
「ありがとうなんだよ。ハルトさん」
「ところで、なんで一人だけ、マントなんて着ているんだ?」
「うーん~。わたしは目立つらしいのよ~」
「そっか、なんか、事情があるなら仕方がないか。で、マントの嬢ちゃんは、どんな武器を扱うんだ?」
「主に剣よ~。なかったら、槍でも、斧でも、鎌でも、ハンマーでも、いいわ~」
「色々使えるんだな。取り敢えず剣だな。剣となると、このショートソードか?」
「カチュアさんは、壊れにくい剣の方がいいかな? そこの大きな剣とか、いいかもしれないんだよ」

 エドナが指先には、大きな剣があった。

 しかし、その大剣の大きさは、カチュアの身長を軽く超えていた。ハルトよりかはちょっと小さめだ。

「ええと……これはさすがに手慣れた剣士でも持つだけでさえ、難しいぞ」

 カチュアは、その大剣の持ち手を、掴んだ。

「え?」

 カチュアは片手で大剣を軽々と持ち上げてしまった。

「うそだろ……」
「怪力なのは分かっていましたが、まさか、片手で……」

 ハルトとルナは、とても驚いた表情をしていた。

「マントの嬢ちゃんは、もしかして勇能力の持ち主か?」
「勇能力? そーなんですか? エドナちゃん?」
「うーん、わからないんだよ。ハルトさん、勇能力って、なんですか?」
「そう言えば、ちっこい嬢ちゃんは、勇能力とは無縁だったから触れることはなかったんだな。英雄と呼ばれるような者が持つ特殊能力だ」
「魔術とは違うの?」
「まあな」
「そんなことよりも、行かないと~」
「じゃあ、行こう~」
「ちょっと待って」

 店から、出ようとする、カチュアとエドナを止め、ルナはハルトの方へ振り向いた。

「ハルトさんでしたっけ? あなた、どこかで会ったことが、ある気がするのです」
「俺はピンク髪の嬢ちゃんには、会ったことないが」
「ハルトさんは、忘れているだけなんだよ! 現に、もうルナちゃんの名前も忘れているんだよ!」
「失礼な! 忘れっぽいのは、名前だけだ! 顔は見たら覚えられるぜ」
「名前を忘れるのも失礼だと思うんですか……まあいいです。失礼します」
「気をつけな」

 お店から出るんだよ。

(やっぱり、気のせいでしょうか? ハルトさんとかいう方の顔。どこかでみたことがあるんです。どこでしたっけ?)



【武器屋前】

「じゃあ、行きましょ」
「あ! はーいなんだよ」

 カチュアとエドナとルナは歩き出した。

「って、カチュアさん! 剣引きずっていますよ」
「え?」

 カチュアの貰ったばかりの大剣が、カチュアの身長を超しているため、背中に背負った鞘に納めた大剣の先が、地面に付いて引きづっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...